第27話 第6階層へ!
煙の向こうから、もう足音は聞こえなかった。少しずつ粉塵が薄れていく。
「……お?」
最初に見えたのは、石床へ横倒しになった黒い身体だった。その少し離れた場所にも、もう一体。二体のブラックウルフは、どちらも動かない。
「うおお! 二体とも倒してる!」
陸はすぐ後ろの巨大なスケルトンを振り返った。
「フュージョン強っ! あんなに攻撃当たらなかったのに、一発で二体ともやったのかよ。これ、強いボス相手でもかなり使えそうだな!」
陸が巨大な骨弓へ目を向けていると、その身体を青白い光が包み始めた。
「ん?」
光が全身へ広がり、巨大な骨格の輪郭がぼやけていく。次の瞬間、まとまっていた光が六つに分かれた。
青白い光が消えると、そこには三体のゴブリンアーチャースケルトンと、三体のゴブリンメイジスケルトンが立っていた。
「おお、戻った!」
陸は六体を順番に見る。見たところ、どこか壊れている様子もない。
「ちゃんと元に戻った! よかった」
そこで、陸の視線が床のブラックウルフ二体へ移った。
「……そうだ。こいつらも仲間にできるじゃん!」
今の召喚数は十五体。
上限は二十体まで増えている。
「しかも二体ともEランクだし、これは絶対欲しい!」
陸はすぐ一体へ手を向けた。
「スケルトンラッシュ!」
青白い光がブラックウルフを包む。
黒い毛並みが光の中へ消え、四本の脚を持つ大きな骨格が姿を現していく。
やがて光が消えた。
「おお! でかいな!」
普通のウルフスケルトンよりひと回り大きい。
続けてもう一体もスケルトン化する。
「よし! これで十七体!」
二体のブラックウルフスケルトンが並ぶ。
「こいつら速いし、スキルもあるし、かなり使えそうだな!」
その時、陸の前にウィンドウが開いた。
━━━━━━━━━━━━━━
【第5階層ボス討伐完了】
討伐評価:C
第5階層をクリアしました。
報酬を生成します。
━━━━━━━━━━━━━━
「Cか!」
陸は表示を見ながら、さっきまでの戦闘を思い返す。
「まあ、今回は結構手こずったもんな」
それでも、初めて使ったフュージョンで勝ち切れた。
「よし! 第5階層クリア!」
部屋の奥へ青白い光が集まり、やがて一つの宝箱へ形を変えた。
「報酬は何だ?」
陸はすぐ宝箱へ近づき、蓋を開ける。
中にあったのは、大きな青い結晶だった。
「おお……綺麗だな」
手のひらより少し大きく、透き通った結晶の内側で青白い光がゆっくり揺れている。
「これ、前に拾った魔力結晶よりでかくないか?」
陸が手を伸ばして触れる。
━━━━━━━━━━━━━━
高純度魔力結晶 ×1
高純度の魔力を内包した
希少な結晶。
━━━━━━━━━━━━━━
「高純度!」
陸は結晶を持ち上げ、光に透かすように眺めた。
「普通の魔力結晶よりいいやつってことか。何に使えるんだろ」
もう一度結晶を眺めてから、所持アイテムへ収める。その直後。
ボス部屋の奥から、低い音が響いた。
石壁の一部がゆっくり開き、その向こうに下へ続く階段が現れる。
━━━━━━━━━━━━━━
第6階層が解放されました。
━━━━━━━━━━━━━━
「来た! 第6階層!」
陸はすぐ階段へ向かう。
「ここまで敵のレベルもどんどん上がってるし、そろそろ普通の敵でもEランクが出てきたりするのかな。階層の見た目も変わったりして」
十七体のスケルトンを連れ、そのまま階段を下りていく。
やがて、一番下までたどり着いた。
「……おお」
陸の足が止まる。
そこにあったのは、これまでのような石造りの通路ではなかった。
ごつごつした岩肌が続く、天井の高い自然の洞窟。
壁や天井のあちこちには青白く光る鉱石が埋まっていて、その淡い光が広い洞窟の中を照らしている。
道も平らではない。緩やかな坂や岩の段差があり、奥へ行くほど高低差が大きくなっていた。
「うわ、雰囲気全然違うな!」
陸は光る岩壁から、奥へ続く洞窟へ視線を移す。
「よし。第6階層、行ってみようぜ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます!
面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!




