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第98話 再戦!

 草原の向こうにそびえていた巨大な城が、ようやく目の前まで迫った。


 陸は速度を落とさないまま、文明攻略戦の残り時間を開く。


━━━━━━━━━━━━━━

文明攻略戦

残り時間:1時間28分

━━━━━━━━━━━━━━


「よし、まだある!」


 巨大な正門をくぐっても、陸はホバーバイクの速度を落とさなかった。ここから先は一度通った道だ。


「高速探索部隊、道開けてくれ!」


 先を走るスケルトンたちが、そのまま前方のモンスターへ次々と襲いかかる。大柄なゴブリンが通路へ出た瞬間、左右から飛び込んだ二体に弾き倒され、続けて現れたウルフも後ろから来た部隊に押し切られた。


「速い速い! そのまま!」


 陸は倒れたモンスターの横をホバーバイクで駆け抜ける。城本体の開いた扉を抜け、広い廊下もそのまま突っ切った。Cランクまで育った高速探索部隊が前をこじ開け、陸とエリナはほとんど止まらず奥へ進んでいく。


 やがて前方が明るくなり、見覚えのある中庭へ飛び出した。


 石畳の中央には、あの黒い鉄の巨体が立っている。


「いた!」


 陸はアイアンゴーレムの手前でホバーバイクを急停止させた。エリナが降りるのを確認してすぐにしまうと、こちらへ身体を向けた鉄の巨体を鑑定する。


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アイアンゴーレム

ランク:C

Lv.33


HP 380

MP 60

筋力 188

耐久 310

敏捷 18

賢さ 20


【スキル】

アイアンボディ

グラウンドスマッシュ

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「やっぱ耐久310……」


 前は何十回攻撃しても、ほとんど削れなかった。だが、今はあの時と同じ軍団ではない。


「今度は抜く!」


 陸はここまで連れてきた高速探索部隊をまとめてストックへ戻した。


 代わりに選ぶのは、城へ向かう途中で決めてきた四体。


 オークウォーロード。

 オークデストロイヤー。

 ゴブリンアークメイジ。

 ゴブリンシャープシューター。


 四体を順番に精鋭化して召喚する。青白い光の中から現れた骨には、それぞれ淡い金色の光がまとわりついていた。


「行くぞ!」


 最初に前へ出たのはオークウォーロードだった。右手には大斧。左手には新しく持たせた大きな盾を構えている。


 アイアンゴーレムが石畳を踏み鳴らして近づき、太い右腕を振り下ろした。


「ウォーロード、受けろ!」


 盾と鉄拳が正面からぶつかる。


 ガァンッ!!


 重い金属音が中庭へ響いた。ウォーロードの足元が石畳を擦ったが、吹き飛ばされない。盾を押し込まれながらも、その場でゴーレムの拳を止めている。


「止めた!」


 その横からデストロイヤーの大斧が胴へ叩き込まれ、反対側ではアークメイジの魔法が炸裂する。さらにシャープシューターの矢が金属の身体へ突き立った。


 ゴーレムの巨体が揺れる。


「おおっ!」


 普通に攻撃しているだけでも、前とは違う。


 陸の目が、両手で大斧を構え直したオークデストロイヤーへ向いた。


 オークチャンピオンのCランク進化先の中でも、筋力と攻撃能力へ大きく寄った個体だ。祭壇でLv.31まで育てたその個体を、陸は鑑定する。


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オークデストロイヤー

ランク:C

Lv.31


HP  537(+124)

MP  83(+19)

筋力 241(+56)

耐久 161(+37)

敏捷 92(+21)

賢さ 46(+11)


【スキル】

デストロイクラッシュ

バーサーク

━━━━━━━━━━━━━━


「筋力241……!」


 祭壇で最初に精鋭化を試したウォーロードより、さらに高い。


「バーサーク!」


 デストロイヤーが大斧を強く握り直す。陸は変化したステータスへ目を走らせた。


━━━━━━━━━━━━━━

オークデストロイヤー

C Lv.31


バーサーク発動中


筋力 362

耐久 81

━━━━━━━━━━━━━━


「362!?」


 筋力は一気に一・五倍。代わりに耐久は半分近くまで落ちている。


「やばっ……でも今なら!」


 正面では、ウォーロードが盾でゴーレムを押さえている。


「デストロイクラッシュ!」


 デストロイヤーが大斧を低く構え、一気に踏み込んだ。踏みつけた石畳が砕け、その巨体がゴーレムとの間合いを一息で潰す。


 両手の大斧が振り上がり、全身の勢いを乗せて叩き下ろされた。


 アイアンゴーレムが腕を上げ、真正面から受け止める。


 ガギィンッ!!


 一瞬、大斧が止まった。


 だが、次の瞬間には鉄の腕が耐えきれずに弾け飛んだ。


 黒い金属の腕が肩口からちぎれ、激しい音を立てて石畳の上を転がっていく。勢いの止まらない大斧はそのまま胴へ深く食い込み、アイアンゴーレムの巨体を大きく傾かせた。


「うおおっ!?」


 陸はすぐにHPを見る。


━━━━━━━━━━━━━━

アイアンゴーレム

HP 153/380

━━━━━━━━━━━━━━


「めっちゃ減った!」


 片腕を失ったアイアンゴーレムが、傾いた身体をゆっくりと起こした。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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