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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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ななじゅーはち



休憩明け早々、味見を所望されたマリー先輩に肉じゃがのじゃがいもと肉を少しと煮汁を取り分けて手渡す。

「まだ熱いので気をつけてくださいね」

「うむ。この待遇悪くない。アルジェは我の部下にならないか?」

「部下ですか…?」

4期生の勇者パーティの先輩達に目をつけられそうですね…。


「……美味い。 どうだ?悪い話ではないだろう? ドラゴンである我の身の回りの世話や食事の用意とか…いってぇ!? 誰だ、我の頭を叩いたのは…ってげぇ!?」

「部下が欲しいならそこのマミーでいいでしょ…?大体それは部下じゃなくて体のいい小間使い…。アルジェちゃんだけは絶対にダメ」

「はい…」

「とばっちりな上に扱いに疑問を感じるのだ!」

ソフィリナ先輩は完全に巻き込まれただけだもんね。


ご立腹なメルティ先輩の迫力にマリー先輩も諦めてくれた様子。

でも、ドラゴンの姫のお世話係とかちょっとかっこいいって思っちゃった。


「アルジェちゃんもまんざらじゃない顔しない。マリーが調子に乗るよ?」

「でもパルム先輩、ドラゴンのお世話って言うとちょっとかっこよくないですか?」

「アレなのに?考え直すのだ! ろくなめにあわないのだ!」

「勇者パーティの一人としても止めさせてもらうぞ。やめておけ」

「そうだそうだー」

「同期としても止めさせてもらうよ」

「はーい…」

勇者様達を敵に回したくはないものね。みんなも反対してるし。



「わかってはいましたが、先程のマリーさんの発言にギルティーコメントが押し寄せてますね」

「当たり前です! ママとしても絶対に許可できません!」

ナレーションの紲さんのセリフに、コメントを確認すると確かにギルティーで埋め尽くされてる。

「特にアルガードからはドラゴンの討伐隊が組まれるそうですよ」

「ご愁傷さまですね!」

討伐までしなくても…。


「フンッ。うちのドラゴンナイトが返り討ちにしてくれる!」

「いえ…それが、ドラゴンナイトからも多数の離叛者が出てますね…」

「なん…だと…? 我を裏切るのか!?」

「いくつか読み上げますね。 ”今回の件ドラゴンナイトとしても看過できぬ…。討伐隊の健闘を祈る。”ですとか…。あとは、”討伐隊に空きはありますか?姫を諌めるのもナイトの務め、手を貸します”等ですね。確かに仲間を小間使いにしようなどと許せませんね!」

「ですです! 私もママとして先頭に立つ覚悟です!」

ナレーションの二人盛り上がってるなぁ。


「マリーは今度予定してるドラゴンナイト参加型のゲームの時覚悟しといたほうがいいんじゃない?」

「それなー。間違いなく背後からやられると思う」

「ぷぷぷ…。マリー、骨は拾ってやるのだ」

なんて先輩たちが盛り上がってるうちに、プリンの方の下準備を始める。


「アルジェちゃん、材料ってこれだけなのぉ?」

「はい。卵と砂糖、牛乳と生クリームにバニラビーンズだけですね」

張り切ってるエセル先輩とヴィオラさんに卵を割ってもらい、メルティ先輩が上手く卵白を分けてくれた。

「アルジェって卵を片手で割れたりするのだ?」

「出来ますけど、失敗すると殻が入る可能性もあるので片手が離せないとかでもなければあまりやらないですね」

「見たいのだ! ちょっとやってみるのだ!」

「じゃあ一つだけ…」

片手で卵を掴んでコンコンっと殻を割り、ボールへ。

「おおーすっげーのだ! 教えてほしいのだ!」

興味津々なソフィリナ先輩に続いてマリー先輩もやってみたいと…。

一応コツを伝えたんだけど、やっぱりすぐに上手くはいかないよね。

用意してもらってた卵を全部割ってしまい、殻も結構混入してしまった。


「どうするの?こんなに卵割って! 責任持って食べなさいよ」

「練習だから仕方ないのだ!」

「パルム先輩はこまかいぞ?」

「食べ物を粗末にしない!」

「大丈夫です。こちらも使いますから…」

卵白と分けられないものは濾して殻だけとったら卵焼きにしてしまおう。



卵焼きにはヴィオラさんがやたら興味を示したから、殻が入った場合の濾し方と、焼き方をゆっくり伝えて、結構きれいなものが完成。普通にお店で出せそうなレベル。

「はじめてだ…。卵焼きがちゃんとできたのは」

「良かったですね。すごく美味しそうにできましたよ」

「ありがとうアルジェちゃん!」

「わわっ」

いきなり抱きしめられてびっくり。よほど嬉しかったんだろうなぁ…。涙目だもの。


「アルジェちゃん、私にも教えて!」

「私も!」

「卵がもうなくて…」

「「ええ…」」

パルム先輩とピノ先輩には申し訳ないけど、他のはもうプリンの仕込みとしてメルティ先輩とエセル先輩が混ぜてくれてるからね。



プリンの方も液が完成したから、みんなで型へと流し込む。

「あとはオーブンで蒸すだけですから簡単ですよ。ここには大きなオーブンがありますし」

「ほんとだねぇ。これなら家で普通に作れそう…」

「エセルは食べすぎないようにね。また育つよ?」

「…ピノはそんなにしめられたいのかなぁ…?」

「うぶっ…やめっ…柔らかいものに溺れる…」

ご立腹なエセル先輩に頭を抱きしめられたピノ先輩はちょっと見ていたらいけない状態に…。

コメント欄はすっごい盛り上がってるけど。


「アルジェ、カラメルはこんなものでいいか?」

「ありがとうございますアトラ先輩。バッチリですね」

「完成したら好みでかけてもらえばいいからな」

これ、結構好み分かれるんだよね。うちはお母さんとこよみがカラメル嫌いだし、僕もあまり好まない。ひろみ姉さんとお父さんは好きだし…。

家族でもこれくらい好みはわかれるからね。







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