第28話 第6階層は別世界!?
「うおっと!」
靴底が丸い岩の上で滑り、陸は慌てて隣の岩へ手をついた。
「危なっ。石の通路って歩きやすかったんだな……」
青白く光る鉱石が点々と埋まった洞窟を、十七体のスケルトンと一緒に進んでいく。足元は岩だらけで、少し先へ進むだけでも何度も足を置く場所を選ばされた。
しばらく進んだところで、先頭のスケルトンウォリアーが止まる。
「ん?」
前方の岩陰から、四つの影が這い出してきた。
「おっ、モンスター!」
暗い緑色の鱗。地面を這うような低い身体。太い尻尾を引きずる大型のトカゲが、牙を見せながらこちらへ向きを変える。
陸はすぐ一体へ鑑定を使った。
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ケイブリザード
ランク:E
Lv.11
HP 74
MP 6
筋力 36
耐久 42
敏捷 22
賢さ 5
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「Eランク! ほんとに普通の敵もランク上がってる!」
次の瞬間、ケイブリザードが岩場を蹴った。
「前衛、止めて! アーチャーはピアシングショット! メイジもスキル!」
スケルトンたちが一斉に動く。
三体のアーチャーが放った骨矢は、矢じりの周囲に白い光をまとった瞬間、一気に加速した。そのうち一本が先頭のケイブリザードの胴へ深く突き刺さる。
ほぼ同時に、別の一体へファイヤーボールが直撃した。
ドォンッ!
炎と煙が岩場に広がる。
その中から、黒く焦げたケイブリザードが飛び出してきた。
「マジか! ファイヤーボール直撃してんのにまだ突っ込んでくるのか!」
コボルトスケルトンが小盾を構える。
ガンッ!
ケイブリザードの頭が盾へぶつかり、コボルトスケルトンの足が岩の上を滑った。横からゴブリンソルジャースケルトンが剣を叩き込み、さらにウォリアーが踏み込む。
それでも一撃では崩れない。
別のケイブリザードにも矢と魔法が当たり、岩場のあちこちで前衛とのぶつかり合いが続く。
「第6階層に入った途端、敵のレベル上がりすぎだろ!」
十七体で囲めば押し切れる。前衛が動きを止め、その後ろから矢と魔法を重ねていく。
やがて一体が倒れ、少し遅れて二体目も崩れた。残った二体も前衛に囲まれ、最後はスケルトンウォリアーの剣を受けて動かなくなる。
四体とも、もう動かない。
「よし!」
陸は倒れたケイブリザードを見回し、そのうち一体へ駆け寄った。
「一体は仲間にしよ! この硬さなら絶対役に立つ!」
手を向ける。
「スケルトンラッシュ!」
青白い光が大きな身体を包む。暗い緑色の鱗が光の中へ消え、長い背骨と太い尻尾を持つ骨格が組み上がっていく。
「おお! 尻尾なっが!」
ケイブリザードスケルトンが低い姿勢で陸の前に立った。
「これでスケルトン十八体目だな!」
新しく加わった一体を眺めてから、陸は洞窟の奥へ向き直る。
「よし、行こう!」
探索を再開してしばらく進むと、岩の向こうから硬いものが擦れる音がした。
「ん?」
前方に、人型の影が見える。
緑色の肌。太い腕と脚。手には幅広の鉄剣。
陸の足が止まった。
「……あれ? ゴブリンソルジャー?」
鑑定結果が浮かぶ。
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ゴブリンソルジャー
ランク:E
Lv.10
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「やっぱそうだ! 第1階層のボスがここじゃ普通に出てくんのか!」
岩陰から、もう一体が続いて姿を現した。
二体が同時に剣を構える。
陸はすぐ腕を上げた。
「ブラックウルフ、ラッシュファング! ケイブリザードも行け!」
ブラックウルフスケルトンの全身を青白い光が包む。
次の瞬間、黒い骨格が岩場を一気に駆け抜けた。
ゴブリンソルジャーが剣を振るより早く正面からぶつかり、その身体を大きくよろめかせる。
反対側では、ケイブリザードスケルトンが低い姿勢のまま走り込んだ。幅広の剣が振り下ろされるが、身体をひねりながらそのまま押し込み、ゴブリンソルジャーを岩壁際まで下がらせる。
「押してる! そのまま行け!」
そこへ既存の前衛も加わった。
矢と魔法が飛び、二体のゴブリンソルジャーはほとんど何もできないまま追い込まれていく。
少しして、二体とも岩場へ倒れた。
「第1階層じゃあんなに強そうに見えたのにな」
戦闘は、それで終わった。
「よし。十八体いるし、また三つに分けるか。そっちの方がボス部屋探すのも早いだろ」
前に組んでいた三つの部隊へ分け直し、二体のブラックウルフスケルトンとケイブリザードスケルトンを一体ずつ加える。
「敵を倒しながらボス部屋を探してくれ。危なそうだったら無理せず戻ってこい!」
三つの部隊は、それぞれボス部屋を探しに洞窟の奥へ向かっていった。
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