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転生されたら淑女になった 第12話
第12話:回路の記憶
数年前、俺がまだ幼かった頃の記憶だ。
母エシスとの魔力訓練中、俺の周囲から「光」が消えたことがあった。
『ルイ、落ち着きなさい。それは、あなたの一部なのです』
母の焦燥を含んだ思念が響く。
だが、当時の俺はまだこの機体の扱いに慣れておらず、内側から溢れ出す漆黒の濁流に飲み込まれそうになっていた。
その闇の底から、冷ややかな声が聞こえた。
「――見つけた」
それは、世界から切り離された孤独な存在の産声。
母がその細い腕で俺を抱きしめ、膨大な魔力で強引に「蓋」をしたことで事なきを得たが、あの時の冷たさは今も指先に残っている。
(……あれはバグじゃない。この機体に最初から組み込まれていた『隠しユニット』だ)
エシスという最強の導き手がいたからこそ、俺は壊れずに済んだ。
道具に手入れが必要なように、魂にも正しい導きが必要だ。俺は、自分を信じてくれた両親への敬愛を、改めて胸に刻んだ。




