マッサージ(リンパじゃないやつ)
「お背中、失礼致しますね?」
「え? は? えっ!?」
シュシュは僕の背中に回り込むとピッタリと胸をくっつけた。そして脇の下から腕を回すと、両手を僕のおへその少し下……下腹部に添えた。
「あっ、えっちなのはダメだよ!? シュシュちゃん、せんぱいのおちんちん触っちゃだめだからね!? それはノノっ……あの……せんぱいの大事なところだからね?」
「ご安心ください。私もそのような過激な行いをする気はありません。ほむら先輩のおちんちん……には絶対に触れません。ちゃんと、私たち中学生がするにあたって適切な範囲に収めます……本当ですよ?」
それなら良かった。シュシュに性的行為をする気が無いなら安心だ。これから先の展開も、中学生のノノが見られる内容になることだろう。
「ただ、これからすることは気分を害する可能性があります……何か不調など違和感があれば、すぐに仰ってくださいね?」
「えっ? シュシュ君……僕に何をする気……?」
「怪我をするような行いではない、とだけ言っておきますね♡」
耳元で恐ろしい言葉を吐くシュシュはどことなく楽しそうでもあった。
シュシュの好きにさせてはいけないと、僕の本能が訴えている。それと同時に、シュシュが何をするつもりなのか興味も湧いてくる。
ノノも同じ気持ちなのだろう。僕とその背中のシュシュを見る表情は、不安と興味が半々という具合だった。
「それでは……えいっ♡」
シュシュは掛け声と同時に、僕の下腹部を両手で軽く押した。シャツの上から少しだけ、指先が沈む程度に軽く、ただ押しただけだった……それだけのはずなのに――
「っ!??!?」
――突然、僕の視界にパチパチと火花が散ったのだった。
「どうですか? ご気分は悪くないですか?」
「うっ、うん……気持ち悪くない……悪くは、ないんだけど……? なに、今の……あの、シュシュ君……もう一回やってみて……?」
シュシュが下腹部を押した一瞬だけ走った、形容しがたい感覚。不快なのか、快感なのか、その区別すらつかず、僕は正体を求めてシュシュにおねだりしていた。
「今度は長めにやって差し上げますね……ぎゅぅ~っ♡」
シュシュは右手に左手を重ねて、中指と薬指で僕の下腹部を押した。今度は一瞬ではなく、長く――
「っ……あっ……うっ……? なに、これ……これなに……?」
くらくらと眩暈がして、じんわりと体温が上がってくるような、まるで特殊なマッサージでもされているかのような心地だった。
そこには何もないはずなのに、これではまるで気功の達人だ。シュシュは僕の中の存在しない臓器を刺激するかのように、指先で下腹部をぐぅ~っと押していた。
「くすっ……ほむら先輩、涎が垂れてしまっていますよ? 私の掌にかかってしまって……♡ ノノさん、お手数をおかけしますが、拭っていただけませんか?」
「えっ、あっ……うっ、うん……」
今の僕は、後輩たちの前で涎を垂らしてしまっていることもどうでもよくなっていた。ノノがシュシュの手と僕の口元をティッシュで拭うのも、どうでもよかった。
僕の下腹部に触れているシュシュの手のことしか考えられない。そのたった2本の指に、僕は思考の全てを奪われていまっていた。
もっと押して欲しくてたまらない。長く、強く、深く……でも――
「シャツの上からだと、少しやりにくいですから……めくってしまいますね……♡」
――これ以上これを続けていたら取り返しのつかない身体になってしまうと、僕の本能が必死に叫んでいた。




