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転生されたら淑女になった  第26話

第26話:モア荒野の「着工」



視界の先、地平線を埋め尽くす魔族の軍勢。それはもはや生命の行進ではなく、世界の調律を乱す巨大な「ノイズ」の塊だった。

決戦の地、モア荒野。

俺は背負った大刀の魔力を感じながら、隣に立つ両親に静かに思念を送った。


(…お父様、お母様。準備はいい。この世界を邪悪な者たちから守り抜いて見せましょう)


父ガルロが不敵に笑い、母エシスが優雅に杖を構える。

俺たちは、言葉という不確かな信号を介さずとも、互いの役割を完璧に理解していた。

エシスが大地に魔法の「基礎」を打ち込み、ガルロがその「現場」を鉄壁の武力で守護する。


(……さあ、アンタッチャブル。魔力を最高まで引き上げるぞ。一分も狂わせるなよ)

『了解。……あなたの心臓エンジン、焼き切れるまで回してあげるわ!』


淑女の皮を被った俺の全身から、漆黒の魔力が火花のように散る。

プロの仕事に、妥協の文字はない。

俺は静かに一歩を踏み出し、世界の歪みを是正するための「最終局面」に入る。





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