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最強付与士の無自覚ハーレム冒険譚 ~仲間の顔も素性も知らないけどたぶん全員男だと思う~  作者: 徳川レモン
第二章

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81話 シスター報告を聞いてください


 ベルが鳴り、シスタークラリッサは懺悔室へと入る。

 彼女にはすでに誰が呼び出したのか察しが付いており、席に着くと同時に大きなため息を吐いた。


「はぁぁ」

「なんですかそのため息」

「良くない出来事が起きたので、気持ちが落ち込んでいるのです」

「ありますよねそんな日。シスターも大変ですね」

「ええ、本当に」


 貴方が現れたからですよ、とクラリッサは心の中で呟く。

 ここしばらく音沙汰がなく安堵していた矢先であった。


「良い報告があります。グランノーツの正体が判明しました」

「ドワーフでしたよね?」

「なんだ知ってたんだ」

「残念そうに言われても。これだけ期間が空けば嫌でも耳にします。しかし、ギャルときましたか。想定外でした」


 厳つい全身鎧の中身がツインテール美少女かつギャルであった事実に、クラリッサは激しい衝撃を受けていた。中身が女で在ることは想定されていたことだ。二度あれば三度ある。壁を隔てた向こうにいる男は中身は男だと言い張っていたが、彼女は女であると確信していた。もちろん男であればそれはそれで驚いただろう。

 なんて素晴らしい存在でしょうか。大地の女神様はかつて『褐色ツインテールは尊い』と仰ったそうです。そして、女神様はギャルも好まれる。彼女はまさしく大地に愛されし者ですね。大地の加護が彼女にあらんことを。そんなことをクラリッサは考えていた。


「それで彼女とは信頼を深めることはできましたか?」

「深まったんじゃないですかね。顔も見たし」

「恐ろしく浅い返事ですね。なぜ解散していないのか不思議なくらいです」

「努力の賜物ってことですね。そんなに褒めないでくださいよ」

「私、いま褒めましたか? 貴方を前にすると常識が歪む気がします」


 クラリッサは眉間に皺を寄せる。


「ところで将軍が復活した魔王を討ち滅ぼしたと噂で耳にしましたが、名称未定(アンノウン)もその場に居合わせたとか居合わせないとか」

「ああ、その話ですね。申し訳ないのですがその話はちょっと」

「なぜですか。王国の危機を救うべく魔王討伐に協力したのはまさしく美談ですよ。同じく参加した銀の護剣(シルバーブレイド)も大成果を上げ――」

「それです。あいつら俺達が逃した大神官を運良く捕まえ、追加報酬として大金を手に入れやがった。こっちはボロボロになりながら強敵を倒して、やっとの思いで逃げ出したというのに。報酬は俺達の二倍ですよ。こんなことが許されますかね?」


 面倒な話題を振ってしまったとクラリッサは青ざめた。

 話を変えなくては。このままでは長々と銀の護剣(シルバーブレイド)への不満を聞かされてしまう。彼女はそう考えさりげなく新たな話題を切り出した。


「いよいよ最後の一人ですか。あの方は魔術師ですよね」

「ええ、ここまでこられたのもシスターのおかげです。ところで俺、最後の一人が魔術師だと言いましたっけ?」

「この期に及んでまだ匿名性が守られていると?」

「詮索ですか? 詮索したんですか?」

「あれだけぺらぺら語っておきながら他責にできる度胸は買ってあげましょう」

「最後の一人について話をしたいのですが、今日はあいにくこの後に用事がありまして。すぐにでないといけないんです」


 この男、流れるようにスルーした。都合の良い話だけ聞こえる都合の良い耳を引きちぎりたくなる。クラリッサはそのようなことを考えつつ男の耳をちぎる光景を夢想した。


「てことで今日のところは帰ります」

「そうですか。ではまた。教会でお待ちしております」


 男が懺悔室から出て行くと、クラリッサは女神に男の耳が良くなるように祈りを捧げた。



第二章終了です。次回より第三章を開始します。

次回更新は6月8日(月)。引き続きよろしくお願いしますね。ぺろっ。

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ドラゴンノベルス公式ページ
― 新着の感想 ―
将軍の性格だとドワーフ救出、魔王の討伐に関する追加報酬、将軍が意図したものでは無いとはいえ国の方針だから従うけど後に手柄を奪ってしまったことに対しての補償や謝罪の意味を込めての報酬を渡しそうなのに………
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