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Armed Wizard Vanguard(アームド ウィザード ヴァンガード)  作者: 伊森 維亮
第二章 追憶よりの魔手(アサルト フロム ザ パスト)
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思わぬ支援物資

「はい、ルチアからあなたへの贈り物(プレゼント)。あいつが持ってる分は、ここにあるので全部だって」

「え……? 本当に、俺がもらって良いのか……?」

「私に聞かれても知らないわよ、そんなこと。まあルチアの奴が言うには、あんたからもらったあの腕の付け根のおかげで、彼女がいま作っているやつがやっと完成しそうとか何とか。だから、これはそのほんのちょっとしたお礼なんですって」

「そうか……分かった、ありがとう。ありがたく受け取っておくよ」

「だっから、質問とかお礼は私じゃなくて、ルチアの方にしなさいって言ってんでしょが……」


 律儀に感謝の言葉を述べるカイトに、メリッサは呆れた風に苦虫を噛み潰しつつ、手にしていたナノマシン注入器の束をぞんざいに押し付ける。

 手渡されたその医療用携行必需品(メディカルキット)を、カイトはベッドの脇へと手早く並べる。


 保存状態を確認すると、辛うじて二本のみは使用可能な状態を維持していた。

 しかし、その他の全てはナノマシン保存容器が損壊したり、注入機器の一部が破損したりしているなど、実用には堪えない致命的な損害(フェイタルダメージ)を受けていた。


 ひとまずは現状の分で、先日のような自家中毒から機能停止に陥る危険は、当面は(まぬが)れられるはずである。

 しかし、鋼骸器の専門家であるというルチアの所でも、たったこれだけの数しか揃えられないとなれば、これから先の展望は、決して明るいとは言えなかった。


 自分の置かれた苦しい状況を理解したカイトは、小さく肩を落として嘆息する。

 唐突に陰鬱(いんうつ)とした雰囲気を漂わせる彼に、メリッサは怪訝そうにその顔を覗き込んだ。


「どうしたのよ、変に(ふさ)ぎ込んじゃって。もしかして、そこにあるの、全滅?」

「ん……いや、大丈夫。幾つか使えないのはあるが、何本かは無事だ。おかげで、しばらくはどうにか(しの)ぐことができそうだ」

「そう、良かった。また前みたいに急に倒れられても、もう面倒を見るのはごめんだったし」


 さほど相手を心配する様子もなく、冷淡とも受け取れる反応を示したメリッサは、傍らに置き直していた椅子へと腰を降ろす。

 どこか面倒臭そうに腕と足を組み、いかにも尊大ぶった姿勢を取った彼女は、同じ位置にあるカイトの顔を探るような三白眼で()め上げた。


「さてと、渡す物も渡したし、さっさと本題に入るわよ。あんた、自分は悪魔じゃなくて鋼骸種なんだって、前に森で話してた時に言ってわよね? もう一度聞くけど、あれ、本当なの?」

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