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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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ごじゅーはち



社長室へ行くと、社長ちゃんの他に副社長ちゃんと彩乃さんも部屋にいた。

呼ばれたのは今朝の出来事についてなのは間違いない。

「アルジェちゃんにはいくつかの選択肢があるのだけど、好きなものを選んでいいよ」

社長ちゃんにそう言われて提示されたのは…


一つ、しばらくは会社に住む。既に両親には事情を説明して許可ももらっているそう。

二つ、行き帰りは彩乃さんの護衛で、姉でもあるひろみ姉さんの家から通う。こちらもひろみ姉さんの許可はもらっていると。

三つ、会社が車を出してくれて自宅と会社を行き来する。ドライバーは紲さん。


「でもね、三つ目は正直おすすめしないわ」

「うむ…」

「どうしてですか!?私では役不足だと…?」

「紲ちゃんは有能だし信頼してる。ただし、運転だけは信用してない!」

「運転が下手なのよ、紲ちゃん…。私も一度乗って五分とたたずに酔ったから間違いないわ」

あー…僕も乗り物酔いは酷いから、ちょっと困るかも。

何より毎回送り迎えしてもらうというのも申し訳ないし…。


「何度も送り迎えをしてもらうのも申し訳ないですし、しばらく会社でお世話になってもいいですか?」

「勿論いいよ。うちとしてもそれが一番安心だから助かる!」

なら良かった…。


「その間に会社周辺に出没している不審者は排除するから!」

社長ちゃん、何する気ですか!?今にも武装して突撃しそうな雰囲気ですが大丈夫ですよね?

「会社の周りには監視カメラも多いですし、過去まで遡って調べれば直ぐに見つかると思います。しばらくは不自由させてしまいますが、会社からは出ないよう気をつけてくださいね」

「わかりました。彩乃さん、ご迷惑おかけします」

「大丈夫ですよ。これも私の仕事ですし。なによりアルジェちゃんを狙う者を見つけられなかったなんてひろみに報告したらシメられますし」

ひろみ姉さん、友達にも恐れられてるのはどうなの…。



イベント期間中に会社へ泊まったのが楽しくて、こちらへの住み込みを考えていたけど、こんな形でそれが叶うとは。

ただ、先輩方の迷惑にならないよう気をつけないと…。女の人ばかりだし、できる限り部屋の中にいよう。

必要なものとかは紲さんが買い出しに行ってくれるって張り切ってるけど、部屋には着替えとかも揃ってるし、差し迫って必要になるものは食材くらいかな。

近所の食堂にも行けない以上、常に自炊するしかないし。


社長ちゃんたちとの話も終わり、イベント中の三日間使わせてもらっていた部屋へ移動。またしばらくここで暮らすんだなぁと思うと嬉しくなる。

さてと…改めてここで暮らす為にも食材だけは買ってきてもらわなくては。

「紲さんはなにか食べたいものあります?」

「まさか私の食べたいものを作ってくださると?」

「一人でメニューを考えるのも大変なので、食べたいものがあったら…」

紲さんは大喜びしてるけど、あまり難しいものじゃないといいな。知らないものでも作り方さえ見れば作れはするけど、失敗する可能性もあるし。


幸いにも紲さんのリクエストはどれも作ったことのあるような家庭料理ばかりだったから良かった。

必要になる食材を書き出して渡しておく。

「ではこのメモの通りに買い出ししてきます! お菓子とかはどうします?」

「先輩方とも食べるかもなので色々と用意していただけると助かります」

「わかりました!」

僕はあまりお菓子は食べないけど、きっと先輩方が部屋に遊びに来てくれたりするだろうし、そういう時にお茶とお菓子がないのも困る。

いつも用意してくれている紲さんにお任せしたほうが安心だから。


買い物へ行く紲さんを見送ったらブーブーっとプライベートの方のスマホへ着信。

確認するとこよみから。

「もしもし? もう学校終わったの?」

「”今帰ったところ! 社長ちゃんから連絡来ててびっくりしたよ! 大丈夫?“」

「うん。僕は自覚もしてないから正直わかんなくて。しばらく帰れないのも聞いてる?」

「”勿論聞いてる。 週末には私もそっちに行くから! 本当に気をつけてよ!”」

「会社から出ないから大丈夫」

「”会社の中でもだよ!”」

流石に会社の中にまで入ってきたりはしないでしょ。ちゃんと警備の人もいるんだし。


「”とにかく! 油断しないようにね! わかった? お兄ちゃん本当に無防備なんだから!”」

「気をつけるよ。心配かけてごめん…」

「”謝らなくていいけど…。あーもう。私もすぐそっち行きたい!”」

「こよみは学校があるんだから…」

なんとか説得はしたけど、そのうち学校やめるとか言い出さないか不安になるレベル。

僕と違って、せっかくこよみはちゃんといい高校に入ってるんだから…。それを棒に振るような事はしてほしくない。しかも僕が心配かけたせいでとかいたたまれないよ。



こよみとの通話を切った後、会社のスマホを見ながら予定の確認。

今週は案件のお仕事はないけれど、同期のお二人とのコラボだったり、先輩からもいくつかコラボの声をかけてもらってる。どれも夜のものばかりだから、昼間はのんびりしてよう…。

あ、ひろみ姉さんにも連絡しておかないとな。

今も続けてるお仕事がこちらにいるとできないから、イベント期間中に止めてもらってたお仕事をそのままもうしばらく止めてもらっておかなきゃ。

まだ仕事中だろうから、メールで連絡。


返事はすぐに来た。

”そんなもの気にしなくていいから、自分の身の安全だけを考えろ”か。ひろみ姉さんらしいや。

言い方はきついけど心配してくれてるんだってのはわかる文面だね。










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