↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
71/76

ろくじゅーきゅー



キッチンエリアで初顔合わせをした新人マネージャーさんは柚希さんという方で、大学を出たあと芸能事務所のマネージャーをしていたけど、つい先日ニューホープへ転職してきたんだそう。

「ひどいパワハラにあいまして…。もうマネジメントの仕事をやめようかと本気で悩んでいた時にヴァーチャルライバーを知りました。これからはテレビに出る芸能人だけではなく、ネット動画配信者も注目を浴びるというのを目の当たりにしたのをきっかけに、こちらへと転職させていただきました。これからよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

背の低い僕より更に小さくて、可愛らしい雰囲気のお姉さん。話しやすい人で良かった…。

キツいのはひろみ姉さんだけでお腹いっぱい。


「柚希は、アルジェさんがトレンドに上がったのをきっかけにファンになり、動画をすべて履修した上でうちに応募してきたんですよ」

「先輩! それは内緒にしてくださいよ!」

「おっちょこちょいな貴女ではどうせすぐにバレます。初めから話しておいた方が何かと楽でしょう?」

「うぅ…。そうかもですけど…」

「動画を全部ですか!?ありがとうございます。イベントの時のとかは特に長時間のものもあったのに…」

「とても楽しくて…落ち込んでいた時に元気をもらったんです。 他の方の視点でもアルジェさんを拝むために幾つもの配信を見ましたから!」

「この通り、アルジェさんのガチファンなんです。ただ、本当のファンだからこそ弁えているようなので、そこだけは信じてあげてください」

「は、はぁ…」

どういう事だろう。よくわからないけど悪い人じゃないんだろうなってのはわかった。

だって、もしそうなら社長ちゃんが雇わないだろうし…。


「しばらくは、私についてここでのマネージメントの勉強と、運転手をしてくれますので」

「運転だけは自身があるのでお任せください!」

それは有り難いなぁ。紲さんの運転は絶対に酔うと皆さんからの太鼓判がついてたから。


「アルジェさんは今からお料理されるのですか?」

「はい。夜はだいたいここで作ってますね。紲さんが食材をいつも補充してくれますし」

「私達も頂いてるので、それくらいは当然です」

「え、じゃあ私も頂けるのですか!?」

「お口に合うかはわからないですけど、たくさん用意するのでよろしかったらどうぞ」

今夜はソフィリナ先輩とマリー先輩にオムライスと肉をリクエストされてるから、お子様ランチみたいなプレートにするつもりだし。


夕食の仕度をしながら、紲さんと明日の打ち合わせ。

これもいつもの事だから慣れてしまった。

「明日は皆さん楽しみにしておられるお料理教室の実写配信になります。現地へは柚希が送らせていただきます」

「わかりました。なにか僕が持っていくものとかはありますか?」

「特にこれといったものは大丈夫です。衣装から食材、使用する道具まですべてこちらで手配してありますから」

至れりつくせりだなぁ。衣装もってことはあちらで着替えるんだろうか。


「撮影スタッフもいますから、アルジェさん達はお料理配信に集中して頂ければ大丈夫ですよ」

「本当にお料理しながら打ち合わせが進んでます…」

「アルジェさんはお忙しいのに、会社の皆さんのためにと食事の仕度もしてくださっているので、時間に余裕がないんです。柚希も慣れなさい」

「頑張ります!」

紲さんはああ言ってるけど、スマホの方にきちんと詳細もくれるから、寝る前にもう一度確認することも出来てるからだね。

さすがにここで料理しながら聞いただけでは、聞き逃してたりしかねないし。



料理を始めて三十分程。そろそろ先輩方や、社長ちゃんも食べに来てくれる時間かな。

順にお皿へ盛り付けていたら、思った通りキッチンエリアに人が増えてきた。

「すごいのだ! オムライスにてりやきチキン、美味しそうなゴロゴロ野菜のスープまでついてるのだ!」

「肉だー! ソフィリナ、肉は我によこすがいい」

「絶対に嫌なのだ!」

「はいはい、ケンカしない! ここで揉めるのなら二人は社長権限でキッチンエリアを出禁にするよ」

「横暴なのだ!」

「揉めてはいない! あれは交渉と言うものだ」

「騒がしいと思ったらソフィリナとマリー…。静かに食べたいから早くどこか行って…」

「メルティ先輩までひどいのだ!」

「メルティ、これ使う?」

社長ちゃんがメルティ先輩に手渡そうとしてるのは銃!?多分というか間違いなくおもちゃだろうけど物騒すぎますって。


「ソフィリナ、皿を持って退避!」

「なのだ!」

お二人は仲良く走り去った。コンソメシチューこぼしてないといいけど…。


「社長ちゃん、何を持ち歩いてるんですか。物騒ですよ」

「あーこれ?リアルな見た目の水鉄砲だよ。メルティなら水鉄砲でも使いこなすからね」

そういう問題なんでしょうか。そもそも水鉄砲だとして、なんで持ち歩いてるのかっていう疑問。


「…あんまりアルジェちゃんの前でそういうの持ちたくない…」

「それはごめん! でも好きだったでしょ?」

「今も好きは好きだけど…」

武器を持つと性格が変わる事で有名なメルティ先輩だけど、僕はコラボイベントの時以来、変わる姿を見てないんだよね。いつもほんわか優しい先輩。



時間経過と共に続々と先輩方が集まってこられて、社長ちゃんやメルティ先輩の様にキッチンエリアで食べていかれる方、または配信部屋へと持っていかれる方と様々。

ただ、必ず皆さんお礼を言っていってくれるから、こうして作るのも全然苦にならない。


そうだ、こよみにもご飯できたよって連絡しておかないと。

集中して絵を書いてたりすると時間忘れてたりするし。

メッセージを送った直後に返信があり、”すぐに向かうから残しておいて!”って。ちゃんとこよみのも用意してあるから大丈夫なのに。


「そういえばアルジェちゃん」

「なんでしょうか?おかわりならありますよ」

社長ちゃんはたくさん食べてくれるし。

「もらう! ってそうじゃなくて、ヨミちゃんとの話し合いはどうなったの?」

「デビューには反対する理由もないので、本人の意思に任せるつもりです。だだ、キャラのデザインについては違和感しかなかったので考え直したらどうかと話しました」

「だよねぇ…。私も止めたんだけど納得いかないみたいだったから、アルジェちゃんに任せたんだよ」

「そうだったんですね」

社長ちゃんも困ってたんですね。あんな色っぽいお姉さんキャラ、こよみには似合わないよ。


「こちらへ泊まるって話はどうしたの?」

「空いてる部屋を使うようにいいました。もう荷物を持ってきててビックリですよ」

「あはは。アルジェちゃんにダメだって言われてたら落ち込むだけじゃ済まなかったかもね」

想像したくないな…。ただでさえ僕が引っ越したせいでずっと拗ねてたのに。

こよみもひろみ姉さん程じゃないにしろ、怒ると怖いから…。


「アルジェちゃん! 私の分ちゃんとある?」

息を切らせてきたのはこよみ。二人きりの時以外は呼び方をきっちり変えてくるあたりはさすが。

「大丈夫だって。もしかしたら部屋に運ばなきゃかもって思ってわけてあったんだから」

「よかったー…。無くなってたらダークサイドに落ちてたかも」

怖いこと言わないで。夕食一つで闇落ちしたらかなわないよ。



こよみは受け取った夕食を食べながら、社長ちゃんと今後について話てて、新しくキャラのデザインをしたから、また社長ちゃんがチェックしてる。

僕も後で見せてもらおうかな。


食事時には社長ちゃんがほぼ確実にここにいるから、今みたいに結構大切な話が決まるのを僕は見てきてる。

副社長ちゃんも社長ちゃんを探す手間が省けると言ってたっけ。社長ちゃんってかなりアクティブに動き回るからなぁ。

会社にいないこともしばしばだし。多分誰よりも忙しくしてるのだと思う。会社やここで働く人たちのためにって。

そんな社長ちゃんに喜んで食べてもらえるのなら料理を作るのも張り合いがあるってものだよね。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。