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第85話 残りのEランクもDランクへ!

 狭い入口へ、次の群れがなだれ込んできた。


 前衛が入口で受け止め、その後ろから矢と魔法が飛ぶ。ほどなく最後の一体が岩場へ転がると、陸は倒れた魔物を順番にスケルトン化してストックへ入れた。


「よし。次はこいつら!」


 管理画面には、まだEランクのまま残っている六体が並んでいる。


 ブレードホーンラビット、シルバーホーンラビット、コボルトファイター、コボルトウォリアー、ブラックウルフ、ケイブリザード。


 陸はまずブレードホーンラビットを選んだ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


レイザーホーンラビット

角による攻撃能力をさらに伸ばした進化。


プラチナホーンラビット

能力を高い水準でバランスよく伸ばした進化。


フラッシュホーンラビット

瞬発力と回避能力に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「お、また三つある!」


 陸はまずレイザーホーンラビットを開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


レイザーホーンラビット

ランク:D

Lv.21


HP 88

MP 25

筋力 94

耐久 43

敏捷 84

賢さ 14


【進化後スキル】

レイザーチャージ

━━━━━━━━━━━━━━


「このサイズで筋力94!?」


 次にプラチナホーンラビットを開く。レイザーほど攻撃へ寄ってはいないが、HPと耐久が高く、敏捷もかなり伸びる。スキルは高速で間合いを詰めるプラチナラッシュだった。


「プラチナも捨てがたい……」


 最後にフラッシュホーンラビットも確認する。三つの中ではさらに速度と回避へ寄った進化で、素早く動き続けることに向いている。


 陸は三つを見比べた。どれも気になるが、ブレードホーンラビットは今まで角を使った攻撃役として戦ってきた。


「じゃあ、ブレードはレイザー!」


 陸はレイザーホーンラビットを選び、進化を実行する。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化が完了しました】


ブレードホーンラビット

  ↓

レイザーホーンラビット


ランク:D

Lv.21

━━━━━━━━━━━━━━


 青白い光の中で骨格が組み変わり、ラビットの姿が再び現れる。


 身体の大きさはほとんど変わらない。けれど頭骨から伸びる角は前よりも鋭く、両側の縁が薄い刃のようになっていた。


「角やばっ!」


 その時、入口から大きなウルフが一体走り込んできた。


「ちょうどいい! レイザーチャージ!」


 レイザーホーンラビットが低く身を沈める。鋭い角へ青白い光が集まり、次の瞬間には地面を蹴っていた。


 ウルフの正面へ突っ込んだかと思った直後、その横を一気にすり抜ける。少し遅れて胴に大きな裂け目が走り、そのまま身体が横へ崩れた。


「うわっ、斬った!」


 倒れたウルフをスケルトン化してストックへ入れると、陸はシルバーホーンラビットへ移り、進化先を開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


レイザーホーンラビット

角による攻撃能力をさらに伸ばした進化。


プラチナホーンラビット

能力を高い水準でバランスよく伸ばした進化。


フラッシュホーンラビット

瞬発力と回避能力に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「あ、こっちも同じ三つなんだ!」


 さっき確認した三系統だ。レイザーは攻撃寄り、プラチナはバランス型、フラッシュは速度と回避に寄っている。


 シルバーホーンラビットは今まで、速さを持ちながら攻撃も耐久も大きく偏らない形で戦ってきた。


「シルバーはプラチナ!」


 陸はプラチナホーンラビットを開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


プラチナホーンラビット

ランク:D

Lv.23


HP 112

MP 29

筋力 76

耐久 65

敏捷 92

賢さ 16


【進化後スキル】

プラチナラッシュ

━━━━━━━━━━━━━━


 さっき見た特徴どおり、どの能力も高めで、特に敏捷がよく伸びている。


「よし!」


 陸はプラチナホーンラビットを選び、そのまま進化させる。


 光が消れると、シルバーホーンラビットの骨格がわずかに太くなり、頭から伸びる角は以前より明るい白銀色へ変わっていた。


「おお、こっちもかっこいい!」


 入口から別のウルフが飛び込んでくる。


「プラチナラッシュ!」


 プラチナホーンラビットの全身が白銀の光に包まれ、その姿が一気に前へ飛ぶ。ウルフの爪が空を切り、懐へ潜り込んだ角が腹へ突き刺さった。


「はやっ! 避けながら入った!」


 倒れたウルフをスケルトン化すると、陸は次にコボルトファイターとコボルトウォリアーを呼び寄せた。


「次、コボルト!」


 ファイターの進化先を開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


コボルトストライカー

攻撃と機動力をさらに伸ばした進化。


コボルトチャンピオン

近接戦闘能力を高い水準で伸ばした進化。


コボルトセンチネル

耐久と防御能力に特化した進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「また三つ!」


 陸はまずコボルトストライカーを開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


コボルトストライカー

ランク:D

Lv.21


HP 103

MP 28

筋力 92

耐久 53

敏捷 79

賢さ 18


【進化後スキル】

ラッシュブレイク

━━━━━━━━━━━━━━


 筋力と敏捷が高く、スキルも今までのラッシュアタックをさらに攻撃寄りにしたような内容だった。


 続けてコボルトチャンピオンを開く。こちらは攻守とも高く、スキルは正面から強く踏み込んで一撃を叩き込むブレイブストライク。センチネルはさらに耐久へ寄り、防御系のスキルを持つ進化だった。


 陸は三つを見比べてから、コボルトファイターを見る。こいつは今まで、高い機動力で敵へ踏み込んで連続攻撃を叩き込んできた。


「よし、ファイターはストライカー!」


 陸はコボルトストライカーを選び、そのまま進化を実行した。


 青白い光が収まると、コボルトストライカーが立っていた。骨格は以前より少し細く引き締まり、特に脚の骨が長くなっている。


 手にしている武器は進化前から使っていたもののままだ。


「うわ、脚めっちゃ伸びた!」


 そこへ入口からゴブリンが一体駆け込んでくる。


「ラッシュブレイク!」


 コボルトストライカーが一気に懐へ入り、手にした武器を左右から連続して叩き込む。最後の一撃だけ武器へ強い青白い光が集まり、そのままゴブリンの身体を後ろへ吹き飛ばした。


「おお! 最後の一発重っ!」


 倒れたゴブリンをスケルトン化すると、陸はコボルトウォリアーの進化先を開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


コボルトストライカー

攻撃と機動力をさらに伸ばした進化。


コボルトチャンピオン

近接戦闘能力を高い水準で伸ばした進化。


コボルトセンチネル

耐久と防御能力に特化した進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「あ、こっちも同じ三つか!」


 さっき確認した通り、ストライカーは攻撃と機動力、チャンピオンは攻守のバランス、センチネルは防御に寄った進化だ。


 今まで前で安定して戦ってきたコボルトウォリアーなら、攻守をそのまま伸ばせるチャンピオンが合っている。


「じゃあ、こいつはチャンピオン!」


 陸はコボルトチャンピオンを開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


コボルトチャンピオン

ランク:D

Lv.23


HP 126

MP 27

筋力 82

耐久 78

敏捷 62

賢さ 20


【進化後スキル】

ブレイブストライク

━━━━━━━━━━━━━━


 確認してからコボルトチャンピオンを選び、そのまま進化を実行した。


 進化したコボルトチャンピオンは、ストライカーとは逆に肩や胸まわりの骨が太くなっていた。全体の骨格もわずかに大きくなり、同じコボルト系でも並べると違いが分かる。


「お、こっちはごつくなった!」


 入口から別のゴブリンが入ってくる。


「ブレイブストライク!」


 コボルトチャンピオンが武器を構え、大きく一歩踏み込んだ。青白い光をまとった一撃が正面から叩き込まれ、ゴブリンの身体が大きく後ろへ弾かれる。


「うわ、一発で押し返した!」


 倒れたゴブリンをスケルトン化すると、陸はブラックウルフを選んだ。


 表示された三つの名前には見覚えがある。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


ナイトウルフ

速度と奇襲能力に優れた進化。


ダイアウルフ

筋力と耐久を中心に、

身体能力を大きく伸ばす進化。


シャドウウルフ

速度と魔力、特殊能力に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「これ、前にも見たやつだ」


 陸はナイトとシャドウの進化後予測を開き、能力値とスキルを確認する。どちらもすでに実際に使っている系統だ。


 最後にダイアウルフを開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ダイアウルフ

ランク:D

Lv.23


HP 138

MP 30

筋力 88

耐久 81

敏捷 67

賢さ 24


【進化後スキル】

クラッシュファング

タフネス

━━━━━━━━━━━━━━


 筋力と耐久が高く、他の二系統とははっきり役割が違う。


「よし、今回はダイアウルフ!」


 陸はダイアウルフを選び、進化を実行する。


 青白い光がブラックウルフの骨格を包み、その輪郭が少しずつ大きくなる。


 光が消えた時、そこに立っていたダイアウルフは以前より一回り大きかった。胴や脚の骨も太くなり、開いた顎から覗く牙まで大きくなっている。


「でかくなった!」


 すぐに入口からオークが一体飛び込んできた。


「クラッシュファング!」


 ダイアウルフが正面から走る。ナイトウルフほど一瞬で消えるような速さではないが、大きな身体のまま勢いをつけ、青白く光る牙をオークの肩へ食い込ませた。そのまま押し込むと、オークの足が地面から浮き、巨体が横倒しになる。


「うお、力つよっ!」


 起き上がろうとしたオークが腕を振り回し、ダイアウルフの肩へぶつける。それでも太い骨格はほとんど揺らがず、そのまま前衛たちが殺到してオークを倒した。


 陸はダイアウルフの太い骨格をもう一度見てから、最後の一体へ目を向けた。


「最後はケイブリザード!」


 今回初めて開く進化先だ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


クラッシャーケイブリザード

筋力と攻撃能力に優れた進化。


スウィフトケイブリザード

敏捷と機動力に優れた進化。


アーマードケイブリザード

耐久と防御能力に特化した進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「お、攻撃、速さ、防御で分かれてる!」


 初めて見る三候補を、陸は一つずつ開いて能力値とスキルを確認していく。クラッシャーは筋力が大きく伸び、スキルも攻撃向き。スウィフトは敏捷が高く、機動力を活かす構成になっていた。


 最後にアーマードケイブリザードを開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


アーマードケイブリザード

ランク:D

Lv.21


HP 152

MP 22

筋力 68

耐久 108

敏捷 29

賢さ 10


【進化後スキル】

ハードニング

━━━━━━━━━━━━━━


「耐久108!?」


 陸は画面から前線へ目を向ける。火力を出せる個体はかなり増えている。今も入口ではゴブリンガードが盾を構え、オークチャンピオンたちがその横で敵を押し返していた。


「よし。こいつはアーマードにしよう!」


 陸はアーマードケイブリザードを選び、進化を実行した。


 ケイブリザードの全身を青白い光が覆う。四足の低い骨格が少しずつ大きくなり、胴や脚の骨が太く組み変わっていく。


 光が消えると、一回り大きくなったアーマードケイブリザードが地面へ低く身体を伏せていた。背骨や肋骨まで以前より太く、見るからに重そうな骨格になっている。


「ごつっ!」


 その直後、入口へ大柄なゴブリンが二体入ってきた。


「ちょうどいい。前行って!」


 アーマードケイブリザードが四本の脚で地面を蹴って前へ出る。振り下ろされた棍棒が肩へ当たり、硬い音が響いた。身体は少し沈んだが、その場からほとんど動かない。


「おお! ハードニング!」


 全身を淡い青白い光が覆い、骨の表面へ張りつくように広がっていく。もう一体のゴブリンが横から棍棒を叩きつける。


 ガンッ!


 今度は脚さえほとんどずれなかった。


「硬っ!」


 その横からコボルトストライカーが飛び込み、さらにレイザーホーンラビットが地面を蹴る。


 ゴブリンたちが倒れると、アーマードケイブリザードはそのまま入口近くへ身体を向けた。


 少し離れたところではダイアウルフが低く構え、プラチナホーンラビットが前脚を地面につけている。二体のコボルトも、それぞれ武器を構え直した。


 入口の外から、またいくつもの足音が近づいてきた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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