【4-3】酒場の会話
その夜。マリーナの街の、薄暗い酒場。 カゲロウは一人、カウンターの隅で安酒を呷っていた。そこに、巨漢の影が差す。ギルド長のダリウスだった。
「よう、カゲロウ。一人で飲む酒はうめぇか?」
ダリウスは、断りもなく隣の椅子にどっかりと腰を下ろす。
「ギルドで噂になってるぜ。あの『クラッシャー』に、随分と懐かれちまったそうじゃねえか」
ダリウスのからかうような口調に、カゲロウは忌々しげに舌打ちをした。
「……余計なお世話だ」 「パーティーに誘われているんだってな? なんで断り続ける。あの小僧みてぇな、絶対に壊れねぇ盾が側にいりゃあ、鬼に金棒じゃねえのか?」
「馴れ合いは好かん。……それに、俺と組む奴は、ろくな死に方をしねえ」
その呟きには、ダリウスも知らない過去の闇が滲んでいた。カゲロウは席を立ち、ダリウスに背を向けた。
「あの馬鹿には、西の街道で三日間の見張りなんて無理難題をふっかけておいた。あんたから、俺を探すようだったら『諦めて他のやつを探せ』とでも言っといてくれ」
そう言い残し、カゲロウは酒場を後にする。ダリウスは、その孤独な背中を見送りながら、静かに呟いた。
「俺は、あんたらは良いパーティーになると思うがな。絶対に壊れねぇ盾と、必ず斬れる剣なら、最強だ」
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