↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Transients』〜異世界で筋肉無双してモテたい!〜  作者: NewSankin
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/352

【4-5】共闘、そして……

西の街道は、地獄と化していた。護は無数の魔物を相手に、文字通り孤軍奮闘していた。ゴブリンを薙ぎ払い、オークを叩き潰し、すでに半分ほどの雑魚を蹴散らしていたが、彼の体もまた傷だらけだった。  戦斧『岩砕き』の重さが、疲労した腕にずっしりと響く。  その時、群れの奥から、ひときわ巨大な影が躍り出た。それは、ライオンの頭、ドラゴンの翼、蛇の尾を併せ持つ、悪夢の具現。合成獣キメラだった。  キメラは、他の雑魚には目もくれず、護めがけて突進する。その爪は鋼を切り裂き、翼が生む突風は人の体を容易く吹き飛ばす。


「ぐっ……!」


 護の人間離れしたパワーをもってしても、速さと多彩な攻撃を併せ持つキメラには苦戦を強いられた。じりじりと追い詰められる護。


「(こいつ、ヤベェ……! だが、退かねぇ……!)」


 絶体絶命。キメラの口から放たれた灼熱のブレスを、戦斧でかろうじて受け止めた、その時だった。  一陣の風が吹き抜け、キメラの翼の付け根から鮮血が迸る。


「……チッ、間に合ったか。世話の焼ける奴だ」


 そこに立っていたのは、刀を抜いたカゲロウだった。


「カゲロウ! 来てくれたのか!」

「勘違いするな。貴様の馬鹿さ加減に付き合ってやるだけだ。……行くぞ」


 二人の息は、初めて組んだとは思えないほど噛み合っていた。しかし、それでもキメラは強かった。カゲロウの神速の斬撃は、キメラの硬い鱗に阻まれ、決定打にならない。逆に、翼から放たれる風の刃がカゲロウの頬を掠め、蛇の尾から放たれる毒液が地面を溶かす。


「くそっ……!」


 カゲロウが、ブレスを避けきれずに肩を焼かれ、体勢を崩した。そこへ、キメラの爪が迫る。


「させっかよ!」


 護が間に割って入り、爪を弾き返すが、彼の防具にも深い傷が刻まれた。


「おい、脳筋! このままじゃジリ貧だ! どうにかして、一瞬でいい、やつの動きを止めろ! 俺が斬る!」


 カゲロウが叫ぶ。


「任せろ!」


 護は嬉しそうにニカっと笑った。


(馬鹿なやつだ……こんな時でも嬉しそうにしやがって。……だが、頼もしくもある)


 護は回避を捨て、キメラの懐に飛び込むと、その巨大な顎が食いつくのを、自らの戦斧『岩砕き』で受け止め、牙を噛み合わせた。


「うおおおおおっ!」


 護の全身の筋肉が、限界を超えて軋む。しかし、彼はキメラの動きを、確かに止めていた。


「カゲロウ、今だ!」


 護が叫ぶ。カゲロウは、その信頼に満ちた声に応える。納刀し、神速の居合の構えを取る。


「《無明・刹那一閃》」


 閃光が走り、キメラの巨体が硬直する。そして、胸に刻まれた一筋の斬撃痕から血を噴き出し、どう、と地に倒れ伏した。まだ息はあったが、完全に戦闘不能だった。

お読みいただきありがとうございます!


もし「面白そう!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、 ページ下の【☆】マークから評価や、ブックマーク登録をしていただけると、作者のモチベーションがマッハで上がります! (感想もお待ちしています!)


★更新予定 毎日19時に更新します。ストックはあるつもりなので、安心してお付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。