【7-4】信頼の芽生え
メルは、完成した淡い緑色のポーションを護に飲ませる。すると、みるみるうちに額の傷が塞がり、護の顔に血の気が戻っていく。
「うおおおっ! すげぇ! なんだこれ! 力がみなぎってきた! メル、お前、やっぱり本物の天才だな! ありがとう! 助かったぜ!」
落ち込んでいたメルに対して、護は一切の気遣いや同情を見せず、ただ、その技術と結果に対して、心の底からの称賛と感謝を贈った。その真っ直ぐな言葉は、どんな慰めよりも、メルの心に深く突き刺さった。
「ふ、フン! 当然だ! ボクの手にかかれば、この程度の傷、一瞬で治せるに決まっているだろう!」
彼女は顔を真っ赤にしながらも、その声には確かな自信と気力が戻っていた。
護の完全復活と、メルが自信を取り戻したことで、パーティーの士気は最高潮に達する。
「さあ、行くよ! いつまでもこんな場所で足止めを食らっている暇はないんだ! ボクの頭脳と君たちの筋肉があれば、この洞窟の主だろうが何だろうが、敵じゃない!」
指揮官として完全に覚醒したメル。彼女は道中の罠を的確に見抜き、魔物の弱点を瞬時に分析。時には、自ら調合した薬品(粘着弾で敵の足を封じる、酸の小瓶で硬い外皮を溶かすなど)を駆使して、二人の戦いを完璧にサポートする。 護は、その的確な指示を素直に聞き入れ、カゲロウもまた、メルの分析を信頼して剣を振るう。ちぐはぐだった三人は、この一件を通して、ようやく一つの「パーティー」として機能し始めていた。
そして、三人はついに、洞窟の最奥へと繋がる、巨大な広場へと到着する。 そこは、ドーム状の巨大な空間だった。天井からは、光脈石でできた鍾乳石が、まるでシャンデリアのように無数に垂れ下がり、広場全体を青白く照らしている。広場の中央には、古代の祭壇のようなものがあり、その向こうには、さらに深くへと続く巨大な扉が見える。洞窟の入り口とは比べ物にならないほど、濃密な魔力が渦巻いていた。
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