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第76話 ソニックバット!

 陸はホバーバイクを止め、エリナと一緒に降りた。車体へ触れて所持アイテムへ戻してから、大扉の前に集まっている高速探索部隊へ目を向ける。


「さすがに全員はまだか」


 サモンマップを開くと、二組の印がまだ離れた場所をこちらへ向かっていた。どちらもボス部屋とはかなり違う方向まで探索していた組だ。


「反対の方まで行ってたら、そりゃ時間もかかるか」


 それでも二組とも、確実にこちらへ近づいている。


 陸は大扉の前で少し待つことにした。


 先に一組が到着し、さらにしばらくすると、最後の三体も通路の奥から姿を現す。


「これで三十体、全員そろった!」


 二十体のスピードウルフスケルトンと十体のジャイアントバットスケルトン。高速探索部隊の全員が、ボス部屋前へ集まった。


「じゃあ、ここからはボス戦だ」


 陸は管理画面を開き、高速探索部隊を順番にストックへ戻していく。代わりに、ボス戦で使う主力を召喚した。


 棍棒を持った大柄なオーガスケルトン。巨大な斧を持ったオークチャンピオン。盾を構える前衛や、剣を持つ個体、魔法を使えるスケルトンも次々に姿を現す。


 戦闘用の軍団が揃ったところで、陸は大扉の前へ進んだ。


━━━━━━━━━━━━━━

【第7階層 ボスエリア】


ソニックバット ×1


入場しますか?

━━━━━━━━━━━━━━


「ソニックバットか」


「こうもり?」


「たぶん。どんなやつか見てみるか」


 陸が入場を選ぶと、大扉が重い音を立てて開いた。


 その向こうには広い洞窟があり、奥で大きな影が翼を広げている。大きさはジャイアントバットとそこまで変わらない。ただ、翼はより細長く、身体つきもすっきりしていた。


 ソニックバットが勢いよく飛び上がる。


「やっぱ速そうだ。だったら動き回られる前に一気に終わらせる! スケルトンフュージョン!」


 陸が攻撃に向いているスケルトンたちへ意識を向けると、その足元に青白い光が広がった。盾役として残した個体たちの前で、選ばれたスケルトンの骨も武器も次々に光へ変わり、一か所へ吸い寄せられていく。


 重なった光が強く輝き、やがて一体の人型スケルトンが姿を現した。


 陸より一回り大きい程度の身体。巨大な怪物のような形ではなく、整った骨格に一振りの剣を持った、シンプルな剣士の姿をしている。


 その間にもソニックバットは高度を上げ、大きく口を開いた。洞窟の空気が震えるような低い音が広がり始める。


「攻撃する気か。なら、その前に仕留めろ!」


 融合したスケルトンの全身に青白い光が走り、そのまま手にした剣まで強く輝いた。剣士型のスケルトンが剣を横へ振り抜くと、青白い魔力の刃が一直線に洞窟を駆け抜け、飛んでいたソニックバットの身体を真っ二つに切り裂いた。


 分かれた身体が、ほとんど同時に石床へ落ちる。


「……え、もう終わり?」


「リク、もううごかない!」


「一発かよ! 思ったより一瞬だった!」


 陸は笑いながら倒れたソニックバットへ手を向けた。


「スケルトンラッシュ!」


 青白い光が身体を包み、肉や皮膜が光の中へ消えていく。少しして、大きな翼の骨格を持つソニックバットスケルトンが立ち上がった。


「おお、ソニックバットスケルトン!」


 高速探索部隊へ入れるのも悪くなさそうだ。


 だが、陸は今まで使ってきたジャイアントバットスケルトンたちを思い浮かべる。


「あいつらはこのまま探索で使っていくか。いつか進化できるようになって、速さに向いた進化先とか出たら面白そうだし」


 ソニックバットスケルトンは、ひとまずボス戦で使う主力側に残すことにした。


 その直後、目の前に新しいウィンドウが開く。


━━━━━━━━━━━━━━

【第7階層ボス討伐完了】


討伐評価:S


第7階層をクリアしました。

報酬を生成します。

━━━━━━━━━━━━━━


「よっしゃ!」


 陸は大きく拳を握った。


 ウィンドウが消えると、部屋の中央に青白い光が集まり、報酬が現れる。陸がそれを所持アイテムへ入れると、洞窟の奥から低い音が響いた。


 岩壁の一部がゆっくり開き、その向こうに次の階層へ続く階段が現れる。


━━━━━━━━━━━━━━

第8階層が解放されました。

━━━━━━━━━━━━━━


「第8階層も開いた!」


「つぎも、バイク?」


「道次第だけど、使えるならもちろん使う」


 陸は次の階層へ続く階段を見ながら、口元を緩めた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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