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ユーが配達を終えて家に帰ると、必ずヴェントが待っていた。それから二人は、日が暮れるまで遊ぶ。
時には森の中で、時には崖で。雨が降った時はユーの家で。
「ヴェントヴェント、なんかきみと一緒に遊び始めてから、仕事の最中にますます声をかけられるようになったよ」
「そうだろうねー。初めて会った時に比べたら、随分と表情が明るいもん」
屋根を叩く静かな雨の音を聞きながら、二人は色合わせをしていた。表に色が十色あるカードを全部裏にしてテーブルの上に広げ、交互に裏返して色を合わせ、最終的に多くのカードを持っている方が勝ち。という単純なゲームだ。色はそれぞれ、四枚ずつある。
「ふぅん、そうなんだ」
「なんだろー、なんか作り笑い……じゃないけどさ。なんとなく、人と距離を取ろうとしてるのが、判る感じ?」
ユーがカードを取り、ヴェントはカードを二枚裏返した。残念なことに色が違い、それをまた裏返す。
「……そっかぁ」
「ま、それが良いことか悪いことかって言うのは……ボクは言えないけど……ちょっとユー! さっきからカード、取り過ぎだよ!」
ヴェントは、自身の持つカードとユーが持つカードを見比べ、目を丸くした。ユーはキョトンとしながらも、またカードを二枚、手に取る。
「ボクの三倍くらい持ってるじゃん」
「……じゃあ、一回テーブルの上のカード、グシャグシャにしちゃお」
と、ユーは自身の持つカードを膝の上に置き、返事を待たずに混ぜてしまった。それからヴェントが適当に二枚裏返すも、再びそろわず、仕方なくもとに戻す。
それから、ユーも適当に二枚、手にした。それはまた、キチンと色がそろっており、ヴェントは苦笑する。
「すごいなぁ。それ、覚えてるの?」
「かなぁ、昔から、記憶力は自信があるんだ」
と、どこか得意げにカードをめくっていくユーを見ながら。ヴェントは頬杖をついてため息交じりに微笑むのだった。




