【15-2】静かなる共闘
一方その頃、公爵の書斎。 こちらもまた、別の種類の死闘が繰り広げられていた。
狭い室内には、近衛兵たちが殺到していた。数にして十数人。本棚や調度品が並ぶ閉鎖空間では、大立ち回りは不可能だ。
「メル、下がっていろ。ここは俺がやる」
カゲロウが短く告げ、刀に手をかける。しかし、メルは動かなかった。
「馬鹿を言うな! ボクはもう、守られるだけの子供じゃない! ボクも『最強!スーパーガーディアンズ』の一員だ!」
メルはローブのポケットから数本の試験管を取り出すと、床に叩きつけた。 パァン! という破裂音と共に、強烈な閃光と、視界を奪う濃密な白煙が室内に充満する。
「うぐっ! 目が!?」
「何も見えん! どこだ!」
兵士たちが狼狽する。 その一瞬の隙を、カゲロウが見逃すはずがなかった。 彼は煙の中を影のように滑り、兵士たちの背後へ、側面へと音もなく移動する。
ヒュッ、ヒュッ。
風を切る音だけが響き、兵士たちが糸を切られた人形のように崩れ落ちていく。 刀の峰で急所を的確に打ち据え、意識だけを刈り取る神業。
「(……やるな、根暗)」
「(……余計な世話だ、クソガキ)」
視線を合わせることもなく、二人は背中で語り合う。 「力」の護とは対照的な、「技」と「知恵」による、静かで完璧な共闘だった。
最後の一人を無力化したカゲロウは、耳を澄ませた。 壁の向こう、テラスの方角から、護の雄叫びと、何かが破壊される轟音が聞こえてくる。
「……あの馬鹿、派手にやりやがって」
「急ぐぞ! あの脳筋だけでは、いずれ数で押し切られる!」
二人は護たちと合流するため、書斎からの脱出路を探し始めた。
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