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路地裏の舞姫。月夜の残滓を纒う捨てられ姫。かぐや姫が女の子って、誰が言った?僕が拾った少女は、アンドロイド!  作者: 蘇 陶華


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仏の未鉢と兄貴の涙

とんでもない娘を拾った?


梨杏の笑顔に、僕の思考は、混乱した。


人間じゃない?


でも。


この時代に、ここまで、精巧なアンドロイドなんて、


存在しない。


皮膚だって、洋服から透けそうな、どのパーツだって


人としか思えない。


僕は、ハッとした。


手元で、煌めくタブレット。


誰にも、気付かれないように、衣装のポケットに押し込んだ。


そうだ。


そうだよ。


全て、このタブレットだ。


携帯の落とし物と思った。


誰かが、落とした。


届け出ようとして、こんな騒ぎになった。


僕が、通らなければ、梨杏は、他の誰かの手元に行っていたのかもしれない。


もしかしたら。


本当の持ち主がいるのかもしれない。


ニコニコする梨杏に見とれていると、


「あ!」


僕と同時に、声を上げる龍さん。


「逃げられた!」


慌てて、廊下から飛び出す。


兄貴が、薄情にも、僕らを置いて、去っていく足音だけが、廊下に響いていた。


「信じられない!いいのか?」


龍さんが、僕の顔を見る。


肩をすくめる僕。


「いつもの、事だし」


兄貴が、大事なのは、自分。


思い出したように僕を心配するだけ。


僕が大事?


そんな事、言っていた事もあるけど。


到底考えられない。


「困ったな。こちらも、命がかかっているんだ」


龍さんは、本当なら、僕を人質としたかったんだろう。


が。


梨杏に睨まれて頭を掻いた。


「損害賠償したいところだが・・・」


梨杏が、只者ではないと気付いたのだろう。


必死に、頭を掻いている。


「とんでもない事だな」


「また、お巡りさんの世話になる感じですか?」


「とんでもない」


龍さんは、携帯を取り出して、誰かに電話した。


「逃げられました。持ち逃げされたんです」


「持ち逃げ?」


「やっぱり、警察か・・」


一体、何回、お世話になるつもり?


兄貴が、刑務所にいる間、養護施設に居た僕は、顔のせいで、結構、虐められた。


虐められない為に、自分を鍛える事を学んだ。


「さて・・・。」


龍さんは、短い会話を終えると、僕らに向きを変えた。


「このまま、解放・・・してあげたいが、お兄さんには、大分、投資ししてるんだ」


ほら来た。


お決まりのパターン。


僕が、質草との展開。


「朔を捕まえないと、大変な事になる」


「それが、今の状況でしょう?」


「いやいや・・・そうじゃなくて」


龍さんは、笑った。


「君のお兄さん、朔が持ち逃げしている物は、本来は、我々に渡してもらう物だったんだ・・・」


うん。


流れからわかる。


「それは・・・困った事に、他にも、狙っている輩がいるんだ・・・」


マフィアの抗争に、巻き込まれた?


「遺物を持ち逃げしたんだよ」


本来なら、龍さん達に手渡しする筈の物を、兄貴は、価値に目が眩んで、売買を目的に、持ち逃げしたらしい。


それは、遠い昔の遺物で、ある有名な人の骨なんだと言う。


「骨?」


「未鉢と、読んでいるんだ・・・我々は」


「我々?って、サラ金じゃ・・・」


さっき、梨杏に、攻撃された2人が、ようやく目を覚まし、頭を振りながら起き上がってきた。


「いやいや・・・これは、仮の姿で・・・」


龍さんは、口をもぐもぐさせて言いにくそうだった。


「これ以上は、言えないが・・・」


携帯がなり、龍さんが答えるより先に、梨杏が言った。


「見つかった。って、連絡だ」


見つかった?


龍さんが、怪訝な顔で、こちらを見た。


「大怪我をしているらしい」

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