【13-4】舞踏会への招待状
「さて、協力関係が結ばれたところで、早速共有すべき情報があります」
セラフィーナの表情が、再び騎士のものに戻る。彼女は声を潜め、王都の闇の核心に触れた。
「逃げたバロン・ガイツですが、彼の背後には、彼を庇護する大物がいます。この国の軍事にも影響力を持つ、フェルディナント公爵。彼こそが、闇市場の最大の顧客であり、おそらくはモルゴーとも繋がる、黒幕に近い存在です」
「公爵……?」
護が首を傾げる。メルが呆れたように補足した。
「この国で一番偉い王様の、次に偉いくらいの貴族だ。権力も金も持っている。下手に手を出せば、ボクたちが犯罪者として処刑されるレベルの大物だよ」
「げっ、そんなに偉いのかよ!」
「はい。騎士団としても、確たる証拠なしに公爵家の捜査を行うことはできません。屋敷は要塞のように堅固で、私兵団によって守られています。力ずくでの突破は不可能です」
強大な「政治の壁」。 護たちがこれまで相手にしてきた魔物とは違う、厄介な敵だ。
「じゃあ、どうすりゃいいんだ? 指をくわえて見てるだけか?」
護が不満げに唸る。 セラフィーナは首を横に振った。
「いいえ。力だけでは届きませんが……方法はあります」
彼女は懐から、一通の封筒を取り出し、テーブルの上に滑らせた。 金箔で縁取られた、見るからに高級そうな封筒だ。
「これは?」
「王城で開かれる、夜会の招待状です」
セラフィーナの瞳が、鋭い光を放った。
「この夜会の主催者は、他ならぬフェルディナント公爵。国中の有力者が集まるこの場に、わたくしも招待されています。……敵の懐に潜り込み、内側から尻尾を掴むのです」
「潜入捜査、ってやつか! 面白そうじゃねえか!」
護が身を乗り出す。 しかし、メルとカゲロウは、その招待状と護の巨体を見比べ、同時に深い深いため息をついた。
「……前途多難だな」
「同感だ」
煌びやかなドレスとタキシード、そして陰謀が渦巻く夜会へ。 彼らの次なる戦場は、王城の舞踏会場に決まった。
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