第44話 共同錬金!
陸は手にしていた小瓶を作業台へ戻した。
その横では、一体のゴブリンメイジがまだ工房に残っている。
「よし。今度は共同作業やってみるか!」
陸は錬金の画面を開き、【共同作業】を選んだ。
作業者には三体のゴブリンメイジを設定する。
次に強化する装備を選ぼうとして、陸の手が止まった。
「せっかく三体でやるなら……これだろ!」
アイテム欄から取り出したのは、淡い青銀色の剣だった。
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ミスリルの剣
ランク:C
希少なミスリルで
丁寧に鍛えられた剣。
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陸は表示を見て、すぐに素材候補を開く。
魔石や魔力結晶の中に、一つだけ見覚えのある名前があった。
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高純度魔力結晶 ×1
高純度の魔力を内包した
希少な結晶。
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「これ、第5階層のボス倒した時のやつじゃん!」
宝箱に入っていた、手のひらより大きな青い結晶。普通の魔力結晶より良さそうだと思いながら、使い道が分からず残していた物だ。
「ミスリルに使うなら、これでいいだろ!」
陸は高純度魔力結晶を選び、作業を開始した。
少し離れた場所に二つの青白い光が現れる。光が消えると、残る二体のゴブリンメイジが工房に立っていた。
「おお、三体揃った!」
三体はすぐに作業台へ集まった。
一体がミスリルの剣を円形の台の中央へ置く。別の一体は高純度魔力結晶を小さな器に乗せ、細い道具で少しずつ砕き始めた。
硬い結晶に亀裂が走るたび、内側の青白い光が細く漏れる。
「普通のよりめっちゃ光るな……」
陸はすぐ近くから、その手元を見つめた。
砕かれた結晶を、三体が剣の周囲へ並べていく。位置を整え、器具を退け、最後に一体が剣の向きをわずかに直した。
準備が終わる。
三体のゴブリンメイジが、円形の台を囲むように立った。
「お……!」
同時に、三体が両手をミスリルの剣へ向ける。
作業台に刻まれた線が三方向から青白く光り始めた。
「うおっ!?」
三体から流れた光が円形の線を走り、中央へ集まっていく。剣の周囲に並べられた高純度魔力結晶も強く輝き、その光が一斉にミスリルの剣へ伸びた。
淡い青銀色だった刃が、さらに明るい光に包まれる。
陸は目を離さず、その変化を追った。
結晶から伸びる光が少しずつ細くなる一方で、剣の表面を流れる青白い輝きは濃くなっていく。
三体はそのまま両手を向け続けている。
「ほんとに三体で一個やってる……!」
やがて、剣を包んでいた光が一度大きく膨らんだ。
次の瞬間、周囲の光がすべて刃へ吸い込まれる。
作業台の線が暗くなり、三体もゆっくりと手を下ろした。
「終わったか!」
陸はすぐにミスリルの剣を確認する。
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ミスリルの剣
ランク:C
高純度の魔力を取り込み、
ミスリルの特性を引き出すことで、
強度と切れ味が高められた剣。
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陸は剣を持ち上げた。
見た目は大きく変わっていない。それでも、刃にはさっきまでより澄んだ青白い光沢が浮かんでいる。
「かっけえ……! ウォリアーにこれ持たせたら、オーガ相手でももっとやれそうじゃん!」
しばらく剣を眺めてから、陸は作業台へ戻した。
共同作業の画面はまだ開いたままだ。
陸はもう一つ、強化したかった装備を取り出す。
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鼓舞の杖
ランク:D
杖を掲げることで、
一定時間、周囲の味方の攻撃力を上昇させる。
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「こっちもやってみるか!」
今度は通常の魔力結晶を素材に選び、三体のゴブリンメイジで共同作業を始める。
杖が円形の台へ置かれ、魔力結晶が処理されていく。
準備が整うと、三体がまた作業台を囲んだ。
三方向から伸びた青白い光が中央へ集まり、杖の先端にはめ込まれた青い石を包む。
石の光が次第に強くなっていく。
「おお……!」
しばらくすると、集まっていた光が杖の中へ吸い込まれた。
陸は完成した鼓舞の杖を確認する。
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鼓舞の杖
ランク:D
杖を掲げることで、
一定時間、周囲の味方の
攻撃力と敏捷を上昇させる。
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「十八体が一気に速くなるとか、面白そう! 早く実戦で試してみたいな」
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