↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
162/203

第162話 Aランク戦!

 二体目のアビスリザードを倒したあと、陸は残った二体の死体を順番にスケルトン化し、そのままストックへ戻した。


「……今日はもう帰るか」


 蒼星鉱まで手に入れたうえ、アビスリザード二体との連戦までした。身体強化を使い続けたせいで、さすがに身体も重い。


 陸は近くにいたフラッシュファングウルフへ向き直る。


「周りだけ見てきて。何もなかったら戻ってきて、そのまま帰るぞ」


 白い骨狼が岩床を蹴った。


 いつものように一瞬で曲がり角の向こうへ消える。


 陸はその間にロイヤルナイトたちを近くへ集めた。エリナも隣まで来て、フラッシュファングウルフが消えた方を見る。


 まだほとんど時間は経っていなかった。


 奥から骨の脚音が響く。


「もう?」


 白い影が曲がり角から飛び出してきた。


 フラッシュファングウルフは陸たちの横まで来ると、そのまま通り過ぎかけた。すぐに身体を鋭く返し、来た道へ向き直る。青白く光る眼窩が、岩道の奥へ向いたままだ。


「……何かいる」


 次の瞬間、重い足音が響いた。


 アビスリザードよりも低く、岩床そのものが揺れるような音だった。


 曲がった岩壁の向こうから、黒に近い灰色の巨体が現れる。四本の太い脚。長い尾。頭には短い角のような突起が並んでいる。


「……タイラントドレイク」


 前に見たAランクだった。


 エリナもすぐ陸のそばまで下がった。


 前回は、こちらに気づかれる前に離れられた。


 だが今回は違う。


 タイラントドレイクの頭がこちらを向いた。


 巨体が一度止まる。


 そのまま四本の脚が岩床を蹴った。


「来る!」


 陸はすぐにシステムメニューを開き、退出を選んだ。


━━━━━━━━━━━━━━

戦闘中のため、

個人ダンジョンから退出できません。

━━━━━━━━━━━━━━


「マジか!」


 表示を閉じた時には、タイラントドレイクがもう近い。


「ロイヤルナイト! ベヒーモス!」


 二体が前へ出た。


 先にぶつかったのはコボルトベヒーモスだった。三メートル近い骨格が正面から踏ん張り、太い腕をタイラントドレイクの頭部へ押しつける。


 だが止まらない。


 灰黒色の巨体がそのまま前へ踏み込み、コボルトベヒーモスの足が岩床を削りながら後ろへ滑った。


「うそだろ……!」


 横からロイヤルナイトが踏み込む。


 アークソードが青白い光を引き、タイラントドレイクの肩口へ斬りつけた。


 硬い音が響く。


 刃は弾かれなかった。灰黒色の鱗へ細い傷が走る。


 だが、アビスリザードへ斬り込んだ時とは違う。


 浅い。


 タイラントドレイクが首を振った。


 その動きだけでロイヤルナイトが剣ごと押され、横へ大きく跳ぶ。続けて振られた前脚が岩床へ叩きつけられ、黒い岩が砕けた。


「下がって!」


 コボルトベヒーモスが距離を取ろうとする。


 タイラントドレイクが一歩踏み込んだ。


 速い。


 陸は万象の腕輪を雷属性へ切り替え、すぐに左手を向けた。


 青白い電撃が灰黒色の身体を走る。


 タイラントドレイクの頭がわずかに揺れ、踏み出しかけていた前脚が一瞬だけ止まった。


「今!」


 ロイヤルナイトとコボルトベヒーモスがその間に離れる。


 だが、硬直したわけではない。次の瞬間にはタイラントドレイクがまた動き出していた。


「フラッシュ!」


 白い影が横から走る。


 フラッシュファングウルフが巨体の前を横切り、岩道の反対側へ抜けた。


 タイラントドレイクの頭がすぐにそちらへ向く。


 次の一歩で、距離が一気に縮まった。


「えっ――」


 フラッシュファングウルフが鋭く切り返す。


 白い骨格が横へ弾け、タイラントドレイクの前脚がそのすぐ後ろを通り過ぎた。岩床が大きく砕ける。


 フラッシュファングウルフは止まらず、そのまま陸たちの方へ戻ってくる。


 陸は迷わなかった。


「無理だ、逃げる!」


 ロイヤルナイトとコボルトベヒーモスもすぐ向きを変える。


 エリナはもう走り出していた。フラッシュファングウルフがその横へつき、陸も続いて岩道へ駆け込む。


 背後で、また重い足音が響いた。


 陸は振り返らず、そのまま走った。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。