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スキル『会話』で万物の声が聞けるようになったので、商人として成り上がります。 〜この鉄は剣にはなりたくないみたいです〜  作者: 赤金武蔵


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第2話 色んな会話

 家に帰って色々と試した。


 結果、家にある全ての物質の声が聞けることがわかった。


 俺からの声も理解してくれるらしく、聞いたことには絶対に答えてくれる。


 人のように、裏表や打算、本音と建て前がない。


 完全に、素のやり取りができる会話……良い。

 実に心穏やかだ。


 棚に飾っていた植物を、窓際の日当たりのいい場所に移す。

 ぷるんと震え、『ふわぁ〜』と感嘆の声を漏らした。



「そら、どうだ? 日の光は気持ちいいか?」

『とてもよき〜』

「はは、良かったな」

『おみずしょもう』

「はいはい」



 水瓶から水を汲み、土に掛ける。

 またぷるぷる震えた(ように見えた)。



『くぅ〜〜〜〜っ、しみる〜っ』

「よしよし、可愛いやつだなぁ」



『会話』スキルのお陰で、今物質が何を欲しているのかが直ぐわかる。


 おかげで、家にある植物たちはみんな元気いっぱいだ。


 ふふふ、大きくなるんだぞ〜。






「あんた気持ち悪いわよ」

「何故いる」






 突然の声に振り向くと、ルーフェンがいた。


 失礼な呆れ顔だ。ただ植物を愛でていただけなのに。


 ルーフェンは肩を竦めて、手に持っていた鍋をテーブルに置いた。



「ママから、アンタのところ持っていきなさって言われてね。ディーレルの好きなシチューよ」

「マジか……!」



 やったぜ。おばさんのシチュー、最高なんだよ。


 そのまま植物を日向ぼっこさせて、席に着く。

 ルーフェンは俺の前に皿を置いて、シチューをよそってくれた。


 ……さて。



「ありがとう、シチュー。そして具材たち。美味しくいただくよ」

『いただいて〜』

『おっきくなるんだよ〜』

『ちにくになれ〜』

『おいしーよー』



 ほわん、ほわんと声が聞こえる。


 一度『会話』スキルをオフにしてっと。

 改めて、いただきます。


 パンにシチューを染み込ませてかっ食らう。

 うんうん、やっぱり美味いなぁ。


 俺が食い終わるまで待つつもりか、ルーフェンは対面に座り、テーブルに肘を着いた。



「食べ物の声まで聞けるなんて、難儀ねぇ。食べづらくない?」

「非常に食べづらいから、オフにしてる。けど、より食べ物に感謝できるぞ」

「私は無理かなぁ。辛くなっちゃう」



 ま、それは人それぞれだろ。


 有難くおばさんのシチューを食べていると、急にルーフェンが笑い出した。



「なんだ?」

「んーん。アンタって、やっぱり凄く美味しそうにご飯食べるわよね。見てて気持ちがいいわ」

「まあ、普段からまともに食ってないからな。料理も出来ないし」



 なんでも焼いて塩をかければ美味い。それ以上は贅沢だ。

 けど、ルーフェンは呆れた顔で深くため息をついた。



「アンタ、強がるのもいい加減にしなさい。もう少しまともに働けば、もっといいご飯を食べられるわよ」



 あーもう、うるさいな。


 こういうお小言があるから、人と話すのは嫌いなんだ。


 居心地が悪くなり、窓辺に目を向ける。


 ――植物の新芽が、鳥に食われていた。



「あああああああああああああああああああああ!?!?」



 何すんだこのクソ鳥がああああああああああああああああ!!


 俺の絶叫で、ビビって飛び立つ鳥。

 慌てて植木鉢に近付き、『会話』スキルをオンにした。



「おい、大丈夫か!?」

『うぅ……いたい……いたいよぅ』



 くっ……可哀想に……! 俺が目を離さなければ……!


 植木鉢を中にしまい、向かいの家の屋根に止まっている鳥を睨みつけた。



「おいそこのクソ鳥! 俺の可愛い葉っぱちゃんに何しやがる!」

『はっぱおいしい。はっぱおいしい。まぬけ、ばか、あほ』

「おーおー上等だ! 今夜は鳥の丸焼き確定だなぁ!」



 ここまで馬鹿にされて黙ってられるか! 目にもの見せてや――



「はいはい、落ち着きなさい」

「ほげっ……!?」



 の……脳天に、拳が……!


 うずくまっていると、暴力の張本人であるルーフェンが目の前にしゃがみ、頭を撫でた。



「しょうがないじゃないの。向こうはお腹が空いてた。手頃な食材があったら、食べるのが世の摂理でしょ?」

「だけど……!」

「それを言ったら、ディーレルもご飯を食べられなくなっちゃうわよ」



 うぐ……そう言われると、そうなんだが……。



「でも、せっかく大切に育ててたのに……」

「……しょうがないわね。お姉ちゃんに任せなさい」



 ……任せなさい? 何を……?


 ルーフェンが窓辺に立ち、ゆっくりと鳥を指さした。

 人差し指の先が、妖しく光る。

 そして……。



「『穿光』」



 光の矢が、指先から放たれた。

 矢は螺旋を描き、真っ直ぐ鳥に向かう。


 次の瞬間。鳥には命中しなかったが、近くを掠めて上空に消えた。

 鳥も驚いたのか、慌てふためいて飛び去って行った。



「これで、この家には近寄らないでしょう」

「……今の、ルーフェンのスキルか?」

「ええ、スキル『光』の応用技の一つよ」

「ふーん」

「アンタから聞いたんだから、もっと興味持ちなさいよ」



 応用……スキルって、そんな事までできるのか。



「……俺の『会話』って、どんな応用ができるんだ?」

「知らないわよ。自分で考えなさい」



 んなこと言われても。



「にしても、ルーフェンってあんなこと出来たんだな。軍とかに行かないの? もっと稼げそうなのに」

「私、痛いのと怖いが嫌いなの。軍なんかに入ったら、今ののんびりした生活ができなくなるじゃない」

「自分よがりな考えだな」

「アンタに言われたくないわ」



 ぐうの音も出ない。

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