第26話 スケルトンフュージョン!
しばらく待つと、別の通路から骨の足音が重なって聞こえてきた。
「お、戻ってきた!」
残りの二部隊が次々と姿を見せる。十五体が揃ったところで、陸はボス部屋を見つけた部隊へ声をかけた。
「よし、案内頼む!」
先頭の五体について第5階層を進み、やがて大きな両開きの扉の前までたどり着く。陸が近づくと、目の前にウィンドウが開いた。
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【第5階層 ボスエリア】
ブラックウルフ ×2
ウルフ ×20
入場しますか?
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「二十二体!? 多っ!」
今までのボス戦で、これだけの数が表示されたことはない。
「ブラックウルフが二体……こいつらがボスなんだろうな」
少しだけ画面を見つめてから、陸は十五体へ目を向けた。
「まあ、こっちも増えたしな。行ってみようぜ!」
入場を選ぶ。
重い扉が開いた先には、広い石造りの空間が広がっていた。
低く唸るウルフの群れが、部屋いっぱいに散らばっている。その奥には、ひと回り大きな二体の黒いウルフ。普通のウルフより身体が大きく、黒い毛並みの間から鋭い牙が覗いていた。
「うわ……実際見ると多いな」
二十二体の視線が一斉にこちらへ向く。
陸は群れの奥にいる二体へ目を向けた。
「黒いやつ、でかいな。こいつらがボスか」
そのまま一体へ鑑定を使う。
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ブラックウルフ
ランク:E
Lv.18
HP 82
MP 24
筋力 44
耐久 35
敏捷 58
賢さ 20
【スキル】
ラッシュファング
一気に加速し、
勢いを乗せた噛みつきを放つ。
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「ステータス高っ! 敏捷58って……しかもこいつら、スキルまで使えんのかよ!」
二体のブラックウルフが同時に身を低くする。
「来るぞ! 全員、行け!」
十五体のスケルトンが一斉に動いた。
正面から飛びかかってきたウルフをコボルトスケルトンが小盾で受け止め、その横からゴブリンソルジャースケルトンが斬りつける。別の場所ではホーンラビットスケルトンとウルフスケルトンが走り回る敵へ食らいつき、後ろから矢と魔法が次々に飛んだ。
だが、二十二体の群れは簡単には崩れない。
その中を、二つの黒い影が一気に駆け抜けた。
片方のブラックウルフの全身を、青白い光が一気に包んだ。
次の瞬間、石床を蹴った黒い身体が急激に加速する。
ドンッ!
「うわっ!」
正面にいたゴブリンソルジャースケルトンが弾き飛ばされ、石床を転がった。
「今のラッシュファングか!」
もう一体の全身にも青白い光が走る。逆側から一気に飛び込み、前衛の隙間を抜けていく。アーチャーが矢を放つが、黒い身体は着弾するより早く横へ跳んだ。
それでも数ではこちらも負けていない。
盾で受け、剣で斬り、矢と魔法で数を減らしていく。乱戦の中で普通のウルフが一体、また一体と倒れ、やがて最後の一体がウォリアーの剣を受けて動かなくなった。
「よし! 残り二体!」
だが、そこからが長かった。
三本の矢が飛ぶ。
ブラックウルフは左右へ散り、一発も当たらない。ファイヤーボールが床で炸裂しても、着弾する頃にはもうそこにいない。前衛が挟もうとすれば、その間をすり抜けて反対側へ回る。
「くっそ、こいつら厄介だな……!」
二体を追うスケルトンたちを見ながら、陸の頭に一つの文字が浮かんだ。
「……そうだ。フュージョン!」
陸は後ろにいる六体を見る。
三体のゴブリンアーチャースケルトン。
三体のゴブリンメイジスケルトン。
「こいつら六体でやってみよう!」
六体へ意識を向ける。
「スケルトンフュージョン!」
次の瞬間、六体の足元に青白い光が広がった。
骨の輪郭がほどけるように光へ変わり、一か所へ吸い寄せられていく。弓も杖もその中へ消え、重なった光が陸の頭より高く膨らんだ。
「おお……!」
光が消える。
そこに立っていたのは、陸が見上げるほど大きなスケルトンだった。太い骨格の手には巨大な白骨の弓。肩や背中からは、メイジの杖を思わせる枝状の骨が伸びている。
「でっか……! 鑑定!」
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???
ランク:D
Lv.20
HP 128
MP 104
筋力 68
耐久 54
敏捷 66
賢さ 82
【スキル】
マジックアロー
大量の魔力を矢として形成し、
着弾時に炸裂させる。
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「Dランク!? ステータス高っ! 筋力も敏捷も60超えてるし、MP104って何だよ!」
ブラックウルフが再び走り出す。
陸は巨大な融合個体へ腕を伸ばした。
「よし! マジックアロー!」
巨大な骨弓が持ち上がる。
弦が引かれると、何もなかった空間へ光が集まり始めた。赤い火、白い冷気、渦を巻く風。それらが混ざり合い、一本の大きな魔力の矢へ形を変えていく。
「うお……! 何それ、かっけえ!」
ブラックウルフ二体が別方向へ跳ぶ。
融合個体が矢を放った。
バシュンッ!!
魔力の矢が一直線に駆け抜ける。
次の瞬間。
ドォンッ!!!
「うおっ!?」
凄まじい衝撃が部屋全体を揺らした。
陸は咄嗟に腕で顔を覆う。爆風に押され、足が二歩、三歩と後ろへずれた。
前方には一気に煙と粉塵が広がり、ブラックウルフの姿が見えなくなる。
「……やったか?」
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