【15-5】合流と撤退
「オラァァッ!」
護が戦斧を振るうが、アーサーはそれを最小限の動きで回避し、鋭いカウンターを叩き込んでくる。 攻防の技術レベルが違いすぎる。その上、護はセラフィーナを庇いながらだ。傷は増える一方だった。
その時。
ドォォォォン!!
テラスと書斎を隔てていた壁が、内側から爆発した。 舞い上がる粉塵の中から、二つの影が飛び出してくる。
「護!」
カゲロウだ。彼は瞬時に状況を把握し、護に群がろうとしていた兵士たちを斬り伏せる。 続いて現れたメルは、戦場の惨状を見て目を見開いた。
「(あの脳筋が、押されている……!?)」
護の足元には血だまりができている。そして、その後ろで蹲るセラフィーナ。 メルは即座に理解した。護が弱いのではない。守るべきものが重すぎて、動けないのだと。 そして、相手の鎧騎士――アーサーの動きは、明らかに常軌を逸していた。
(勝てない。少なくとも、今のボクたちでは)
メルは、冷徹に計算し、そして叫んだ。
「……撤退する! 護、カゲロウ! 今すぐここから離脱するぞ!」
「なんだと!? まだやれる! こいつをぶっ倒して……!」
「やれるか、馬鹿者! 君も深手を負っている! セラフィーナさんも使い物にならない! 今ここで全滅するのと、一度引いて体勢を立て直すの、どちらが合理的か、君の筋肉脳でも分かるだろう!」
メルの悲痛な叫びに、護も歯噛みする。 悔しいが、メルの言う通りだ。このままではジリ貧。全滅は時間の問題だった。
「……くそっ!」
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