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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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ごじゅーきゅう



会社へと住み始めて数日。

毎日社長ちゃんと彩乃さんから話は聞かせてもらっているけど、当初の予定通りにはいかず、まだ進捗はないらしい。

「監視カメラにも特定の不信人物は見つけられませんでした。ここまで見つからないとなると、私の勘違いだったのかもしれません…。怯えさせてしまってすみません」

「そんな! 謝らないでください」

「そうだよ。用心するに越したことはないんだから。なにより彩乃の感じたっていう勘みたいなものはバカにしてはいけないよ。相手がこういう事に慣れてて用心している可能性だってあるんだから」

「はい。そうですね。こちらを油断させるためかもしれませんし、引き続き調査を勧めます」

「お願いね。アルジェちゃんも会社内なら安全だから」

「はい…」

本当にご迷惑をおかけしてすみません…。


社長室を出て部屋へと戻る途中、まさかの人達と遭遇。

「お兄…じゃなくてアルジェちゃん! 無事で良かった…」

「こよみは心配しすぎだ。ここには私の親友の彩乃もいるんだから大丈夫だっていっただろう?」

「でも!」

こよみだけでなく、ひろみ姉さんまで会社に来るなんて…。


「二人揃ってどうしたの?」

「週末には来るって言ったでしょ」

そっか、今日はもう土曜日だっけ。

「私は彩乃に会いにな。ちゃんと許可はもらって入ってるぞ」

こよみと違い、ひろみ姉さんは社員ではないもんね。身内は許可さえ取れば社内へ入れるのは僕も知ってる。

「こんなこと言ってるけど、ひろ姉もすっごい心配してたんだよ。ついてくるって聞かないから私がわざわざ許可もらったくらいだし」

「こよみ!」

「あ、これは内緒だったっけ?」

「はぁ…。ったく。 まぁ元気そうで安心した」

「ありがとう、二人とも。心配かけてごめんね」


二人もまずは社長ちゃんへ挨拶に来たそうで、後で僕の部屋に来てくれるそう。

「部屋で待っててね。今夜は私もこっちに泊めてもらうからよろしく」

「そうなの?わかった」

ただ、僕は今夜パルム先輩とのコラボがあるからあまりこよみにかまってる暇はないと思うけど…。

せめて夕食だけは用意しておこうかな。部屋の冷蔵庫に紲さんが買い出ししてくれた食材がたくさんあるし。


部屋に戻ってキッチンでお昼の食事と、夜用に作り置きしようと仕度をしていたらお客さんが。

会社に住み始めてから毎日のように先輩方が顔を出してくれるからね。今日も誰か来てくれたのかも。

対応に出ると、同期のお二人が。つい先日にお二人とはオンラインでコラボをしたけど、直接お会いするのはイベント以来。

「やっほー。会社に来たついでに会いに来たよ」

「コラボしたばかりだけど、あの時はリモートだったから。ここにいるって聞いて」

「会いに来てくださってありがとうございます。お茶とお菓子出しますから良かったら上がっていってください」

「ありがと! 元気そうで良かったよ」

「そうね…。何か怖い思いをしたって聞いたから、元気な顔を見れてホッとしたわ」

いつの間にか先輩方にも噂が伝わって広まっているから、同期のお二人にも誰かから伝わったのかもしれない。


お茶とお菓子を出して、心配かけてしまったお詫びをして詳しい話をしておく。

「心配くらいさせてね。大切な同期なんだから」 

「うんうん。ボク達は男の娘っていう設定上、一番同期が少ないんだし仲良くしようよ」

確かに。先輩方は最低でも同期が四人はおられるもんね。


「それにしても…話を聞く限りストーカーよねそれ…。何もなくて本当によかったわ。アルジェちゃんは何も自覚してなかったのね?」

「はい。まさか僕がつけられたりするなんて思いもしなかったので…」

「気が付かないまま何かされたりとか被害に合ってたらって考えると怖すぎるよね」

「本当にね。アルジェちゃん可愛いから本当に気をつけなきゃだめよ?」

「ありがとうございます…?」

ビオラさんは僕の秘密知ってるはずなんだけどな…。マローネさんももしかしてら知ってるのかもしれないけど、直接なにか言われたりはしていない。改めてちゃんと話すべきなのか、どうしよう。一度社長ちゃんか紲さんに確認しなきゃ。

 


暫く話をしたあと、お二人ともそれぞれ今日は先輩方とのコラボがあるからとグループ配信の部屋へと移動された。

近々5期生としての企業案件の打ち合わせもあるから、その時にまた会える。

改めてスケジュールの確認をしたら来週半ばに予定が入っている。有名なエナジードリングのメーカーさんの案件で、コラボイラストの限定缶が発売される。二本買う毎にクリアファイルが貰えるから、それらの撮影もする予定。


料理を再開しようとしたら、今度はこよみが部屋にきた。

「あれ、こよみ一人?」

「ひろ姉ならお友達のところ。後でくると思うよ」

彩乃さんのところか。社長室の隣だし、そのまま寄ったんだろうね。


「よいしょっと! お兄ちゃんの寝室は?」

「結構な荷物だね。僕の部屋はそっちの和室じゃない方。和室はマネージャーさんの部屋だから入らないようにね。今は打ち合わせに行かれてていないけど」

「はーい。護衛も兼ねてるんだっけ」

「こよみはどこの部屋を借りたの?」

「え、借りてないよ。ここに泊まるし」

「ここの部屋はもう空いてないよ?」

「お兄ちゃんの部屋があるでしょ。そこに泊まるから大丈夫」

ベッド一つしかないんだけど…。まぁいいか、僕は床で寝れば。



料理はこよみも手伝ってくれて、まるでいつも家にいるときみたい。

「お兄ちゃんの手料理も久しぶりだなぁ」

「そうなるのかな。でもお母さんのが料理は美味しいでしょ」

「私はお兄ちゃんの手料理も好きなの! 会社の人たちにばかり作ってさー。ここに住むようになってから何度も作ってあげてるんでしょ?」

「まぁ…」

この数日、会社に住んでるピノ先輩は毎日のように来てくれるし、他の先輩方にもリクエストされてキッチンエリアで用意した事も何度かある。

材料費とかいってすごい金額を渡されるからびっくりしたっけ…。

そんなに費用はかかってないのに、残りはお小遣いにすればいいから〜とか言われて返しても受け取ってもらえないんだよね。

だからキッチンエリアの冷蔵庫にも色々と作り置きしてる。自由に食べてくださいってメモを残して。

直ぐに無くなってるから作ってる側としては嬉しいくらい。


「こよみは会社内のことよく知ってるね」

「みんなのSNS見てるとわかるし。毎日のように誰かがアルジェちゃんの手料理食べたーって書き込んでるんだもん」

「そうなの!?」

アルジェのSNSは基本的には紲さんが管理してくれているし、書き込むのも一緒にいる時のみだからなぁ。僕が未成年なのもあるし、今は問題もあるから…。

だから先輩方の書き込みもあまり追えてない。用事があるときには会社のスマホへ直接メッセージがもらえるし…。


「ホントずるいよ…。ひろ姉も作り置きしてもらってるし! 私なんてこうやって週末くらいしか会えないのに」

「こよみのおかげで仕事も見つけられたのにごめん…」

「まさか私もお兄ちゃんがここまで有名人になるなんて思いもしなかったよ。ま、お兄ちゃんのおかげで私も稼がせてもらえたから許してあげる」

「それはどーも。そういえばフィギュアドールの衣装にも関わったんだっけ?」

「うん。試作品の確認をしてほしいって写真を見せてもらった時に、デザインでいくつか譲れない部分があったからね、口出しさせてもらったよ」

「へぇー。 少し前に、これから市販されるのと同レベルの物を貰ったんだけど、僕の部屋にあるから気になるなら見てみたら?」

「ほんと!? 見てこよ!」

こよみは僕の部屋へと駆け込んでいった。結構目立つところに置いてるんだけど、さっき見つけてなかったんだな。










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