第29話 家をアップグレード!
「……暇だな」
陸はベッドに仰向けで寝転がり、何度目か分からないため息をついた。
第6階層では、十八体のスケルトンを三つの部隊に分けてボス部屋を探させている。今戻ったところで、陸が自分でやることはほとんどない。
「スケルトンたちがボス部屋探してる間、マジで何すりゃいいんだろ」
スマホを手に取って少し眺めるが、すぐに置いた。そのまましばらく天井を見ていた陸が、ふと思い出す。
「あ、そういやポイントめっちゃ溜まってたよな!」
さっきまで寝転がっていた身体を起こし、すぐに所持ポイントを開いた。
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所持ポイント
13,480,000P
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「一千万超えてるじゃん!」
表示された数字を見たまま、陸の指がすぐショップへ伸びる。
「これ、前に高すぎて諦めたやつも買えるんじゃないか!?」
そのままショップを開き、すぐ住宅カテゴリーへ指を伸ばす。前に浴室を変えた時のことを思い出すと、他の項目も急に気になってきた。
「風呂変えただけであれだけ良かったんだよな。……他もやったらどうなるんだ!?」
住宅カテゴリーを開く。
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【住宅】
部屋拡張
収納追加
キッチン拡張
ベランダ拡張
ゲームルーム追加
ホームシアター追加
寝室追加
洗面所アップグレード
トイレアップグレード
トレーニングルーム追加
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「うわ、今なら結構いけそうだな!」
陸は気になったものから次々に開いていった。広いリビングに、今より大きなキッチン。独立した寝室。壁一面に大きなテレビが置かれたホームシアターや、器具の揃ったトレーニングルームまである。
「リビング欲しいな! キッチンも広くしたいし、寝室別なのもめっちゃいい!」
ひとつ見終わると、すぐ次を開く。リビングの画像へ戻ったかと思えば、今度は寝室、その次はホームシアターと、気になる項目を行ったり来たりする。
「ホームシアターも欲しいし……トレーニングルームまであるじゃん! これ全部あったら最高だろ!」
ホームシアターの価格を開いたところで、さすがに指が止まった。
「ホームシアターだけで500万Pか……さすがに一個ずつ買ってたら足りないな」
陸は一覧へ戻る。まだ他に何かないかと下まで送っていくと、一番下に見慣れない項目があった。
「ん?」
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【住宅一括アップグレード】
現在の居住空間を
上位住宅仕様へ一括変更します。
・居住空間拡張
・リビング追加
・寝室追加
・キッチンアップグレード
・洗面所アップグレード
・トイレアップグレード
・収納拡張
・ベランダ拡張
・ゲームルーム追加
・ホームシアター追加
・トレーニングルーム追加
・家具/主要家電一式
※購入済みの設備・家電は
そのまま引き継がれます。
個別購入時合計
15,800,000P
一括価格
10,000,000P
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「え、これめっちゃいいじゃん!」
陸は個別購入時の合計を見てから、その下の一括価格へ目を移す。数字の差を確かめると、すぐ購入画面を開いた。
「580万Pも安くなってる! これならリビングも寝室もホームシアターも全部いけるじゃん!」
購入ボタンへ指を伸ばしたところで、購入後の所持ポイントが表示された。
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購入後の所持ポイント
3,480,000P
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「……1000万Pか。でかいな」
陸は今いる部屋を見回した。ベッド。机。テレビ。少し離れたところにキッチン。今までずっと暮らしてきた、一人暮らし用の部屋だ。
それから、もう一度アップグレード内容へ目を戻す。
「でもこれ全部付くんだよな。リビングも寝室もゲームルームも……いや、欲しいわ!」
リビング、寝室、ゲームルーム。陸はさっき見ていた項目をもう一度上から開いていく。
「どうせまたポイント増えるし、こんだけ欲しいなら買った方がいいだろ!」
陸は購入ボタンへ指を置いた。
「もう全部やっちゃうか!」
押す。
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住宅一括アップグレード
10,000,000P
購入しました。
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直後、足元に青白い光が広がった。
「おっ!」
床を走った光が壁へ伸び、そのまま天井まで一気に広がっていく。ブゥン――と低い音が部屋全体に響いた。
「うわ、何これ!」
陸はベッドから飛び降りた。
目の前にあった壁が青白い光に包まれ、その向こうへゆっくり遠ざかっていく。床も一緒に伸びていき、さっきまで数歩で届いた場所にどんどん距離ができていく。
「広がってる!?」
さらに別の壁にも光が走った。何もなかった場所に新しい扉が現れ、その横から廊下が奥へ伸びていく。キッチンのあった場所も光に包まれ、壁や設備の形が次々と変わっていった。
ベッドや机まで青白い光に包まれ、形を変えていく。
「ちょ、家具まで変わるのか!」
陸が辺りを見回している間にも、部屋はどんどん作り替えられていった。やがて最後に残っていた青白い光も薄れていく。
さっきまでベッドと机とテレビが同じ空間に収まっていたはずなのに、目の前には広いリビングがある。その奥には廊下が続き、左右には今までなかった扉がいくつも並んでいた。
「……広っ! 何これ、マジで別の家じゃん!」




