第4話 ショップシステムが面白すぎる!
ゴブリンスケルトンをしばらく眺めたあと、陸はさっき出てきたウィンドウを開いた。
━━━━━━━━━━━━━━
薬草 ×1
100P
━━━━━━━━━━━━━━
「そういえば、これちゃんと見てなかったな!」
まず薬草の文字に指を重ねる。
ゲームをやっていれば、名前からしてだいたい想像はつく。たぶん回復系だ。
すぐ横に小さなウィンドウが開いた。
━━━━━━━━━━━━━━
薬草
傷を少し治すことができる。
━━━━━━━━━━━━━━
「やっぱ回復系か! ……いや、説明短っ!」
思わず笑う。
薬草はまあ分かった。
視線がそのまま、下の100Pへ落ちる。
「で、100Pって何なんだ?」
こっちは名前を見ても全然分からない。
ウィンドウの端から端まで目を走らせると、今までちゃんと見ていなかった項目が目に入った。
【ショップ】
「ショップ!?」
迷わず指を重ねる。
次の瞬間だった。
今まで目の前に浮かんでいた小さなウィンドウが、バーンと左右へ広がる。
「うわ、デカッ!」
視界の大半を埋めるくらいの画面。その中に検索欄、カテゴリー、商品画像、値段がずらっと並んでいた。
━━━━━━━━━━━━━━
【SHOP】
食品 飲料 日用品 衣類
家具 家電 武器 防具
アイテム 素材 スキル
住宅 サービス その他
━━━━━━━━━━━━━━
指を滑らせるたび、まだまだ項目が出てくる。
「いや、何でもあるじゃん! 最強版Amazonかよ!」
とりあえず食品を開く。
水。おにぎり。パン。カップ麺。冷凍食品。肉。魚。菓子。調味料。
見慣れた商品が、普通に並んでいる。
━━━━━━━━━━━━━━
天然水 500ml 100P
おにぎり 鮭 150P
カップ麺 200P
━━━━━━━━━━━━━━
「これ、ほぼ一ポイント一円くらいか?」
さっき倒したゴブリン一体で100P。
もう一度、水の値段を見る。
「ゴブリン一匹で水一本かよ!」
急に現実的になった。
それでも指は止まらない。
商品一覧をどんどん送っていると、普通の食べ物に混じって明らかに値段の違うものが出てくる。
━━━━━━━━━━━━━━
松阪牛 A5ランク 500g 25,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「松阪牛まであんの!?」
すぐ商品を開く。
写真まで付いていた。綺麗にサシの入った肉が、どう見ても普通に美味そうだ。
「いや待て。今、世界中の人間が家から出られないんだよな? これ誰が作ってんだよ!」
当然、返事はない。
陸は笑いながら食品を閉じ、そのまま次のカテゴリーを開く。
家電。
冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、掃除機。見覚えのあるものが次々に流れていく。
その中で、陸の指がぴたりと止まった。
━━━━━━━━━━━━━━
ドラム式洗濯乾燥機
348,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「うわ、これめっちゃ欲しかったやつ!」
思わず身を乗り出す。
洗濯して、そのまま乾燥まで終わる。
今までは高くて買う気になれなかったけど、ポイントで買えると思うと急に現実味が出てきた。
「三十四万八千か……ゴブリン三千四百八十匹」
自分で計算して、少し黙る。
「いや、多いな!」
それでも、買えないとは思わなかった。
次に住宅を開く。
部屋の拡張。収納追加。キッチン拡張。浴室拡張。
「いや、家そのものいじれるのかよ!」
さらに下へ送る。
そこでまた手が止まった。
━━━━━━━━━━━━━━
ホームシアター追加
5,000,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「家に映画館作れんの!?」
画像には、大きなスクリーンと何列も並んだ座席が映っている。
「いやこれ欲しいだろ!」
もう完全に商品を見る手が止まらない。
今度はスキルを開く。
ファイヤーボール。
ソードブースト。
ヒール。
サーチ。
第二話で見たような名前まで普通に並んでいた。
試しにファイヤーボールを開く。
━━━━━━━━━━━━━━
ファイヤーボール
ランク:F
火の玉を放つことができる。
価格:10,000,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「Fランクで一千万!?」
思わず画面へ顔を近づける。
「高っ! スキルってそんなすんのかよ!」
でも、売っている。
つまりポイントさえあれば、後からスキルを増やすこともできる。
そう思った瞬間、また一気にショップの見え方が変わった。
陸は検索欄へ指を伸ばす。
「これ、どこまであるんだ?」
食べ物もある。
家電もある。
家も広げられる。
スキルまで売っている。
「宇宙旅行とかまであったりして!」
半分冗談で検索する。
数秒も経たずに、一件の商品が出てきた。
━━━━━━━━━━━━━━
宇宙旅行
1,000,000,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「あるのかよ!」
思わず吹き出す。
十億ポイント。
「いや、その前に家から出たいんだけど!」
笑いながら、そのまま「外出」と検索する。
今度もすぐに結果が出た。
━━━━━━━━━━━━━━
外出券
10,000,000,000P
━━━━━━━━━━━━━━
「百億!?」
桁を数え直す。
何度見ても百億だった。
「カイジでもこんなことせんわ!」
ゴブリン一体で100P。
今の陸からすれば、百億なんて笑うしかない。
でも、画面を閉じようとして手が止まった。
食品もある。
服もある。
家具も家電もある。
スキルも買える。
家まで広げられる。
宇宙旅行まで売っている。
「……これ、ポイントさえ稼げたら、めちゃくちゃ贅沢な生活できるんじゃね?」
もう一度、所持ポイントを見る。
100P。
「いや、全然足りねえ!」
さっきまで百億を見ていたせいで、100Pが余計に少なく見える。
陸はショップを閉じると、少し離れたところに立っている二体のスケルトンへ目を向けた。
大きなスケルトン。
その隣に、ちんまりしたゴブリンスケルトン。
「よし。とりあえずポイント稼ぐか!」
口元を緩めて、ダンジョンの奥へ続く通路を見る。
「次、もっと倒しに行こうぜ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!




