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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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ごじゅーよん



三日間のイベントも終わり、会社の大きなホールにみんな集まっての打ち上げ。

宅配のピザやジュース、オードブルやお酒までたくさん用意されてて、皆さん大盛り上がり。

こういう大きなイベントが終わると、予算は会社持ちで打ち上げを用意してくれるのはいつものことなんだとか。

先輩方の何人かは次の仕事とかで居なかったりもしたけど…。

みなさんがいかに忙しいかというのを目の当たりにしてしまった。イベント直後なのに。

過密スケジュールがすごい。

お休みはマネージャーさんがきちんと管理してるそうなのだけど、個人で普通に配信はじめたり、お休みされない人も多いのはお約束。

医務室の先生が心配するのも無理はないなぁと思ってしまう。


そういう僕も明日に有名ファストフードのCMのお仕事がある。

なので、明日も会社へ来なくてはいけない。今夜も会社に泊まってもいいのだけど、ひろみ姉さんの家に泊めてもらうって前から話してあるから行かないと。

ドタキャンなんてしたらあの姉は不機嫌になるから。怒ると怖いし…。

そろそろ部屋の片付けとかもしないと洗濯物とかも溜まってそう。

明日、お仕事の予定が午前中からだから早めに会社に来ておきたいからなぁ。あまり部屋が汚れてないといいけど…。



お仕事といえば…。一番びっくりしたのはマネージャーの紲さんから、シラチャソースのメーカーさんから直々にコラボのお仕事のお話が来たって言われた事かも。

今回、カレーの時に名前を出したのが発端なんだけど、うちでは常にストックしてるくらい家族がお気に入りの商品とのコラボなんて。驚かないほうがおかしい。

「今あちらとの予定を調整しています。先方から広報の方が来てくださるそうなので、ハッキリとした日取りが決まりましたらご連絡しますね」

「わかりました。突然だからびっくりです」

「驚かれたのはメーカーさんの方かと思いますよ。通販サイトがアクセス過多で落ちたそうですし。注文も普段の何倍にもなって嬉しい悲鳴だそうです」

影響がエグい…。というか、今回のは写真を撮ってSNSに上げた紲さんの影響かも。



打ち上げで悪酔いした先輩方が大変な事になりだしたから、紲さんに連れられて避難。

「未成年のアルジェさんがあの場に長くいるのも色々と問題になりそうですし…」

飲ませようとかされたわけでもないけれど、女の人しかいないからね、目のやり場に困る光景もあったから助かりました。


「今日は会社には泊まられないのですよね?」

「はい。姉と約束がありますから、そっちに泊めてもらいます。明日は朝九時には会社へ来るようにします」

「お願いします。 三日間お疲れ様でした」

「紲さんもお疲れ様でした。色々とありがとうございました」

「いえいえ! 外まで送りますね」

紲さんに会社の外まで送ってもらい、姉の家へ向かう。

ここからなら徒歩で行けるくらいに近いから楽なもの。



途中にある食品スーパーで色々と買いこんでから姉の家へ。

ひろみ姉さんも連休だって言ってたからお酒飲んでるだろうし…おつまみの材料とか、二日酔いになってる可能性も考えてしじみなんかも買ってきた。


最近は頻繁に来てるから部屋への行き方もなれたもの。最初の頃は入口にロビー、エレベーターと何回もキーカードを使わなくてはいけないのに戸惑ったっけ。

セキュリティーが万全なのは一人暮らしの姉には安心なんだろうけど、面倒くさがりのひろみ姉さんが毎日よくやるなーと。慣れなのかな。


部屋もキーカードをかざしてロックの解除。

ドアを開けると、奥から話し声が…。

電話でもしてるのかな?来客はまずないってひろみ姉さんも言ってたから、その線は薄い。

一応靴で確認をと思って見下ろしたら…。

会社用の靴から外出用にと何足も脱ぎ散らかしてあって判断つかない!

「相変わらずだなぁ…」

脱ぎ散らかされてる靴を揃えて並べ、自分の脱いだ靴も揃えておく。


電話してるのなら声かけるのもアレかなーと思い、リビングの扉をそーっと開けたら、まさかの来客!

こちらに背を向けているけど、髪が長いから女の人だと思う。

ひろみ姉さんの彼氏とかじゃなくてよかった…。気まず過ぎるし。そもそも彼氏がいるなんて聞いたこともないけど、僕が知らないだけの可能性もあるから。


「おー、じょーちゃんじゃないか。もう仕事は終わったのか?」

「うん。 ごめん、来客とは思わなくて」

「あー。気にすんな。こいつは大学時代の友人でな。久しぶりに連絡があったから家で飲もうって話になって…あ、そうだ! 何かつまみ作ってくれると嬉しい」

「わかったよ」

その前にせめてお客様にご挨拶をと思ってたら、あちらも同じだったようで…。


「お邪魔してるよ。ひろみの友達で…」

「あ…」

「うそ…!」

振り返った顔を見てびっくりした。

ニューホープの顧問弁護士の彩乃さん!?


「なんだ知り合いなのか?」

「さっき話したでしょ。私の勤務先にいたっていう、とびっきり美少女にしか見えない男の子! まさかひろみの弟だったなんて…」

「あれうちの弟の事だったのか…。世間は狭いな」

そう言ってビール缶を片手に笑うひろみ姉さん。


「改めまして。ひろみの大学時代からの友人で桜井彩乃です」

「は、はい! えーっと…」

慌てて咄嗟に渡したのは会社の名刺。

「ふふっ…ありがとうございます。では私のも」

彩乃さんからも名刺を貰う。


「じょーちゃん、お前もついに名刺を持つようになったのか。私にもくれないか」

「いいけど…。その呼び方やめてよ」

「間違ってないんだからいいだろ」

ワシャワシャと僕の頭を撫ぜてながらら渡した名刺を面白そうに見てる。

「個人情報はなんにも書かれてないんだな」

「まあ…」

「それはそうでしょう。この子達は素性は明かさないヴァーチャルの世界の存在なんだから」

「よくわからんが…楽しそうにしてるのならそれでいいさ。 それより早くつまみを頼む、アルジェちゃん」

ひろみ姉さんにその名で呼ばれるのも複雑なんだけど…。酔ってるから言うだけ無駄か。


キッチンは比較的キレイだったから買ってきたもので簡単なおつまみを作って出しておく。

二人が盛り上がっている間に洗面所に行くと、洗濯かごに押し込まれるように洗濯物が…。

ここにまとめておいてくれるだけマシになったなぁ。いや、お客さんが来たから慌ててここへ押し込んだのかも。


洗濯物を回している間に作り置きのおかずとかを用意しては小分けにして冷蔵庫や冷凍庫へ入れていく。

冷凍食品が減ったのはいい事だね。お酒は減るどころか増えた気がするけど…。

飲みすぎないようにって言ったら、”美味いおかずが毎日あるのに、飲まずにいられるか“って言い返されたっけ。


「ひろみ姉さん。今日の夕飯はどうするの?おつまみだけでいい?」

「いや、せっかく出来たてが食べられるんだから頼む」

「はーい」

「ひろみ、あの子は嫁なの!?」

「だったら私は楽ができるんだけどな。だが残念な事に実の弟だ」

「姉がこんなだと弟さんがしっかりするのかしらね」

「うるせーよ。お前も寝てばっかりで似たようなものだろう」

「う…。 まぁ…。家事なんて何にもできないけど」

料理をしてる間にも二人のそんな会話が聞こえてくる。

生活力のない大人がもう一人いた…。別に大人は家事ができなきゃいけないなんて言わないけど、出来たほうが色々と便利なのになぁとは思う。


「あ、そうだアルジェ。 今日は彩乃も泊まってくからな」

「わかったよー」

三人分の夕食と、寝るための布団とか用意しなくちゃね。


……って、僕どこで寝たらいいの!?

ここって、ひろみ姉さんの寝室とキッチンとリビングが繋がった部屋しかなくて、僕はいつも泊まる時はリビングの大きなソファで寝てるのだけど…。彩乃さんの布団はどこに用意したら?

んー…。友達ならひろみ姉さんの部屋に布団敷いておけばいいか。


そう思ってたのに…。

夕食後、二人とも酔いつぶれてリビングで寝てしまった。用意した夕食が美味しかったらしく、お酒が進むーってめちゃくちゃ飲んでたから…。

久しぶりに友達と会えて盛り上がってるのを止めるのも悪い気がして、僕も口を出さずにいたものだから…。でもね、限度があると思うよ?

ひろみ姉さん、明日の仕事に響かないといいけど。しじみのお味噌汁を朝に作ろう。買ってきといてよかったよ。


寝てしまっている二人に布団をかけて、色々と片付けた後にお風呂に入り、僕はひろみ姉さんの寝室の床に布団を敷いて寝た。








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