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転生されたら淑女になった 第11話
第11話:性能評価の夜
事件から数日が過ぎた。
俺は自室のテラスで、夜風に吹かれながら自分の掌を見つめていた。
二百五十名のうち、半数以上を失ったという「結果」。職人として、これほど不出来な納品はない。
(……準備不足だった。機体の出力は申し分ないが、俺自身の『制動』と『見極め』が甘
かったな)
人や道具を慈しむということは、ただ優しく接することではない。その限界を知り、守り抜くことだ。
俺は静かに思念を飛ばし、内なる闇――まだ名もなき力に語りかける。
(……お前、俺が危機に陥った時だけ顔を出すな。一日のうち、全力が出せるのはせいぜい
五回。それ以上は機体が、いや、俺の心が持たん。……この制限を『仕様』として組み込む
ぞ)
内側から、くすくすと嘲笑うような気配が返ってくる。
俺は焦らない。不機嫌な機械をなだめるように、ゆっくりと対話を続ける。
自らの不完全さを認めることから始まるのだ。
俺は深い溜息と共に、夜の静寂を慈しむように目を閉じた。




