第99話 精鋭の一撃!
身体を起こしたアイアンゴーレムの前へ、オークウォーロードが盾を構えて出る。少し離れた位置では、オークデストロイヤーが大斧を握り直していた。
「次、アークメイジ!」
陸は杖を持つゴブリンアークメイジへ目を向け、そのまま鑑定する。
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ゴブリンアークメイジ
ランク:C
Lv.31
HP 172(+40)
MP 218(+50)
筋力 60(+14)
耐久 77(+18)
敏捷 100(+23)
賢さ 211(+49)
【スキル】
グレイシャルスピア
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「賢さ211!」
グレイシャルスピアは、巨大な氷の槍を生成し、対象へ放つ単体高威力魔法だ。
「グレイシャルスピア!」
アークメイジが杖をアイアンゴーレムへ向ける。
杖の先に白い冷気が集まり、その中心から鋭い氷の先端が伸び始めた。氷の槍が大きくなるにつれて、周囲へ白い霧が広がっていく。
「寒っ!」
陸は思わず肩をすくめた。さっきまでと同じ中庭なのに、息が白くなるほど空気が冷えている。
「まだ撃ってないのにこれかよ!」
完成した氷槍はアークメイジの身体より長く、分厚い。次の瞬間、杖の先から一直線に撃ち出された。
アイアンゴーレムの全身が鈍く光る。
黒い鉄の表面へ硬い光沢が走り、残った腕を前へ出して氷槍を受けた。
ガァァンッ!!
氷が砕け、中庭いっぱいに白い冷気が弾ける。大きな破片が石畳を滑り、アイアンゴーレムの巨体も後ろへ押し込まれた。
それでも倒れない。
「アイアンボディ……!」
初めて使われた防御スキルに目を見開きながら、陸はHPを確認した。
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アイアンゴーレム
HP 109/380
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「通ってる!」
黒い鉄の表面には新しい亀裂が入り、砕けた氷が張りついている。
その時、少し後ろにいたゴブリンシャープシューターが弓を構える。
「次はこっち!」
陸はすぐに鑑定した。
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ゴブリンシャープシューター
ランク:C
Lv.31
HP 190(+44)
MP 75(+17)
筋力 200(+46)
耐久 86(+20)
敏捷 153(+35)
賢さ 74(+17)
【スキル】
フォーカスショット
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「筋力200に敏捷153……!」
フォーカスショットは、狙いを定め続けるほど威力が上昇する射撃スキルだ。
「シャープシューター、フォーカスショット! ウォーロード、そのまま止めろ!」
アイアンゴーレムが残った腕を振り上げる。ウォーロードが盾を前へ出して受け止め、デストロイヤーも横から大斧を叩きつけて巨体をその場へ押し留めた。
その間も、シャープシューターは動かない。
引き絞った矢の先に集まっていた光が、少しずつ強くなっていく。最初は矢じりの周囲だけだった光が弓へ広がり、やがて腕の骨まで明るく照らし始めた。
「まだ上がるの!?」
さらに数秒。
今度はシャープシューターの骨の輪郭まで光に包まれ、構えた姿そのものが眩しく浮かび上がる。
「よし、撃て!」
弦が鳴った。
光をまとった矢が一直線に走り、アイアンゴーレムの胸へ突き刺さる。
一瞬、何も起きなかった。
直後、矢が刺さった場所から無数の亀裂が走った。
バギィィンッ!!
黒い鉄の巨体が内側から弾けるように砕け飛んだ。胸、肩、残っていた腕、太い脚まで大きな金属塊となって散り、石畳の上を激しい音を立てて転がっていく。
「っしゃあ!」
陸は思わず拳を握った。
あれだけ攻撃を重ねても倒せなかったアイアンゴーレムが、もう動かない。
「やった!」
エリナも嬉しそうに声を上げ、中庭の上をくるりと飛ぶ。
陸は何か表示が出るのを待った。
だが、何も出ない。
「……もしかして」
陸はすぐに文明攻略戦の画面を開いた。
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文明攻略戦
JOHN
第11階層
攻略進行度:28.4%
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「やっぱ、こいつボスじゃなかったのか!」
続けて残り時間を見る。
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文明攻略戦
残り時間:1時間20分
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「やばっ! 急がないと!」
画面を閉じた陸は、砕けたアイアンゴーレムの向こう側へ目を向けた。
中庭を囲む建物の一角に、大きなアーチが開いている。その先には、さらに城の奥へ続く通路が見えた。
「まだ先あるじゃん!」
「さき?」
「ああ、行くぞ!」
陸は精鋭化した四体を戻さず、そのまま中庭を突っ切った。エリナも横へ浮かび上がり、少し先まで飛んでは振り返りながらついてくる。
アーチを抜けると、すぐにモンスターが姿を見せた。アイアンゴーレムを倒した四体が前へ出て、ほとんど足を止めずに押し切っていく。
「これなら……!」
陸も走る速度を上げた。
広い通路をさらに奥へ進むと、前方に上階へ続く幅広い階段が見えた。
「上だ!」
陸はそのまま階段を駆け上がる。エリナと四体の精鋭スケルトンも、すぐ後へ続いた。
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