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171/203

第171話 試作品の実力!

 開けた岩場の向こうでは、アビスリザードがまだこちらに気づかず伏せていた。


 陸はさっき回収したドローンをもう一度飛ばし、少し離れた岩の上まで上げた。画面にはアビスリザードと、その手前に広がる岩場が一緒に入る。


「まず、何も付けてない状態で撃ってみるか」


 陸はゴブリンハイハンターからストームボウを受け取り、ゴブリンシャープシューターを呼び出して渡した。


「鱗の隙間じゃなくて、肩の真ん中狙って。フォーカスショット!」


 シャープシューターが弦を引き絞る。矢じりの周囲に集まった光が少しずつ強くなり、やがて弓と腕の骨まで明るく照らし始めた。


「よし、撃て!」


 弦が鳴り、光をまとった矢が岩場を横切る。


 ガッ、と硬い音が響いた。


 矢はアビスリザードの肩へ突き刺さり、黒青色の鱗に亀裂を走らせた。だが矢じりは表面近くで止まり、その下までは深く入っていない。


「やっぱ硬いな」


 アビスリザードが頭を上げ、低い唸り声を響かせた。黒青色の巨体がこちらを向き、そのまま岩床を蹴る。


「ベヒーモス、ロイヤルナイト!」


 二体が前へ出た。コボルトベヒーモスが正面からぶつかり、黒青色の頭を太い腕で押さえる。横から爪が振られると、ロイヤルナイトがアークソードで受け流しながら位置をずらした。


 アビスリザードはそのまま押し切ろうと前へ出る。ベヒーモスの足が岩床を削り、ロイヤルナイトも正面には留まらず横へ回った。


 その間に陸は所持アイテムから透明なケースを取り出した。


「よし、本番」


 中の黒い部品を取り出し、ストームボウの固定金具へ差し込む。小さな窓の奥では、蒼星鉱の薄片が青白く瞬いていた。


 太い尾が振られ、ロイヤルナイトが大きく距離を取る。コボルトベヒーモスも一度押し返されたが、すぐに踏み込み直してアビスリザードの進路を塞いだ。


「もう一回! 今度も鱗の真ん中!」


 シャープシューターが再び弦を引き絞る。矢じりに集まった光が少しずつ強くなっていく。


 アビスリザードが頭を振ってベヒーモスを押し退けようとする。ロイヤルナイトが横から斬りつけて注意を引き、その間もシャープシューターは狙いを外さない。


 光が弓から腕の骨まで広がったところで、固定金具の小窓も強く青白く光った。


「今!」


 矢が放たれる。


 コボルトベヒーモスが頭を押し戻した瞬間、その横を抜けた矢が、さっきとは反対側の肩へ飛び込んだ。


 バキッ!


 黒青色の鱗に亀裂が走った。


 矢じりがそのまま鱗を割り、その下へ深く食い込む。矢は深く刺さったまま残っていた。


「入った! 鱗にそのまま入った!」


「すごい!」


 アビスリザードが大きく身体を振る。肩に刺さった矢も激しく揺れたが、抜けない。割れた鱗の間へ深く残ったままだ。


 陸がストームボウを見ると、さっきまで青白く光っていた小窓はもう暗くなっていた。差し込んだ黒い部品の中央は焼け、継ぎ目もわずかに開いている。


「うわ、ほんとに一発で壊れた」


 それでも、目の前の結果は分かりやすかった。最初の矢は鱗の表面近くで止まり、二本目は鱗そのものを割っている。


「そのまま倒すぞ!」


 コボルトベヒーモスがもう一度正面から押し込み、フラッシュファングウルフが反対側を駆け抜ける。黒青色の頭が白い影を追ったところへ、ロイヤルナイトが踏み込んだ。


 アークソードが肩口の鱗を割って深く入り、アビスリザードが大きくよろめく。そこからは長くかからなかった。前をベヒーモスが押さえ、フラッシュが注意を散らし、ロイヤルナイトが傷口へ何度か刃を通す。


 最後にアークソードが首元へ深く入り、黒青色の巨体が岩床へ崩れた。


 しばらく待っても動かない。


「よし!」


 陸は倒れたアビスリザードの肩へ近づいた。最初に撃った側には、鱗の表面に矢じりが食い込んだ跡が残っている。反対側では、本番の一射が割った鱗の間へ矢がまだ深く刺さっていた。


 並べて見ると、差ははっきりしていた。


 陸はロイヤルナイトにアークソードで矢が刺さった周囲の鱗を切り取らせ、所持アイテムへ入れた。続いてストームボウから焼けた黒い部品を外す。少し歪んだ部品は、もう差し直して使えそうにはない。


「これも持って帰ろう」


 ドローンには、二本の矢が当たったところも残っている。陸は壊れた部品をケースへ戻し、所持アイテムへしまった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
170話と171話の中身が同じですね
丸々だぶってますよ
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