↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
84/203

第84話 ゴブリン軍団、Dランクへ!

 第11階層で見つけた岩場を一度離れ、陸はエリナを家まで連れて帰った。


「ごめんな。ちょっとだけ待ってて」


「うん!」


 エリナの頭を軽く撫でると、陸はすぐに第11階層へ戻った。


 さっき見つけた岩場へ戻ると、陸はサモンマップを開き、まだ探索を続けている残り四組にも自分のところへ戻るよう命じた。


 しばらくしてナイトウルフとエコーバットが次々に戻ってくる。五組すべてが揃ったところで探索部隊と今まで連れていた戦闘用スケルトンを一度ストックへ戻し、改めて今回使う三十体を呼び出した。


 広い岩場の中へ前衛を並べ、弓や魔法を使う個体は少し後ろへ。草原へ抜ける狭い入口だけは、オークチャンピオンやオーガたちがすぐ塞げる位置にしておいた。


「よし。やるか!」


 陸は誘魔の香炉を取り出し、岩場の中央近くへ置いた。


 起動すると、香炉から淡い煙がゆっくりと立ち上る。


 しばらくして、入口の向こうから複数の足音が聞こえてきた。


「来た!」


 最初に姿を現したのは、体格の大きなゴブリンたちだった。その後ろからウルフも続いてくる。


 だが、広い草原で囲まれるのとは違う。入口が狭いため、一度に中へ入ってこられる数は多くなかった。


「これいいな!」


 先頭のゴブリンへオークチャンピオンの大斧が振り下ろされ、その横を抜けようとしたウルフにはスケルトンナイトが剣を叩き込む。後ろから矢と魔法も飛び、最初の群れは岩場の奥まで入り込むこともできずに倒れていった。


「やっぱここ当たりだわ!」


 倒れた魔物を順番にスケルトン化してストックへ入れながら、陸は入口を見た。


 次の群れが来るまで少し間がある。


「今のうちに、一回こいつら見とくか」


 陸は管理画面を開き、今出している三十体を一覧表示した。


━━━━━━━━━━━━━━

【現在の戦闘部隊】


オークチャンピオン D Lv.30

オークチャンピオン D Lv.21

オークチャンピオン D Lv.20

オーガ        D Lv.27

スケルトンナイト   D Lv.24

グレートケイブリザード D Lv.22

ソニックバット    D Lv.22

シャドウウルフ    D Lv.24


ゴブリンソルジャー  E Lv.23

ゴブリンソルジャー  E Lv.22

ゴブリンソルジャー  E Lv.22


ゴブリンアーチャー  E Lv.22

ゴブリンアーチャー  E Lv.22

ゴブリンアーチャー  E Lv.21


ゴブリンメイジ    E Lv.22

ゴブリンメイジ    E Lv.22

ゴブリンメイジ    E Lv.21


ブレードホーンラビット E Lv.21

シルバーホーンラビット E Lv.23

コボルトファイター  E Lv.21

コボルトウォリアー  E Lv.23

ブラックウルフ    E Lv.23

ケイブリザード    E Lv.21

リザードマンエリート D Lv.24


ガーゴイル      D Lv.20

ガーゴイル      D Lv.20

ガーゴイル      D Lv.21

ガーゴイル      D Lv.22

ナイトウルフ     D Lv.20

エコーバット     D Lv.20

━━━━━━━━━━━━━━


「こう見ると、Eランクまだ結構いるな」


 ゴブリン系だけでも九体。その下にも進化できる個体が並んでいる。


 進化可能になっていること自体は、前から分かっていた。


 Lv.20を超えた頃には進化先を開けるようになっていたが、進化すれば能力だけでなく役割まで変わる。今までの戦力で困っていないうちから、先で何が必要になるかも分からないまま決める必要はないと思って、そのまま育てていた。


 けれど、第11階層では普通にDランクの魔物が出てくる。遠くには、見るからに危なそうな城まであった。


「今は強くした方がいいよな」


 入口の向こうから、また足音が聞こえ始める。


「よし。せっかくだし、進化させながら試すか!」


 次の群れを倒したところで、陸は三体いるゴブリンソルジャーの一体を選んだ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


ゴブリンナイト

攻守のバランスに優れた進化。


ゴブリンブレイダー

剣による攻撃力と敏捷に優れた進化。


ゴブリンガード

耐久と防御能力に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「三体いるし、一体ずつでいいな!」


 まずはLv.23の個体から、ゴブリンナイトを開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンナイト

ランク:D

Lv.23


HP 124

MP 24

筋力 80

耐久 76

敏捷 51

賢さ 19


【進化後スキル】

パワースラッシュ

シールドバッシュ

━━━━━━━━━━━━━━


 そのまま陸は進化を実行した。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化が完了しました】


ゴブリンソルジャー

  ↓

ゴブリンナイト


ランク:D

Lv.23

━━━━━━━━━━━━━━


 青白い光が消えると、元より少しだけ肩幅の広い骨格が立っていた。大きさ自体はほとんど変わらないが、腕や胸まわりの骨がわずかに太くなっている。


「お、ちょっとゴツくなった!」


 次のウルフが入口から飛び込んできた。


「シールドバッシュ!」


 ゴブリンナイトが一歩前へ出る。構えた盾が青白く光り、そのままウルフの身体へ叩きつけられた。


 ゴンッ!


 ウルフの身体が横へ弾かれ、地面へ転がる。


「いいじゃん! そのまま前で使える!」


 続いてLv.22の一体をゴブリンブレイダーへ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンブレイダー

ランク:D

Lv.22


HP 105

MP 21

筋力 95

耐久 58

敏捷 69

賢さ 17


【進化後スキル】

ダブルスラッシュ

━━━━━━━━━━━━━━


 陸は迷わず進化させた。


 光の中から現れたゴブリンブレイダーは、ナイトより少し細身だった。腕と脚の骨がすっと長く見え、立ち姿も軽い。


 そこへ新しいゴブリンが入口を抜けてくる。


「ダブルスラッシュ!」


 ブレイダーが踏み込んだ。


 一度目の斬撃が胸元を切り裂き、剣を返した直後、ほとんど間を空けず二撃目が同じ場所へ走る。


 ザシュッ、ザシュッ!


「速っ! 連続攻撃ほとんど一瞬じゃん!」


 最後の一体はゴブリンガード。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンガード

ランク:D

Lv.22


HP 148

MP 26

筋力 66

耐久 98

敏捷 36

賢さ 18


【進化後スキル】

ガードスタンス

プロヴォーク

━━━━━━━━━━━━━━


「耐久98!?」


 さっきまで見ていた二体とは、数字の並びがまるで違う。陸はすぐに進化を選んだ。


 現れたゴブリンガードは、三体の中では明らかに一番大きかった。肩幅が広く、腕や脚の骨も太い。


「めっちゃ壁役っぽい!」


 ちょうど二体のウルフが入口から飛び込んでくる。


「プロヴォーク!」


 ゴブリンガードが盾を強く地面へ打ちつけた。


 ガンッ!


 低い音が岩場へ響いた瞬間、二体のウルフが揃ってガードへ顔を向ける。


「おお、ちゃんとこっち向いた!」


「ガードスタンス!」


 ゴブリンガードが腰を落とし、盾を前へ構える。盾と全身の骨を薄い青白い光が包んだ。


 二体が続けて飛びかかったが、ガードはその場からほとんど動かない。


「硬っ! こいつが盾役なら安心だな!」


 三体のソルジャー進化を終えると、陸は次にゴブリンアーチャーを開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


ゴブリンレンジャー

連続射撃と敏捷に優れた進化。


ゴブリンスナイパー

一射の威力に優れた進化。


ゴブリンハンター

特殊な矢による妨害に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「これも三体でちょうどいいな」


 今使わせている弓は、陸たちが作った装備だ。進化先が変わっても武器そのものは変わらない。


 まずはゴブリンレンジャー。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンレンジャー

ランク:D

Lv.22


HP 95

MP 29

筋力 67

耐久 44

敏捷 82

賢さ 30


【進化後スキル】

ラピッドショット

━━━━━━━━━━━━━━


 陸はそのまま進化させた。


 進化させても、見た目の変化は大きくなかった。元のアーチャーより骨格が少しだけ細く引き締まり、腕や指の骨がすっきり長く見える。


「ラピッドショット!」


 レンジャーが弓を構える。


 一射。


 すぐ二射目。


 さらに三射目。


 三本の矢がほとんど途切れず飛び、走ってきたゴブリンの胸や肩へ次々と突き刺さった。


「うわ、連射はやっ!」


 陸はすぐ隣のアーチャーを開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンスナイパー

ランク:D

Lv.22


HP 92

MP 33

筋力 82

耐久 41

敏捷 64

賢さ 34


【進化後スキル】

パワーショット

━━━━━━━━━━━━━━


 陸は進化を選ぶ。


 進化後も弓は変わらない。ただ、肩まわりと腕の骨が少し太くなり、弦を引く姿勢がレンジャーよりどっしりして見えた。


 入口の向こうに、身体の大きなゴブリンが現れる。


「ちょうどいい。パワーショット!」


 スナイパーが弓を大きく引き絞った。


 矢と弓を持つ手に青白い光が集まり、次の瞬間、一本の矢が鋭い音を残して飛ぶ。


 バシュッ!


 矢はゴブリンの肩を貫き、そのまま身体を大きく後ろへ仰け反らせた。


「一発重っ!」


 連射とはまるで違う。


「こういう硬いやつにはこっちだな!」


 三体目はゴブリンハンター。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンハンター

ランク:D

Lv.21


HP 96

MP 47

筋力 60

耐久 45

敏捷 72

賢さ 44


【進化後スキル】

パラライズアロー

━━━━━━━━━━━━━━


「麻痺か。これも絶対便利じゃん!」


 進化後の見た目は元のアーチャーとほとんど変わらない。違うのは、少しだけ細くなった指先と、弓を構えた時の軽い姿勢くらいだった。


「パラライズアロー!」


 放たれた矢に紫がかった淡い光がまとわりつく。


 矢がウルフの胴へ刺さった直後、その四肢がびくりと固まった。


「止まった!」


 走っていた勢いのまま地面へ転がったウルフへ、前衛のスケルトンたちが一気に詰める。


「これいいな! 動き止められるの便利!」


 アーチャー三体まで終えたところで、また入口の向こうから複数の足音が近づいてきた。


 オークチャンピオンたちに前を任せながら、陸は最後の三体へ目を向ける。


「次、メイジ!」


 三体のゴブリンメイジは、元から使う魔法が違う。


 ファイヤーボール。


 アイスショット。


 ウィンドカッター。


 まず陸は、炎を使う一体の進化先を開いた。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化先を選択してください】


ゴブリンウィザード

広い範囲への魔法攻撃に優れた進化。


ゴブリンソーサラー

一体への高威力魔法に優れた進化。


ゴブリンシャーマン

回復と味方の強化に優れた進化。

━━━━━━━━━━━━━━


「これも全部欲しい!」


 三体いる以上、迷う理由はなかった。


 炎のメイジにはゴブリンウィザード。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンウィザード

ランク:D

Lv.22


HP 85

MP 91

筋力 31

耐久 39

敏捷 50

賢さ 85


【進化後スキル】

フレイムストーム

━━━━━━━━━━━━━━


「ファイヤーボール消えて、フレイムストーム!?」


 陸はすぐ進化を実行した。


 光が消れても、骨格そのものは大きく変わらない。元より少しだけ細く、頭骨の周りに青白い魔力が薄く揺れている程度だった。


 ちょうど入口から三体のゴブリンが固まって入ってくる。


「よし、フレイムストーム!」


 ウィザードが杖を向けた。


 杖の先に赤い光が集まり、ゴブリンたちの足元へ小さな火がいくつも灯る。


 次の瞬間。


 ボウッ!


 複数の炎が一斉に巻き上がり、三体をまとめて包み込んだ。


「うおお! 範囲広っ!」


 炎が消える頃には、三体ともまともに動けなくなっている。


「香炉とめちゃくちゃ相性いいじゃん!」


 続いて、氷を使っていたメイジをゴブリンソーサラーへ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンソーサラー

ランク:D

Lv.22


HP 83

MP 93

筋力 30

耐久 37

敏捷 52

賢さ 88


【進化後スキル】

アイスランス

━━━━━━━━━━━━━━


「あ、スキル一個だけなんだ」


 ウィザードと比べても、能力値には大きな差がない。


「でも単体特化なら、威力がやばい感じか?」


 陸はそのまま進化させた。


 ソーサラーも見た目はほとんどメイジの延長だった。少し細くなった骨格の奥で、青白い光が冷たく揺れている。


 入口へ、さっきより大きなゴブリンが入ってきた。


「アイスランス!」


 ソーサラーが杖を突き出す。


 杖の先へ白い冷気が集まり、一瞬で細長い氷の槍へ変わった。


 ヒュンッ!


 氷の槍が一直線に飛び、ゴブリンの胸を貫く。


「うわっ!」


 ゴブリンの身体がそのまま後ろへ倒れた。


「一個で十分だわ!」


 陸は笑いながら最後のメイジを開く。


 ウィンドカッターを使っていた個体だ。


━━━━━━━━━━━━━━

【進化後予測】


ゴブリンシャーマン

ランク:D

Lv.21


HP 93

MP 95

筋力 28

耐久 43

敏捷 44

賢さ 88


【進化後スキル】

ヒール

ブレイブアップ

━━━━━━━━━━━━━━


「……あれ?」


 陸の指が止まった。進化後のスキル欄には、ウィンドカッターの名前がない。


「攻撃魔法、なくなるのか」


 並んでいるのはヒールとブレイブアップだけだ。陸は少し表示を見てから笑った。


「でも、回復とか強化できるやつ、今いないんだよな。よし!」


 進化を実行する。


 青白い光が消れると、ゴブリンシャーマンが立っていた。骨格はメイジとほとんど同じだが、他の二体よりわずかに姿勢が落ち着いて見える。


 ちょうど前線では、ゴブリンガードの腕の骨に細いひびが入っていた。


「ヒール、使ってみて!」


 シャーマンが杖を向ける。


 淡い青白い光がガードの腕を包み、ひびの入った骨へ染み込むように広がっていく。


「おお……」


 細い亀裂が少しずつ閉じ、欠けていた端まで元の形へ戻っていった。


「骨も治るじゃん!」


 陸はすぐに前線へ目を向ける。


「じゃあ次、ブレイブアップ!」


 今度はゴブリンブレイダーへ光が飛ぶ。


 青白い光が全身を包み、そのまま骨の内側へ吸い込まれた。


 直後、入口から飛び込んできたウルフへブレイダーが踏み込む。


「ダブルスラッシュ!」


 二連続の斬撃が走った。


 さっきより明らかに強い音が響き、ウルフの身体が一撃目から大きく崩れる。


「うわ、ちゃんと強くなってる!」


 その時、狭い入口の向こうから、またいくつもの足音が重なって聞こえてきた。


 ゴブリンナイトが盾を構え、レンジャーが弓を引く。ウィザードの杖には、もう赤い光が集まり始めていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。