迫られる選択
「それってっ……ひあぁっ!?」
「くすっ♡ すごい悲鳴……♡ 良かったですね、おうちにふたりきりで。誰か居たら、絶対に様子を見に来ていましたよ? ほむら先輩のこんな姿……なんて弁明すればいいか、わかりませんものね?」
後輩に押し倒された状態で右耳に指を突っ込まれた状態。確かに、なんて説明しても誤解されるだろう……いや、誤解ではないのかもしれないけれど。
「シュシュくっ、だめっ……それっ、くすぐったいよぉっ……」
「くすぐったいだけなら良いではありませんか♡ それとも、他にも何かありますか? お耳なんて、さっきまで散々弄られていたのですから……今更気にすることでも無いでしょう? ずぽ……ずぽ……♡」
シュシュの細長い指が、僕の耳の中を擦りあげる。その擬音通りにずぽずぽと、我が物顔で僕の中を行ったり来たりと……耳かきと違って奥まで入る心配が無いからか、動きも大胆だった。
「ふふっ……綺麗にしたので、指通りがいいですね♡ ずーぽ♡ ずーぽ♡ これなら、もっと凄いこともできちゃいそうです……♡ ねえ、ほむら先輩もそう思いませんか? もっと凄いこと……先輩の本当にしてもらいたいこと……してあげなくもないですよ? 先輩が上手におねだりできるなら……決してお友達にはできないようなことも……ね♡」
「っ……で、でも、それってっ……シュシュ君をっ、僕の……」
「はい♡ 私を先輩の特別にしてください♡ ああ、ノノさんとはお付き合いしたままでいいですよ。私は二番目……それで満足ですから♡ ノノさんには絶対に言えない秘密の関係……興味ありませんか?」
指の第一関節をうにうにと曲げて、耳の中で蠢くシュシュの指。もっと中へ、僕の奥深くまで入ってこようとするように、もぞもぞと動いている。
「のっ、ノノ君をっ、騙すって、ことっ……? ひぅっ?」
左耳にまでシュシュの指が入り込んできて、両耳共にシュシュの手に堕ちてしまう。
「騙す……あまり良い言い方ではありませんね? 気を遣う、と表現してはいかがでしょうか。ノノさんに真実を、今日の先輩のありのままを伝えても、ノノさんが傷ついて不安になるだけ……そうは思いませんか? それとも、ノノさんを不安にさせないほど強くなれますか? くすっ♡ ほむら先輩には、少し荷が重そうですが……♡ ずぽ……ずぽ……♡ ぐり……ぐり……♡ ほむら先輩のこんなお顔、ノノさんにはとても見せられませんね……♡ お口をちゃんと閉めないと、涎が垂れてしまいますよ?」
ずぽずぽとピストン運動させながら、擦りつけるようにぐりぐりと回転するシュシュの指。柔らかい指の腹でぐにぐにと押されて、硬い爪でサリサリと擦られる。
敏感で繊細な耳の粘膜を、シュシュは指で執拗に弄っている。粘膜なんて、そんな簡単に触らせちゃいけない部分なのに、シュシュの指を拒絶できない……むしろ、もっとして欲しくてたまらない。
「それに、どうせ誰かに負けてしまうのなら、私に負けておけばいいんです。私に浮気をしておけば、他の誰かに浮気をすることもないでしょう? 私なら先輩とノノさんの関係にも理解がありますから。ノノさんでは満たせない欲望を私で発散して、本命としてノノさんと愛し合う……みんな幸せになれますね……♡」
耳を弄られる音は近すぎて、脳に直接響いてしまう。だから弄る音と一緒に聴こえてくるシュシュの声も、僕の奥の方へとすんなり入りこんできてしまう。
「お耳、気持ちよさそうですね♡ でも、少し物足りないですよね……♡ 指よりももっと湿っていて、爪よりももっと柔らかいもの……欲しくなってしまいますね……♡ ほら……言ってみてください? 先輩の心のままに……欲しいもの……したいこと……ノノさんには絶対にしてもらえないこと……私に教えてください♡」
「ぼっ、僕は……僕は……――」




