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チェックメイトの一手先  作者: 八海宵一
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 帰りの馬車のなかは、とても静かだった。

 ヴィスはもちろん、メリルもトリアも口を開かなかった。

 トリアは珍しく顔を曇らせ、窓の外を眺めていた。思わしい結果は得られなかったようだ。

 夕日に浮かび上がる灰色の建物は、煙突から水蒸気の煙を噴き上げていた。まるで、勝ち誇っているかのように、勢いがよかった。そして、あざ笑うかのように、なにかの警笛がときおり、ぴーっと鳴り響いた。

 こうして、すべての工場見学はなにごともなく終了した。

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