第41話 ミスリルの剣!
陸は作業台に並んだ鉄の剣を見ながら、もう一度スケルトンウォリアーが作った二本へ目を向けた。
二本ともEランクだ。
「やっぱこいつ、鍛冶かなりうまいんじゃね?」
鉄の剣だけではまだ分からない。陸は製作品の一覧を開き、今度は別の装備へ指を滑らせた。
「せっかくだし、他のも作ってみるか!」
小盾や防具、メイス。それに弓も選ぶ。鉄鉱石だけでは足りない物もあり、木材や革など、手持ちにない素材はショップから必要な分だけポイントで買った。
四体はそのまま工房に残っている。
陸が作る物と素材を選ぶたび、それぞれ別の作業台でまた鍛冶が始まった。
炉に火が入り、金床から何度も金属音が響く。
剣とは形の違う鉄板が叩かれて小盾になり、別の作業台では防具の部品が少しずつ形を整えていく。弓やメイスも混ざり、完成した装備が作業台の上へ増えていった。
陸は全部の工程を追わず、できあがるたびにランクを確認していく。
ゴブリンソルジャーやコボルトウォリアーが作った物には、FランクもEランクもあった。
だが、スケルトンウォリアーが作った装備にはEランクが続いている。
「またEじゃん!」
次に作らせた小盾もEランク。そのあとに完成したメイスにもEの表示が出た。
陸は並んだ装備とスケルトンウォリアーを見比べる。
「よし。やっぱお前だな!」
頭に浮かんだのは、ずっと保管していた一つの素材だった。
陸がアイテム欄から取り出す。
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ミスリルインゴット ×1
希少な金属ミスリルを
精錬した素材。
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銀に近く、鉄よりも白い。表面には、手に入れた時と変わらない淡い青みのある光沢が浮かんでいる。
「ついにこれ使うか!」
陸は製作品から剣を選び、素材にミスリルインゴットを設定した。作業者は迷わずスケルトンウォリアー。
「これでお前の剣作ろうぜ!」
作業開始を押す。
スケルトンウォリアーはミスリルインゴットを火ばさみで掴み、炉の中へ入れた。
陸もすぐ近くまで寄る。
「どうなるんだ……?」
炉の中で熱せられても、ミスリルは鉄のような赤一色にはならなかった。
銀白色の表面が明るさを増し、その中に青白い光がにじむ。揺れる炎の中で、インゴットそのものが淡く光って見えた。
「何だこれ……光ってる」
陸は炉の中から目を離さない。
「めっちゃ綺麗じゃん……」
十分に熱したところで、スケルトンウォリアーがミスリルを取り出した。
青白い輝きを帯びたままのインゴットが金床へ置かれる。
ウォリアーがハンマーを振り上げた。
ガンッ!
高い金属音が工房へ響く。
もう一度。
ガンッ! ガンッ!
叩かれるたび、四角かったミスリルが少しずつ平たくなっていく。
陸は金床の上へ目を凝らした。
ウォリアーは向きを変え、さらにハンマーを落とす。
銀白色の塊が伸びていく。短かった形が少しずつ長くなり、先端が細く整えられていった。
「うわ、剣っぽくなってきた!」
さっきまでただのインゴットだった物が、目の前でどんどん形を変えている。
陸は金床の横から動かず、ハンマーが落ちるたびに変わっていくミスリルを追った。
刃になる部分が伸び、輪郭が整っていく。
何度も炉へ戻され、そのたびに銀白色の表面へ青白い光が浮かぶ。再び金床へ置かれると、ウォリアーは迷いなく叩き続けた。
ガンッ! ガンッ!
少しずつ刃が細くなり、まっすぐな剣の形へ近づいていく。
形が整うほど、表面の光沢もはっきりしていった。
やがてハンマーの音が止まる。
スケルトンウォリアーが作業台へ置いたのは、淡い青銀色の輝きを帯びた一本の剣だった。
陸はすぐに近づく。
「かっけえ……! これ、ウォリアーに持たせたら絶対似合うだろ!」
そのまま完成した剣を確認する。
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ミスリルの剣
ランク:C
希少なミスリルで
丁寧に鍛えられた剣。
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「は!? Cランク!?」
陸は表示へ顔を近づけた。
「うおおお! 初めてCランク来た!」
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