63.名探偵だよ、ラスボス様⑥
さて、そろそろ事件の解決も近そうです。
悪の神様という特大のアクシデントに出くわした犯人には、ただただ同情するばかり。そんなタイミングで今更感はありますが、一応は事件の概要整理などしておきましょうか。
三階
|301|302|階段|303|304|
二階
|201|202|階段|203|204|
一階
管理人室、食堂、厨房、手洗い、その他
建物の間取りについてはこんな感じ。
二階と三階の縦線は壁だと考えてくださいな。
で、続いて各部屋の割り振りと関係者の概要についてですが……。
301:空室。来なかった予約客の部屋
302:わたし達(飛び込み客)
303:空室。予約もなし
304:ミステリ研究会のお姉さん
201:被害者。ミステリ研究会のお兄さん①
202:老夫婦。顔を見たのは旦那さんのみ
203:ミステリ研究会のお兄さん②
204:ミステリ研究会のお兄さん③
管理人室:ペンションの御主人
ざっとこんなところでしょうか。
名前ではなく①だの②だので呼ぶのは失礼な気がしなくもないですが、今回細かいプロフィールは解決の役に立たないというか、どうせ余計な情報が増えたところで覚えるだけ無駄なので。
勘の良い方なら、この間取りが出た時点で犯人の正体に辿り着いているものと思われます。ラメンティア様ではないですけど、ネタバレは興醒めなのでこの場での明言は避けますが。
先程も申し上げましたが、犯人の不運ぶりには同情するしかありません。
野生のクマではあるまいに、犯行後に猛吹雪の中をのっしのっしと闊歩する神様の姿を見かけた時はさぞ驚いたことでしょう。それでも最初の想定通りに動こうとはしたのでしょうが、どうやらアドリブはあまり上手くなかったようです。
更に言えば、犯行からさして時間も経たぬうちに現場の壁を蹴破られるとは思いもしなかったはず。それさえなければ死体の発見は翌朝までずれ込んで、諸々の痕跡も完全に雪に隠れてしまっていたものと思われます。
あとは……ええと、これについて謝るのは筋が違う気もするのですが。
このわたし、悪神の巫女見習いであるサヤもまた、どうも知らず知らず犯人の計画を狂わせる一因となっていたらしいのです。それも向こうにとっては想定などできるはずもない理不尽な格好で。せっかく頑張ってトリックを考えてきたのでしょうに、なんだか可哀想になってきます。
では、ここで問題です。
犯人が誰か……ではなく、何故わたしが犯人の計画を狂わせる原因となったのか。
どうか、その理由についてお考えください。
ふふっ、こういうのって『読者への挑戦状』と呼ぶそうですね?




