↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の国 ~オスキュリートの血~  作者: 夢野 幸
第二章 トモダチ
8/39

2-4

 ユーが配達を終えて家に帰ると、必ずヴェントが待っていた。それから二人は、日が暮れるまで遊ぶ。 

時には森の中で、時には崖で。雨が降った時はユーの家で。


「ヴェントヴェント、なんかきみと一緒に遊び始めてから、仕事の最中にますます声をかけられるようになったよ」

「そうだろうねー。初めて会った時に比べたら、随分と表情が明るいもん」

 屋根を叩く静かな雨の音を聞きながら、二人は色合わせをしていた。表に色が十色あるカードを全部裏にしてテーブルの上に広げ、交互に裏返して色を合わせ、最終的に多くのカードを持っている方が勝ち。という単純なゲームだ。色はそれぞれ、四枚ずつある。

「ふぅん、そうなんだ」

「なんだろー、なんか作り笑い……じゃないけどさ。なんとなく、人と距離を取ろうとしてるのが、判る感じ?」

 ユーがカードを取り、ヴェントはカードを二枚裏返した。残念なことに色が違い、それをまた裏返す。

「……そっかぁ」

「ま、それが良いことか悪いことかって言うのは……ボクは言えないけど……ちょっとユー! さっきからカード、取り過ぎだよ!」

 ヴェントは、自身の持つカードとユーが持つカードを見比べ、目を丸くした。ユーはキョトンとしながらも、またカードを二枚、手に取る。

「ボクの三倍くらい持ってるじゃん」

「……じゃあ、一回テーブルの上のカード、グシャグシャにしちゃお」

 と、ユーは自身の持つカードを膝の上に置き、返事を待たずに混ぜてしまった。それからヴェントが適当に二枚裏返すも、再びそろわず、仕方なくもとに戻す。

 それから、ユーも適当に二枚、手にした。それはまた、キチンと色がそろっており、ヴェントは苦笑する。

「すごいなぁ。それ、覚えてるの?」

「かなぁ、昔から、記憶力は自信があるんだ」

 と、どこか得意げにカードをめくっていくユーを見ながら。ヴェントは頬杖をついてため息交じりに微笑むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。