八話:勇者について
なんか面倒くさいことになってきましたよー?
品野「全くだぜ…」
「あなたは、勇者に選ばれました。勇者として、魔王の進撃を阻止及び魔王を討伐してください」
俺が現実逃避し続けたからか、もう一度同じことを繰り返す大太刀(※美少女……美女?)。
こころなしかイラついているような気がする。
「えーっと、これってもちろん拒否権なしだろ?」
「ええ、もちろんです」
じゃあなんで聞いたのさ!
「断れないんなら、いいや。うん、勇者もやってやるよ」
「快く引き受けていただきありがとうございます。では、この丁寧口調も面倒くさいのでやめさせてもらいますね?」
「え? その口調ツクリモノ?」
「そうだけど? 悪い? こっちだってなあ、仕事なんだよ。たっくよぉ、神ってのは面倒くせぇぜ…! なんだってこんな制度で人間の量を調整しなきゃならないんだよォ? ………って感じのキャラで行きたいと思うのですが、どうでしょう?」
どうでしょう、って言われましても。
「また変なのが出た!」
by小暮さん。
「いや、あの、素の感じでお願いします」
「わかりました。このままの口調でいかせていただきます」
「そういや、名前は?」
「私ですか。私の名前は、ケイトといいます。好きにお呼びください」
「俺は品野翔。よろしく」
「はい、よろしくお願いします」
右手を出す。
確か、名乗り合い握手をすることで契約は完了だったと思う。
そして俺の出した右手とケイトの出した右手が触れ合ったとき、魔力が胎動したのを感じ、そしてそれが一気に抜けていき―――――――
溢れ出した魔力のうずは、小暮さんの家を吹き飛ばした。
☆☆☆
「「すいませんでした」」(土下座)
ケイトと一緒に小暮さんに土下座。
今回ばかりは冗談ですまない。
だってほら、家、壊しちゃったし……。
「……………………………………」
「あの、私に出来うることなら何でもしますので、許してくれませんか小暮さん」
「………………………………じゃあさ、家用意してくれる?」
なんだ、そんなことでいいのか。
じゃあさ。
「家来る?」
「は?」
「小暮さん、家だったらいっぱいスペース空いてるし、住めると思うんだけど、家来る? の略」
「いや、そういうんじゃなくて。品野くん、年頃の娘を家に住まわせるつもり?」
「え? あ、そんなん考えてなかった!」
「…………はあ、やっぱりか………」
結局。
すったもんだの末、小暮さんは俺ん家に住むことになった。
小暮さんの家には俺たち以外誰もいなかったので、けが人が出なかったことが不幸中の幸いであったといえよう。
………五回ぐらい殴られたけどね!




