第23話 大量進化祭り!
スケルトンたちを第2階層の探索へ送り出してから、二日が経っていた。
陸は起きている間、数時間おきに玄関を開けてダンジョン側を覗いていたが、十体はなかなか戻ってこない。
「結構かかるな。第2階層、思ったより広いのか?」
その日も様子を見ようと玄関を開ける。
「おっ!」
石造りの通路に、五体のスケルトンが揃って立っていた。先頭にはスケルトンウォリアー。その後ろに四体のゴブリンスケルトンが並んでいる。
「帰ってきてる! ボス部屋、見つけたのか?」
コクッ。
五体が揃って頷いた。
「よっしゃ! やっと見つかった!」
陸はすぐダンジョン側へ出ると、もう一つの部隊へ帰還を命じた。
「これでボスに行けるな。……そういや、お前らどれくらい育ったんだ?」
待っている間にウィンドウを開く。ポイントも所持品も増えていたが、今回は軽く眺めるだけにして、そのままゴブリンスケルトンたちのレベルを確認した。
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【ゴブリンスケルトン】
Lv.10
Lv.10
Lv.10
Lv.10
Lv.10
Lv.11
Lv.11
Lv.11
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「え、全員レベル10超えてんじゃん! 一気に進化できるな!」
並んだ数字を見ていた陸の顔が、一気に明るくなる。
そのままウィンドウを眺めたり、玄関前を行ったり来たりしながら待つ。しばらく経っても姿は見えず、陸がもう一度通路の奥へ目を向けた頃、ようやく骨の足音が聞こえてきた。
カタ、カタ、カタ――。
「あ、戻ってきた!」
ゴブリンソルジャースケルトンを先頭に、残りの五体が姿を見せる。十体が揃ったところで、陸は進化させる八体から短剣と棍棒をまとめて受け取った。
「じゃあ、進化先見てみるか。今回は何になれるんだ?」
一体を選び、進化先を開く。
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【進化先を選択してください】
ゴブリンソルジャースケルトン
近接戦闘に適した進化。
ゴブリンアーチャースケルトン
弓による遠距離戦闘に適した進化。
ゴブリンメイジスケルトン
魔法による遠距離戦闘に適した進化。
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「お、今回も三つある!」
近接、弓、魔法。前に見た三系統と似ているが、今回はゴブリン由来の進化になっている。
「今はウォリアーとソルジャーが前にいるし、後ろを増やした方が良さそうだな。ソルジャー二体、アーチャー三体、メイジ三体でいこう!」
まずは二体をゴブリンソルジャースケルトンへ進化させる。
変化が収まると、二体とも肩幅が広がり、腕や脚の骨も明らかに太くなっていた。並んでいる既存のゴブリンソルジャースケルトンと比べても、近い体つきになっている。
「おお、かなりガッシリしたな!」
陸は一体を鑑定する。
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ゴブリンソルジャースケルトン
ランク:E
Lv.10
HP 44
MP 8
筋力 32
耐久 28
敏捷 25
賢さ 7
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「いいじゃん! かなり強くなってるな。これなら前でもかなり戦えそうだ!」
スキル欄も確認したが、新しい名前は増えていない。
「ソルジャーはスキルなしか。まあ、このステータスなら十分強いな」
続いて三体をゴブリンアーチャースケルトンへ進化させる。
変化を終えた三体は、ソルジャーより細身だった。腕や脚はすらりと長く、手には白い骨を組み上げたような弓。背中には同じ素材の矢筒まで付いている。
「うわ、めっちゃ弓兵っぽくなった! 弓まで付いてくるんだな!」
陸は一体の横へ回り込み、弓と矢筒を近くで眺めてから鑑定する。
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ゴブリンアーチャースケルトン
ランク:E
Lv.10
HP 38
MP 9
筋力 30
耐久 22
敏捷 34
賢さ 8
【スキル】
ピアシングショット
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「敏捷たっか! 34もあるのか。筋力も30あるし、かなり動けそうだな」
陸はソルジャーの数値と見比べる。
「耐久は低めか。じゃあ、前に出すより後ろから撃たせた方が良さそうだな」
そのままスキル欄を開いた。
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ピアシングショット
力を込めた強力な一矢を放つ。
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「ピアシングショット! 名前からして強そうだな」
陸は骨の弓と矢筒をもう一度見る。
「撃ったら矢がどうなるんだろ。速くなるのか、それとも何か変わるのかな。ボスに当てたらどれくらい効くのかも気になるな!」
まだ一度も見ていない新しい攻撃を想像すると、早く試してみたくなった。
最後は三体のメイジ。
「魔法、何使えるんだろ」
進化が終わると、三体の骨格はアーチャーよりさらに細くなっていた。細い腕の先には長い白骨の杖。先端だけ少し複雑に枝分かれしていて、近接用の武器とは明らかに雰囲気が違う。
「おお……! 杖持つだけで一気に魔法使い感出るな!」
陸は三体を順番に見てから、すぐ一体目を鑑定する。
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ゴブリンメイジスケルトン
ランク:E
Lv.10
HP 33
MP 24
筋力 18
耐久 19
敏捷 23
賢さ 29
【スキル】
ファイヤーボール
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「うわ、賢さ29!? MPも24ある!」
ソルジャーやアーチャーとは数字の並びがまるで違う。筋力は18まで下がっている。
「ここまで変わるんだ。もう完全に魔法使い用のステータスだな」
そのままスキル欄へ目を落とす。
「ファイヤーボール……マジで魔法使えるんだ!」
陸は杖の先へ目を向ける。
「ここから火の玉飛ぶのかな。早く見てえな!」
陸はそのまま二体目を開いた。
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【スキル】
アイスショット
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「……ん?」
三体目も確認する。
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【スキル】
ウィンドカッター
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「え、違うじゃん! 同じメイジでも覚える魔法は違うのか!」
陸はファイヤーボール、アイスショット、ウィンドカッターの表示を順番に見直す。
「火と氷と風か。三体とも別なの、めっちゃいいな!」
骨の杖を持つ三体が並んでいるだけなのに、さっきまでとは軍団の見え方がまるで違っていた。
八体すべての進化が終わる。
大柄なスケルトンウォリアー。三体のゴブリンソルジャースケルトン。骨の弓を持つ三体のゴブリンアーチャースケルトン。そして、骨の杖を持つ三体のゴブリンメイジスケルトン。
少し前まで似た姿のゴブリンスケルトンが並んでいた軍団は、見た目からして大きく変わっていた。
「……一気に軍隊っぽくなったな」
陸は満足そうに十体を眺め、ボス部屋を見つけてきた部隊へ向き直る。
「場所、覚えてるよな?」
コクッ。
「よし。じゃあ、新しいお前らの実戦だな。ボスを倒しに行こう!」
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