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あまあまでサドサドな男の子たち  作者: papporopueeee
自室でふたりきりだけど浮気じゃない編

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30/56

ごめんなさい、ごめんなさい……♡

 一つ目のボタンが外れる音は頭上から。第一ボタンが外れて、首元が露わになったのだろう。

 二つ目のボタンが外れる音は耳元から。第二ボタンが外れて、胸元が……


「うわあぁぁっ! だめっ、だめっ……それ以上はほんとにダメなことに……あっ」


「くすっ♡ ほむら先輩たら、何をそんなに慌てていらっしゃるのですか? 私は学ランを脱いだだけなのに……ほむら先輩は夏でも学ランで過ごしていらっしゃるのでしょうか。随分と寒がりなのですね? それとも……ほむら先輩にとっては、これでも刺激が強すぎますか?」


「うっ、ううぅ……」


 自分の早とちりが恥ずかしくて堪らない。学ランを脱いでも肌着とか裸になるわけじゃないのに、雰囲気に流され過ぎていたのだろう。

 慌てて飛び退いた僕の視界に映ったのは、シャツ姿のシュシュだった。艶のある黒髪の持ち主であるシュシュにかかれば、ただの白シャツ姿でもコントラストが際立って様になっている。

 真っ白いシャツにはうっすらと汗がにじんでいて、ほんの少し肌が透けて見えていて……やっぱり、刺激は強いのかもしれない。


「ほむら先輩も脱いだ方がいいですよ。もう梅雨が始まる季節です。湿気も、気温も、学ランではお辛いでしょう?」


「い、いや、僕はいいよ……」


「ダメですよ。汗もかいていらっしゃるじゃないですか……ほら、脱がして差し上げますから」


「いっ、いいって……じ、自分で脱げるからっ……」


 脱ぐつもりなんてなかったのに、僕は自分の指を学ランのボタンにかけていた。無理矢理どころか、自分から脱ぐ展開になっていた。


 シュシュの視線を感じながらも、第一ボタンから一つずつ、シュシュといっしょに学ランを脱ぐ。こうして僕は自室で、恋人ではない後輩とふたりきり、お揃いの汗ばんだシャツ姿になったのだった。


「さあ、ではなでなでの続きをしましょうか」


「うぅっ……ま、まだするの……?」


「ふたりが満足するまで、でしょう? それに、先輩のほうが欲求不満に思えるのは、私の気のせいでしょうか……♡」


 違う、と口で否定するだけなら簡単だけど、行動は誤魔化しようがない。遠慮がちでも、表面上は嫌々でも、実際に僕はシュシュの元へと戻ってしまった。

 強制なんてされていないのに、自分の意志で、年下の男の子に抱きしめてもらうために。


「おかえりなさい……♡ やっぱり、先輩も求めていたのですね」


「ち、ちがくて……だって、シュシュ君が続きって言うから……」


 あくまでもシュシュに言われたからだから、僕はまだ負けてない。

 信じて欲しい。

 見守っていて、ノノ。


「ほむら先輩がそう仰るなら、そうなのかもしれませんね……よしよし♡」


 シュシュの手が僕の頭を撫でる。頭の中にたくさん用意しておいた言い訳は、その一撫ででどこかにいってしまった。


 学ランよりも薄いシャツ越しの心音は、音の大きさはもちろんのこと精彩さが違った。薄い胸の向こう側で、シュシュの小さな心臓が膨らんでは縮む様子が目に浮かぶようだ。


 互いに汗ばんだ体で密着するなんて、気持ち悪いはずなのに。僕は、どうしてぎゅってしてくれないのだろう、なんてことまで考えてしまっていた。


「ほむら先輩、呼吸が乱れていますよ? そんなに鼻息を当てられては、私もくすぐったいです」


「えっ!? そ、そんなに……ご、ごめんなさい」


「くすっ♡ いいんですよ。先輩がちゃんと謝ってくれたことの方が嬉しいですから……♡ これからも、悪いことをしてしまったら、すぐに私に謝りましょうね♡」


「っ……ご、ごめんなさいっ……ごめんなさい、ごめんなさいっ……!」


「はて? 今度は何を謝っていらっしゃるのでしょうか。もしかして、何か後ろめたいことでもお考えですか? 心の内で思ってるだけなら、謝ることはありませんよ。問題はそれを口に出したり、実行に移すこと……そうでしょう?」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ……っ」


「? もしかして……謝るだけで気持ちよくなってしまっているのですか? ふふっ……ふふふふ♡ 自分勝手な謝罪について謝罪をしているというわけですか……先輩はすごいですね♡ 流石の私も脱帽です」


「ごめんなさいっ……っ、ごめっ、ごめんなさいっ……」


「よしよし♡ 謝れてえらい♡ えらい♡ 大丈夫ですよー♡ ちゃんと謝れるいいこにはなでなでもしてあげますし、ぎゅうぅっ♡ もして差し上げます……嬉しいですか?」


「っ……ごめん、なさいっ……ごめんなさいっ……」


 誰に向けての謝罪なのかも曖昧なまま、唇からは気持ちよくなれる魔法の言葉が漏れ続ける。シュシュの胸に縋りつくように縮こまりながら、僕は甘美な劇毒の雫を享受し続けていた。

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