第24話 新スキルVS第2階層のボス!
ボス部屋を見つけた部隊に案内され、陸は十体のスケルトンと第2階層を進んでいく。
先頭のスケルトンたちは迷う様子もなく、何度も曲がり角を抜けて先へ進んでいく。長い石造りの通路を進み、いくつもの分かれ道を越えても、まだ足を止めない。
「結構奥まで来たな」
さらにしばらく歩いたところで、ようやく通路の先が行き止まりになった。
「おお、あった! 第2階層のボス部屋!」
石壁にはめ込まれた大きな両開きの扉。表面には、第1階層で見たものとよく似た模様が刻まれている。
陸が扉の前まで近づくと、ウィンドウが浮かんだ。
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【第2階層 ボスエリア】
ビッグスライム ×1
入場しますか?
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「ビッグスライム! やっぱスライムのボスなんだ!」
陸はすぐ後ろを振り返る。
前衛にはスケルトンウォリアーと三体のゴブリンソルジャースケルトン。後ろには骨の弓を持つ三体のゴブリンアーチャースケルトンと、骨の杖を持つ三体のゴブリンメイジスケルトンが並んでいる。
「ちょうどいいな。新しいスキル、全部試せるじゃん!」
迷わず入場を選ぶ。
ゴゴゴゴゴ……。
重い音を響かせながら扉が開いていく。
「よし、行こうぜ!」
扉の向こうは、第1階層のボス部屋と同じように広い石造りの空間だった。
その中央に、巨大な青い塊がいる。
「でっか!」
普通のスライムなら陸の膝より低い程度だった。だが目の前のスライムは、陸の胸あたりまで高さがある。横にも大きく広がり、半透明の身体が重そうに波打っていた。
ぷるん、と大きな身体が揺れる。
「これがビッグスライムか。鑑定!」
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ビッグスライム
ランク:E
Lv.15
HP 168
MP 18
筋力 33
耐久 58
敏捷 11
賢さ 8
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「HP168!? 耐久も58あるのか。さすがにボスだけあって硬そうだな!」
普通のスライムとは、ステータスがまるで違う。
ビッグスライムが身体を大きく縮める。
「よし! それならちょうどいい。最初から新しいの全部ぶつけてみようぜ!」
戦闘が始まる。
陸が腕を振る。
「メイジ、魔法! アーチャーはピアシングショット!」
三体のゴブリンメイジスケルトンが一斉に杖を構えた。
一体目の杖先に赤い火が集まり、瞬く間に大きな火球へ膨らむ。
ゴウッ!
ファイヤーボールが熱気を引きながら飛び出した。
「うおっ、思ったよりでかい!」
その横では白い冷気が渦を巻き、中心に生まれた氷が細く尖った氷塊へ変わる。シュバッ、とアイスショットが白い軌跡を残して一直線に飛んだ。
さらに三体目の杖の前では空気がぐにゃりと歪み、次の瞬間、薄い三日月形の風の刃がヒュンッと走った。
その横で、三体のゴブリンアーチャースケルトンも同時に弓を引いていた。
「来るぞ、ピアシングショット!」
三本の骨矢が放たれる。
バシュッ!
放たれた瞬間、矢じりの周囲に白い光が細長くまとわりつき、三本の矢が一気に加速する。ほとんど一直線の光みたいになって、ビッグスライムへ突き進んだ。
火球、氷塊、風の刃。そして白い尾を引く三本の骨矢。
六つの攻撃が、ほとんど同時にビッグスライムへ届く。
ドォンッ!!
火球が炸裂する。
巨体の表面が大きく弾け、直後にアイスショットが突き刺さった。着弾した場所から一気に氷が広がり、青い身体の一部が白く凍りつく。
そこへウィンドカッターが横から走った。
ザシュッ!
凍った部分ごと、身体が大きく切り裂かれる。
さらに。
バシュッ! バシュッ! バシュッ!
三本のピアシングショットが続けざまに突き刺さった。光をまとった矢は表面で止まらず、半透明の身体を深く貫いて反対側へ抜け、石床へ突き立つ。
「うおっ、貫通した!」
ビッグスライムの巨大な身体がぐらりと揺れる。火に焼かれ、氷に凍らされ、風に切り裂かれ、三本の矢に貫かれた身体が一気に崩れていく。
「うおおお! すげえ!」
陸が声を上げた直後、べしゃっ、とビッグスライムの身体が床いっぱいに広がった。そのまま動かない。
「……え? もう終わった!?」
少し待っても元の形には戻らない。陸は十体のスケルトンを見渡す。
「お前らめちゃくちゃ強くなってるじゃん! 魔法もピアシングショットも強すぎるだろ!」
ついさっきまで遠距離攻撃なんてできなかった六体が、今はボスを動かせる間もなく倒している。
「進化しただけで戦い方変わりすぎ! いや、これめっちゃいいな!」
その時、目の前にウィンドウが現れる。
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【第2階層ボス討伐完了】
討伐評価:S
第2階層をクリアしました。
報酬を生成します。
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「S!?」
陸は画面へ顔を近づける。
「やった! 初めてS来た! 第1階層はAだったけど、この速さで倒せばSまでいくのか!」
そうしている間に、部屋の中央へ光の粒が集まり始めた。
「報酬も来た!」
光が箱の形へまとまり、宝箱が現れる。陸はすぐに駆け寄って蓋を開けた。
「ん?」
中に入っていたのは、本でも武器でもない。
箱の中央に、細長い塊が一本だけ置かれていた。色は銀に近いが、鉄よりも白く、表面にはわずかに青みを帯びた光沢がある。角まで滑らかに整えられていて、見た目からして今まで拾った物とは違っていた。
「おお……なんか高そうだな。これ何だ?」
陸は手を伸ばして持ち上げる。
触れた瞬間、アイテム名が表示された。
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ミスリルインゴット ×1
希少な金属ミスリルを
精錬した素材。
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「ミスリル!?」
陸は思わずもう一度名前を見る。
「RPGじゃ定番のやつじゃん! こんなのまであるのか!」
何に使えるのか、説明には書かれていない。
陸は手の中のインゴットを見てから、鉄の剣を持つスケルトンウォリアーへ視線を移した。
「これでこいつの剣とか作ってみたいな。今の鉄剣をミスリルにできたら、どれくらい強くなるんだろ」
今すぐ使い道は分からない。それでも、手に入れたばかりの素材を何かに使ってみたい気持ちは一気に膨らんでいた。
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