第56話 レベル20到達!
細い通路へ飛び込んできた魔物を、待ち構えていた前衛たちがすぐに受け止めた。
ケイブリザードの動きが止まったところへ、後ろから骨矢とファイヤーボールが飛ぶ。ほとんど何もできないまま倒れ、その後ろから入ってきたゴブリンソルジャーも、二十体の攻撃を受けてすぐに岩場へ転がった。
「おお、はやっ!」
さらにブラックウルフが飛び込んでくる。それも前衛に止められた直後には攻撃が集中し、あっという間に岩場へ倒れた。
少しすると、また通路の奥から足音が聞こえてくる。
「もう来た!」
今度はケイブリザードが二体。その後ろからゴブリンソルジャーも続いてきたが、結果は変わらない。前衛が止め、後ろから矢と魔法が飛び、次々と処理されていく。
「めっちゃ効率いいじゃん!」
陸たちはほとんどその場から動いていない。それでも魔物の方から次々とやってくる。
何度か同じ光景を眺めたところで、陸はふと自分のレベルが気になった。
「今何レベだ?」
ステータスを開く。
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佐藤陸
Lv.19
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「もう19じゃん!」
通路の方から、また魔物の足音が近づいてくる。
「今日20いけんじゃね?」
陸は通路の向こうからやってくる魔物を見ながら笑った。
狩りを続けるなら、しばらくここにいることになる。けれど、陸自身が前へ出る必要はなさそうだった。
「だったら、ちょっとゆっくりするか」
ショップを開き、背もたれを大きく倒せる椅子と小さなテーブルを買う。ついでに飲み物と軽食も用意した。
洞窟の奥に椅子を置き、深く腰を沈める。横の小さなテーブルには飲み物と菓子を並べた。
「いいじゃん」
目の前では、また新しい魔物が細い通路へ入ってくる。前衛が受け止め、その後ろから矢と魔法が飛ぶ。陸が菓子を一つ食べている間に、戦闘はもう終わっていた。
少しすれば次が来る。そして、またすぐ倒される。
「最高だな……」
椅子の背もたれをさらに倒し、陸はのんびりと狩りを眺め続けた。
いつの間にか、目を閉じていた。
「……ん?」
遠くで何かが爆ぜる音がして、陸は目を開けた。
「やばっ!」
勢いよく身体を起こして通路を見る。
だが、前衛は変わらず入口を塞ぎ、その後ろから矢と魔法が飛んでいた。足元には新しく倒された魔物が増えている。
「普通に続いてる……」
陸はほっと息を吐き、椅子へ背中を預け直した。
それからも狩りは続いた。
ケイブリザードも、ゴブリンソルジャーも、ブラックウルフも、細い通路へ入ったところで次々と止められていく。スケルトンたちの動きはほとんど変わらない。
十分に時間が経ったところで、陸はもう一度ステータスを開いた。
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佐藤陸
Lv.20
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「来た! 20!」
陸は椅子から起き上がり、すぐにスケルトンラッシュを開いた。
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スケルトンラッシュ
ランク:SSS
倒したモンスターを
スケルトン化することができる。
【召喚上限】
現在:30体
使用者がLv.10上昇するごとに
召喚上限+10体
【進化】
一定レベルに達したスケルトンを
上位個体へ進化させることができる。
【追加能力】
スケルトンフュージョン
スケルトンストック
所有するスケルトンを
ストックへ保管することができる。
ストック中の個体は
召喚上限に含まれない。
ストックした個体は
再び召喚することができる。
ストック数に上限はない。
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「よし、30体!」
予想していた通り、召喚上限はまた十体増えている。
その下に増えた文字へ目が止まった。
「スケルトンストック……?」
陸は説明を読み、近くにいたゴブリンソルジャースケルトンを選んだ。管理画面には、今までなかった【ストックへ戻す】という項目が増えている。
「使ってみるか」
選択すると、ゴブリンソルジャースケルトンが青白い光に包まれ、そのまま姿を消した。
「おお……!」
スケルトンストックを開く。
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【スケルトンストック】
ゴブリンソルジャースケルトン ×1
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確かに中へ入っている。そのまま選択して召喚すると、青白い光が地面へ広がり、さっき消えた個体がもう一度姿を現した。
「戻せるんだ」
陸はもう一度説明へ目を戻した。
今までは召喚上限が埋まれば、新しい魔物を倒してもスケルトンにできなかった。欲しいと思っても、枠が空くまでは諦めるしかない。
けれど、ストックへ入れた個体は召喚上限に含まれない。しかも、保管できる数にも上限がない。
陸の視線が、周囲に転がっている魔物たちへ向いた。
「うわ、全部残せるじゃん!」
今までなら諦めていた個体も、倒したあとにスケルトン化して取っておける。予備が増えれば、失うことを気にして躊躇していた使い方も変わってくる。
足元には、今日の狩りで倒した魔物が何体も転がっていた。
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