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第42話 次は錬金!

 陸は表示された【ランク:C】の文字をもう一度見た。


「Cランクか……!」


 作業台の上では、淡い青銀色のミスリルの剣が光を反射している。


 陸の頭に浮かんだのは、第三戦で戦ったオーガだった。何度攻撃を当てても倒れず、最後には十八体全員で挑んでも押し切れなかった相手だ。


「これであいつと戦ってるとこ見てえな」


 スケルトンウォリアーがミスリルの剣を振るう姿を想像する。


「これなら……オーガにも勝てるんじゃね?」


 そこまで考えると、陸はますます早く持たせたくなった。


 だが、まだ鍛冶は終わっていない。


「よし。残りも作るか!」


 陸は再び製作品の一覧を開いた。


 そこからは、必要な装備を順番に作らせていった。


 剣や小盾、防具。弓やメイスも含め、足りない物を選んでは四体に作らせる。完成した物を確認し、Fランクならもう一度。Eランクができれば横へ分けていく。


 工房には何度も金属音が響いた。


 しばらくすると、作業台の上にはEランクの武器や防具がまとまって並んでいた。


「よし! これで欲しかった分は揃ったな!」


 陸は並んだ装備を見回した。


 鉄の剣、小盾、防具、弓、メイス。それに、一本だけ色の違うミスリルの剣。


「早くこいつらに持たせたいな」


 すぐ近くには、鍛冶を続けていた四体がいる。


 陸はミスリルの剣を手に取り、スケルトンウォリアーへ差し出そうとした。


 その瞬間、目の前に表示が出る。


━━━━━━━━━━━━━━

【作業参加中の召喚体】


作業参加中の召喚体には、

装備変更・アイテムの受け渡しを

行えません。

━━━━━━━━━━━━━━


「お、渡せないのか」


 陸はミスリルの剣を作業台へ戻した。


「じゃあ装備させるなら、一回集まらないとな」


 三つの部隊は今も第6階層の奥で探索を続けている。陸が今から向かっても、すぐに合流できる距離ではない。


 陸はもう一度、作った装備へ目を向けた。


「……いや、待てよ。どうせ次、錬金やるじゃん。強化できるなら、そのあとでまとめて渡せばいいか!」


 装備への追加効果は、すでに【錬金】の説明で確認している。


「よし。それでいこう!」


 陸は鍛冶の画面から終了を選んだ。


━━━━━━━━━━━━━━

【鍛冶を終了しますか?】


【はい】

【いいえ】

━━━━━━━━━━━━━━


 【はい】を押す。


 すぐに四体の身体が青白い光に包まれた。


「お、戻るのか」


 光が消えると、四体の姿も工房から消えている。


 その直後、陸の足元にも青白い光が広がった。


 視界が一瞬だけ染まり、次に見えたのは自宅のリビングだった。


「戻ってきた!」


 陸はそのままメニューを開く。


「じゃあ次は錬金だな!」


 【錬金】を選ぶ。


 また足元から青白い光が広がり、景色が切り替わった。


「おお……!」


 鍛冶場とはまるで違う空間だった。


 広い室内にいくつもの作業台が並び、その上には大小さまざまな透明な瓶や細長い器具、乳鉢のような道具が置かれている。壁際の棚には空の容器が整然と並び、別の棚には素材を置けそうな浅い皿や箱が何段も収まっていた。


 作業台の中央には円形の台があり、その表面には細い線が幾重にも刻まれている。ところどころが淡い光を帯び、鍛冶場の炉や金床とはまったく違う雰囲気だった。


「うわ、めっちゃそれっぽい!」


 陸は近くの作業台へ寄り、光る線を覗き込む。


「これで錬金すんのか……」


 何に使う道具なのか分からない物も多い。それでも、瓶や結晶を置くための台を見ているだけで、鍛冶とは別のことをする場所なのは分かった。


 陸はひと通り周囲を見てから、錬金の画面を開いた。


 最初に作業者を確認する。


━━━━━━━━━━━━━━

【錬金適性】


ゴブリンメイジ

適性:高


ゴブリンメイジ

適性:高


ゴブリンメイジ

適性:高

━━━━━━━━━━━━━━


「やっぱメイジだな!」


 鍛冶では低かった三体が、今度は揃って高適性になっている。


 陸がそのまま錬金作業の詳細を開くと、見慣れない項目があった。


━━━━━━━━━━━━━━

【作業方式】


【個別作業】

一体の作業者が

一つの調合・効果付与を行います。


【共同作業】

複数の作業者が

一つの調合・効果付与へ参加できます。


参加する作業者の

ステータス・スキルと、

錬金中の作業内容によって

完成品の仕上がりが変化します。

━━━━━━━━━━━━━━


「え!?」


 陸の目が【共同作業】で止まった。


「錬金って、みんなで一個作れんの!?」


 陸は共同作業の説明を見ながら、さっき作ったミスリルの剣と、持っている鼓舞の杖を思い浮かべた。


「これ、めっちゃ面白そうじゃん!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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