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二体の属性龍



「おっと!ほらほら、まだ一発も当たってないぞ?

邪神の配下も弱いもんだな。」


エルメスとキルエルスとの戦いが始まってから俺はまだ一発攻撃を受けていない。

だが、こっちも攻められない。

こいつら、意外とコンビネーションがいい。


「チッ、中々攻撃が当たらないなぁ〜。

ちょっと、ムカついてきた~。」


えーと、確か魔人って月に一度だけ覚醒できるんだっけか?

それなら楽しみだな、果たしてどれくらい強いのか。


「まぁまぁ、落ち着けキルエルス、俺らはまだ一発も彼奴に攻撃を与えていないのは事実。

でも、それは相手も同じだ。」


「そ、それもそうだね。

少し冷静になったよ、有難う。

......ふぅ...うん!エルちゃん、配下を召喚してまずは魔力の回復に専念しよう。」


ふむ、キルエルスが冷静になったか。

厄介だな...キルエルスはいつも頭に血が昇っていて攻撃が単調だから避けられるけど、こいつ冷静になったら攻撃のパターンが読めないんだよな。

それに、配下か、どんなやつを出すんだ?


「"我キルエルスの名の元に命ずる彼の者を討ち滅ぼし我の盾となれ"」


「"我エルメスの名の元に命ずる彼の者を討ち滅ぼし我の盾となれ"」


ん?何だこの魔法は?聞いた事がない。

どんなモンスターが出てくるんだ?


「いでよ!クルザス!」


「いでよ!インガルド!」


キルエルスとエルメスが召喚魔法を唱え終わると召喚陣が空に現れた。

そこからは、雷を纏った龍と炎を纏った龍が現れた。


おいおい!マジかよ!属性龍!ヤバいぞ、あれは。

彼奴らは俺がプリンツハートを始める前に居た初期のボスモンスターだ!


しかも、その攻略難易度が絶望的だったからすぐに運営により消されたモンスターだ。

俺も攻略サイトで一度見た事がある。


弱点も使用する魔法も分からない!

スキルも持っているかは不明......。

ぶっちゃけ...キルエルスとエルメスよりも厄介だし強いぞ。


それよりも、何故アイツらがクルザスとインガルドを使役できてるんだ?

教えてくれないかなー?

ダメ元で聞いてみる。


「ん?まぁ別に教えても貴方には分からない事だしいいよ。

エルちゃん、説明していい?」


「こちらに不利益なことはないのでいいぞ。」


おっ、どうやら教えてくれるようだ。

魔人って案外良い奴なんだな。

人を殺すことを除けば仲良くできそうだ。


「えっとね。、これは零席と一席のからの借り物よ。

あの人達がこの魔法を貸してくれたんだよ。

詳しい事は分からない。」


情報感謝!

なるほどねぇ、アイツらがこの龍を使役していると...確かにアイツらの強さを考えたら頷けるな。

アイツらもゲームとは違って強くなっているはずだ。

俺もまだまだ強くならなくちゃな。


「情報感謝する。

その、零席と一席はお前達にどうやって魔法を貸し与えたんだ?」


これが一番気になる。

ゲームでは魔法の貸し与えたえる魔法なんて無かった。

もしも、ゲームでは無かった魔法がこの世界にあるならば......習得してみたい。

だって、強くなれるかもしれないだろ?


「それはね...グハッ!?」


キルエルスが何かを言おうとするが言おうとした瞬間に口から血を吐いた。

どういことだ?

誰かに攻撃されたようには見えなかった。


「キルエルス...お前は忘れたのか?零席に言われたことを。」


言われた事?


「あっ、そうだった。

つい、調子に乗って話すところだったよ。

今の俺達は呪いが掛かってるんだったね。」


呪い?

呪いの魔法か?

それなら、幾つか検討は......ダメだ...似たやつならあるけど、あんな魔法は無かった。


「んっと、そろそろ戦いを始めるか。

インガルドよ、彼奴を殺せ。」


「クルザスよ、彼を殺しなさい。」


エルメス達が流輝を殺すように命じると同時にエルメス達はどこかに消えて行った。


おいおい...二体同時に相手とか厳しすぎだろ!

クソっ!やるしかないか!


「やってやるよ!

この位倒せなきゃ守る事なんてできないからな!」


先輩を守る為には強さがいる。

先輩は必ず零席と出会ってしまうから、だから、こんな所で負けてなんかいられない!


「最初からどデカいのいくぜ?

覚悟しろよ、属性龍よ!

"獄炎結界"」


流輝が獄炎結界の魔法を唱えるとインガルドとクルザス、二体の龍を周りを炎が覆った。


「良し、これで相手は戦いにくいはずだ。

俺は、戦いやすくなったけどな。」


俺が発動した獄炎結界の効果は、相手は百度の熱を常に感じ、自分は今までのように行動できる。

さらに、相手は稀に状態異常にダメージをくらう。

獄炎結界...やっぱり便利でチートな魔法だな。


「グガァァァァァァ!!」


おっと、クルザスが苦しがり始めたな。

インガルドは...あいつは炎属性だからあんまり効かないか...。

取り敢えず、クルザスを先に倒すか。


思い出せ!俺が一度見た攻略サイトには龍を楽に倒せる方法がかいてあったはずだ。


______________________________

属性龍を倒した人の

ドラゴン、龍の攻略法


羽の付いている龍を簡単に倒せる方法!


ステップI!


まずは目を潰しましょう!

相手は目が見えなくなって混乱し少しの間隙が現れます。

すぐに再生するので注意!


ステップII!


目が潰れている間にどちらかの羽を切り落としましょう。

龍はバランスを崩して地面に落ちてきます。

空を飛ばない龍なんてただの硬い的です。


ステップIII!


ステップIとステップIIができたらひたすらお腹を剣や魔法で攻撃しましょう。

龍は背中や頭など鱗の付いている場所を攻撃しても時間の無駄なだけですので。


以上の事を全てできたなら龍は簡単に倒せます。

最後に一つアドバイスだよ!

お腹を狙う時に魔法の手刀を使うのがオススメ!

切れ味抜群で折れない、魔力消費も少ないから。


属性龍の場合だと相手の弱点の属性の魔法の風を常にお腹に向けて撃つと結構いいよ。

これを、三十秒以内にやらないと君の負け!

頑張ってね!

______________________________


良し!思い出した。

でも、これを三十秒以内って...普通は無理だろ。

でも、やってやる!あれを書いた人はできたんだから!

不可能では無いはずだ!


流輝が意気込んでさぁやろう!と思ってた瞬間


「そこの小さき者よ。」


「我らの声が聞こえるなら聞いてくれ。」


「え?は、はい?」


え?龍が喋った?

龍って喋れるのか?


「小さき者よ、名をなんという?」


「え、えっと、流輝です。」


何なんだこいつら、名前を聞いてきて...何が目的だ?

もしかして、何かの魔法に必要な条件とか?

それは無いか、相手からは魔法を放つ時に出る特有の魔力塊が出てきていない。

だとしたら、普通に話しかけてきてるだけ?


「流輝か...いい名だ。

流輝よ、いきなりで悪いが儂等に掛けられた呪いを解いてはくれぬか?」


呪いを?

解けないことはないけど...何が目的?

本当に分からない。


「解くのはいいが、何が目的だ?

内容次第では...殺す。」


「ハハハ......言うのぉ?小僧が。

儂等は属性龍じゃぞ?それも、各属性龍の長の一人でもある。

お前みたいな小僧には負けんよ。」


「!?...ゴボッ!ゲホォ!......ハァ...ハァ...、何を?した?」


何者だこいつら...一瞬コイツらか殺気を感じた。

その瞬間に血を吐しゃしてしまった。

間違いない......こいつらには勝てない。


「わかった...すまなかった。

俺はお前たちには勝てない。

それで?呪いを解いてほしい理由はなんだ?」


「ああ、魔人の零席とやらに勝負を挑まれてそれで油断して手加減してたらやられて気を失った。

気を失っている間に使役の呪いを掛けられてのぉ。

自分の意思は保てるが、少しの間だけしかできないのじゃ。」


零席に手加減をしてやられたと.....ダサっ!

ゴホンっ!それよりも、零席は手加減してるこいつらには勝ったのか...俺だったら絶対に勝てないな。

やっぱり零席は強い。


「成程、分かった。

呪いを解く、だから空から降りてきてくれ。」


「分かった。その前にこの結界を解いてくれないか?

クルザスが少し苦しそうにしているからのぉ。」


「あ?確かに苦しいが大丈夫だぞ。」


おっと、すぐに解こう、機嫌を悪くされて争いになったら負けは確定だからな。


「...よっと......。

ふぅ...慣れてないからか魔力を少し消費してしまったか。」


「成程...その歳でその域まで達しているとは。

さては、流輝...お主、転生者じゃな?」


「!?......!?」


え?ビックリして二回も驚いてしまったよ。


「え?何で分かるんですか?

俺が転生者だと。」


「勘じゃな。転生者や転移者を何度か見たことあるからのぉ。

懐かしいな、襲いかかってきて一瞬で追い払ってな。」


俺以外もこの世界に転生してきた人が居るのか。

会ってみたいな。


「今、その転生者や転移者は何処にいるか分かるか?

分かるなら教えてくれ。」


「ん?あ奴らならもう死んでおるだろう。」


え?


「なにせ、儂があヤツらを最後に見たのは五百年前だからのぉ。

あヤツらは確か、勇者?大賢者?と言っていたな。」


五百年前!!それに、勇者と大賢者って。

五百年前って確か邪神が最初に現れた時だ。


「聖女や獣人にエルフは居なかったか?そこに。」


俺の推測が正しいならばきっと、居るはずだ。


「ああ...居たな、そんなやつら。」


「やっぱり。」


やっぱりそうだ。

これは、プリンツハートの最初の映像であった事だ。


「おい、流輝よ。

解いてほしい理由は話したぞ?

そろそろ解いて貰えないか?」


「そうだな。すまない考え事をしていた。

すぐに解くよ。」


えっと...確か呪いを解く魔法は。


「"キリザイト"」


流輝が呪いを解く魔法を唱えた瞬間、属性龍達の体に光が覆った。


これは、呪いが解かれ始めている証拠だな。





あれから、二十分は経っただろう。

光が弱くなっていた。


良し、解呪が終わるな。

.......おっ、終わったな。


「気分はどうだ?属性龍達よ。」


「ふむ...絶好調じゃ。

今なら、ここから半径十キロは簡単に平原にできそうじゃ。」


おいおい!やめてくれよ。

ここら一体が消えたらここら辺に住んでいるかもしれない先輩が死んじゃうじゃん。


「それは、やめてくれ。

他人が死ぬならいいが。

俺の好きな人が死ぬのは嫌だ。」


「ほう、好きな人とな?

その者の名前を教えてくれんかの?

面白そうじゃ。」


えぇ...なんかしそうだから嫌だな。

でも、逆らったら殺されそうだし、言うか。


「名前は、花織、白鳥花織だ。

俺が、一目惚れした女の名前だ。」


「白鳥...花織......。

成程...あの、白鳥一族か。」


こいつ、先輩の秘密を知っているのか。

俺も知っているがな。


「流輝よ。お主の恋は叶わぬかもしれんが...それでも、諦めんのか?

正直、白鳥一族と付き合うのは不可能じゃ。」


「確かに、また付き合えないかもしれない。

無理かもしれない。

でも、属性龍よ、お前一つ間違ってるぜ?」


「間違い?儂が?」


「付き合うのは不可能ではない。

という事だ。」


「......ふっ、そうか。

流輝は諦めないだろうな。

宜しい...お主はこれから幾つもの困難が立ちはだかるだろう、お主には儂等の加護を与えよう。

いいか?クルザスよ。」


「うむ...良いだろう。」


あっ、居たのね、属性龍のもう一人の方。

影が薄くて全然気づかなかった。


「良いんですか?加護なんか貰っちゃって」


「いい。お主は儂等のおんじんじゃ。

.........よし、与えたぞ。

効果はステータスカードで分かるから後で、見ておくがいい。」


ステータスカード?何それ?

そんなのあったっけ?


「ステータスカードってなんですか?

そんなのありませんよ?」


「ふむ?昔はあったのだかな。

そうか...この世界はまたリセットされたのか。

すまないな。特別にステータスが見れるようなスキルをくれてやる。

後で効果を見ておけ。」


「わ、分かりました。

有難う御座います。」


これは、思わぬ報酬だ。

助けてよかった。


「うむ、分かったなら行け。

忘れてるかもしれんが魔人達を倒すのだろう?」


「忘れてなんかいませんよ。

どうせあちらの方から来ますから。

待っていただけです。」


流輝がそう言うと遥か彼方から強力な魔力を感じた。


「ほら来た。」


「ふむ、儂等は遠くでお主の戦いを見ているとするかのぉ。

では、頑張りたまえ流輝よ。」


「ああ。」


さぁてと...加護がどんなのかは知らないけど強くなっていることは手に取るような分かる。

少し、あいつらで試すか。


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