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第35話 Dランクオーガ!


 第二戦を終えたフィールドに、新しいウィンドウが浮かんだ。


━━━━━━━━━━━━━━

第三戦へ挑戦しますか?


【はい】

【いいえ】

━━━━━━━━━━━━━━


「もちろん!」


 陸はそのまま【はい】を押した。


 十八体のスケルトンが周囲に残る中、フィールドの反対側へ青白い光が集まり始める。


 今度は、一つだけだった。


「一体か……」


 陸は消えかけた光の奥へ目を凝らす。


「こういうの絶対強いやつだろ」


 現れたのは、陸より頭二つ分以上は大きい人型のモンスターだった。太い腕と脚に分厚い胴体。右手には、自分の腕ほどもありそうな太い棍棒を握っている。


 灰色がかった肌の上を筋肉が盛り上がっていた。


「うわ、でっか……!」


 陸はすぐ鑑定を使った。


━━━━━━━━━━━━━━

オーガ

ランク:D

Lv.25


HP  265

MP   72

筋力 105

耐久  94

敏捷  62

賢さ  48


【スキル】

ヘヴィスマッシュ

アイアンガード

━━━━━━━━━━━━━━


「Dランク!? マジか!」


 並んだ数字へ目を走らせた陸の視線が、一か所で止まる。


「筋力105!? 100超えてんじゃん!」


 敏捷も62ある。大きな身体を見て、鈍そうだと思える数字ではない。


「しかもスキル二つか……」


 オーガが棍棒を持ち上げた。


「来る! 前衛!」


 スケルトンウォリアーと三体のゴブリンソルジャー、コボルト系二体が正面へ出る。


 オーガが一歩踏み込んだ。


 速い。


「うおっ!?」


 棍棒が横から振り抜かれる。


 ガンッ!!


 コボルトスケルトンが小盾で受けた瞬間、その身体が横へ弾かれた。隣のゴブリンソルジャースケルトンも棍棒の端に巻き込まれ、二体まとめて石床を転がる。


「一発重っ!」


 だが、その振り抜いた直後へスケルトンウォリアーが踏み込む。


 鉄剣が青白い光をまとった。


 パワースラッシュ。


 振り下ろされた剣がオーガの肩へ叩き込まれる。


 ザンッ!


 刃が食い込み、オーガの身体がわずかに傾いた。


「入った! そのまま!」


 三体のアーチャーが弓を引く。


「ピアシングショット!」


 矢じりを白い光が包み、三本の骨矢が一気に加速した。


 一本が胸へ。二本が脇腹と太腿へ突き刺さる。


 ほぼ同時に、三体のメイジが杖を構えた。


 ファイヤーボールが正面から炸裂し、アイスショットが脚へ突き刺さる。さらにウィンドカッターが横から走り、オーガの腕を切りつけた。


 ドォンッ!


 炎の中で巨体が揺れる。


「いいね! 効いてる!」


 そこへ二体のブラックウルフスケルトンが左右から駆け込んだ。


 青白い光が二体を包む。


 ラッシュファング。


 二つの骨の身体が一気に加速し、オーガの左右へ同時にぶつかった。


 ドンッ! ドンッ!


 大きな身体が一歩、二歩と後ろへ下がる。


「押してる! そのまま行け!」


 ホーンラビット系も足元へ飛び込み、ケイブリザードスケルトンが反対側から噛みつく。正面では起き上がった前衛がもう一度距離を詰めた。


 オーガの棍棒が振られる。


 一体が弾かれれば別の一体が入る。正面を前衛が塞ぎ、その隙へ矢と魔法が飛び込んでいく。


 それでもオーガは倒れない。


「硬っ……!」


 ゴブリンソルジャースケルトンの剣が脇腹を斬る。


 オーガが振り向いたところへ、ブラックウルフスケルトンが背後から飛びかかった。


「今だ! メイジ!」


 火球が直撃する。


 ドォンッ!


 オーガの身体が炎に包まれた。


「結構入ってるだろ!」


 陸はすぐオーガへ鑑定を使う。


━━━━━━━━━━━━━━

オーガ

HP 221/265

━━━━━━━━━━━━━━


「え、まだ221!?」


 陸は思わず表示とオーガを見比べた。


「こんだけやって、まだそんだけしか減ってないのかよ!」


 オーガが炎の中から踏み出してくる。


 棍棒が振り下ろされ、今度はスケルトンウォリアーが鉄剣で受けた。


 ガキィンッ!


 腕ごと押し込まれ、骨の足が石床を滑る。


「くっそ、強えな!」


 陸はすぐ所持品を開いた。


「じゃあ、これも使う!」


 手の中へ一本の杖が現れる。


 先端に小さな青い石がはめ込まれた、Dランクの鼓舞の杖。


 陸は高く掲げた。

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