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転生されたら淑女になった 第29話
第29話:世界の根源的リフォーム
光も音もない、混沌の空間。
そこには、この世界を構成する「理」の裏側が、剥き出しの回路のように漂っていた。
俺の目の前には、もはや形を失い、ただのノイズと化した魔王の残骸がある。
(……アンタッチャブル。ここが、世界の核ですか。……惨憺たるものですね。至るところに残思がはびこってます)
『……そうね。でも、あなたなら直せるんでしょ? 設計者さん』
俺は笑った。精神の深淵で、シニアとしての誇りを胸に、見えないガシェットを手に取る。
魔王のエネルギーを純粋な「力」へと分解し、それを世界の欠損した部分へと埋めていく。
流れを繋ぎ直し、精神を浄化し、滞っていた魔力の流れを一本の清流へと戻す。
(……これでこの時空は安定するはずでしょう。)
俺は最後の一仕上げとして、この世界の中心に、俺の魂の原風景を刻み込んだ。
それは、どこまでも続く真っ直ぐな道と、心地よいエンジンの鼓動。
「……さて。修復完了ね。サヨナラ、魔王さん。次は、もっといいピースに生まれ変わりなさいよ」
闇が弾け、俺の意識は再び、光の差す地上へと引き上げられていった。




