路地裏の舞姫。不死薬を知る
美里。
さて、美里と僕の関係を話しておこう。
僕と美里は、同じガールズ?(まぁ、一応)のメンバー。
5人いるうちの1人。
僕より、2つ年上。
姉みたいな存在で、兄貴より、全然、頼りになる。
美里は、兄貴の元彼女。
てか、兄貴は、どんな女にも手を出すから、彼女か、どうか、怪しいんだけど、
付き合った期間は、あるみたい。
小汚い路地裏の地下ステージで、
毎晩、踊らされる事になる。
抜け出したかったか?
そう聞かれると、返事に困る。
とりあえずセンターやらせてもらって、
踊らせてもらっていた。
歌は、口パク。
メンバーに任せて、
そりゃあ、歌うと、いくらハスキーボイスと言っても、
ごまかせない位、男の声だったから。
バックでも、よかったんだけで、身長が、デカすぎて、
バックじゃ、目立ってしまうから。
まぁ、楽しくやらされてもらっていた。
そのメンバーの中で、一番、信頼して、元彼女の美里が、
兄貴の首にフォークを突きつけた。
「美里?まぁまぁ、気持ちはわかる」
兄貴の女癖からの、トラブルは、日常茶飯事で、いつも、揉めていた。
「兄貴も、記憶がないみたいだし・・・」
と言って、気がついた。
美里の顔つきが違う。
「隠している物、出しなさい」
「隠している物?」
龍さんと同じ物を探している?
「美里の、龍さんの仲間?」
「龍さん?」
美里が、顔を顰めた。
「他にも、欲しがっている者がいるって、事ね」
梨杏が動こうとしたので、僕は、慌てて、制した。
「助けて・・」
兄貴が、声を絞り出した。
「何、するんです?」
「早く出しな」
「知らない」
「知らない筈ないだろう?持っているから、事故にあった・・・今だって」
激しい音がして、建物が揺れた。
天井から、砂埃が落ちてくる。
「まじ?」
兄貴が盗んだ、何かを狙って、皆、揉めているって事?
埃が落ちると同時に、龍さんが顔を出した。
「おっと!面倒な事になっているな」
向きを変える美里。
隙をついて、美里の腕を捻り上げる梨杏。
加減を知らない。
悲鳴をあげる美里。
「どうして?」
詰め寄る僕。
「美里まで、どうして?兄貴は、何を盗んだんだ?」
激しく咳き込む兄貴。
「遺物って、何なんです?骨とかって・・・」
「骨って・・・言われている。確かに」
龍さんは、話したがらなかった。
「死なずの薬」
梨杏の口が、物語る。
「死なずの薬?そんなのある筈が・・・」
「あったんだよ・・・時の皇帝が、持っていたって。捨てたって、話だが、代々、受け継がれていた。最後は、形が変わり、骨の様になっていったがね」
何の話。
僕らは、騙されている様だった。




