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路地裏の舞姫。月夜の残滓を纒う捨てられ姫。かぐや姫が女の子って、誰が言った?僕が拾った少女は、アンドロイド!  作者: 蘇 陶華


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7/8

追いかける火鼠の衣。炎を呼ぶ。

「まずい」


兄貴の様子からして、また、何かしでかしたんだろう?


「警察?」


兄貴が首を振る。


警察なら、まだ、まし。


時間をかけて、話をしたら、釈明できる事もある。


だけど。


兄貴と来たら。


厄介な事に首を挟みすぎる。


何度、


命の危険に晒された事か。


危うく、男娼にされそうになった事。


何回ある?


「逃げる?」


兄貴が、窓に手をかける。


僕は、咄嗟に傘を手に取った。


「傘?」


傘の柄を引っ掛けて、外側から、窓を閉める魂胆。


兄貴は、足が早く、


とっくに窓の外。


「こいつ!」


ドアが開けられた瞬間、その真ん前に、立ちはだかったのは、梨杏だった。


「え?」


案の定、飛び込んできたのは、黒スーツの奴らだった。


金融。


あぁ!また、サラ金に手を出したか。


そう思いながら、


梨杏と逃げようと手を取った。


なのに、


自分から、向かって行くか?


「手伝いできそうです!」


「止めれ!」


女の子に敵う訳がない。


逃げた方がいい。


梨杏を助けなくちゃ!


奴らを倒す為に、消化器を持ち上げた瞬間。


梨杏の足蹴りが、奴らに命中した。


裸に近い、梨杏の姿に、にやけていた2人は、事も、簡単にその場に、


伸びた。


「えぇ?」


僕は、口をあんぐり開けた。


「簡単です」


そう言いながら、梨杏は、裸足のまま、僕の足元を見ていた。


「その草履。履きたい」


「これ?」


僕は、窓から逃げようと持っていたスニーカーを、差し出した。


そういえば、裸足だった。


外に倒れていたのに、何も履いていなかった。


「これは、必要」


「だよな・・・歩くのに、裸足では、痛いよな」


「いいえ・・・」


梨杏は、廊下をさした。


「火鼠が、現れました」


「火鼠?」


黒い煙が、流れ込み、火事だと思った。


誰かが、廊下に火を放った様だ。


「予定通り、窓から逃げます」


梨杏は、そう言うと、窓ガラスを蹴破り、僕の腰に手を回した。


「怖くない。怖くない」


「え?待って!」


ボヤ騒ぎに、オンボロアパートの住人が、廊下に飛び出してくる。


「ちょっと!」


女の子に、僕を抱えるのは、無理!


抵抗しようと、身を捩るが、


梨杏は、簡単に僕を抱え上げると、外へと飛び降りていた。


「きゃー」


僕は、恥ずかしげもなく、梨杏に抱きつき、悲鳴をあげていた。


あとで、僕は、後悔する事になる。


はて・・・。


ところで、火鼠って、言った?

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