第14話 第2階層へ!
「よし。次は第2階層だな!」
陸は十体のスケルトンを連れて、ボス部屋の奥に現れた階段を下り始めた。
石でできた階段は、ゆるく下へ続いている。先は薄暗く、途中から見えない。
「何出てくるんだろ」
陸は足を止めることなく、そのまま下りていく。
少しして階段が終わった。
「おお……」
目の前に続いていたのは、また薄暗い石造りの通路だった。
壁も床も、今まで歩いてきた第1階層とほとんど変わらない。
「……あれ? 見た目はそんな変わんないんだな」
陸は左右を見回す。通路の広さも、曲がり角の感じも同じだ。
「まあいいか。問題は敵だよな!」
すぐ前を向き、そのまま歩き出す。
後ろから十体のスケルトンがついてくる。鉄の剣を持った大きなスケルトン。幅広い鉄剣を持ったゴブリンソルジャースケルトン。その周りに八体のゴブリンスケルトン。
「二階層は何が出るんだろ」
曲がり角を一つ抜ける。何もいない。
さらに進み、次の角を曲がったところで陸の足が止まった。
「……お?」
少し先に、三つの影がある。
二体は見慣れたゴブリンだった。
「ゴブリンまだいるんだ」
でも、その隣にもう一体。
地面の上に、青みがかった半透明の塊がいる。陸の膝より少し低いくらい。丸い身体がぷるぷると揺れながら、ゆっくり形を変えていた。
「……あれ、スライムなんじゃね?」
思わず一歩前へ出る。
「うわ、マジでスライムいるじゃん!」
ゲームなら何度も見たことがある。でも、実際に目の前で動いていると妙に生々しい。
陸はすぐ新しく覚えたスキルを思い出した。
「そうだ。鑑定!」
スライムへ意識を向ける。
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スライム
ランク:F
Lv.4
HP 26
MP 6
筋力 10
耐久 16
敏捷 8
賢さ 4
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「おお、ちゃんと見れる!」
実戦でモンスターへ使うのは初めてだ。陸は数字を上から追う。
「レベル4。Fランクか」
ゴブリンスケルトンより少しレベルが高い。
「HPと耐久、結構あるな」
見た目だけなら弱そうなのに、数字はそこまで低くない。
「まあ、とりあえず戦ってみるか!」
陸が前を指さす。
「行け!」
十体のスケルトンが一斉に動き出した。
二体のゴブリンもこちらへ走ってくる。
でも。
スンッ。
一体目の首が飛ぶ。
ゴブリンソルジャースケルトンが幅広い鉄剣を横へ振り、もう一体をそのまま斬り倒した。
「うわ、そっちはもう一瞬だな!」
二体のゴブリンがほとんど何もできずに倒れる。
残ったのはスライムだけだった。
一体のゴブリンスケルトンが、そのまま拳を振り下ろす。
べちゃっ。
「お!」
拳が身体へめり込み、スライムが大きく潰れた。
けれど。
ぷるん。
「……え?」
拳が離れた瞬間、潰れた身体がゆっくり元の形へ戻る。
「戻った!」
もう一体が横から殴る。また大きく形が崩れる。それでも倒れない。
「うわ、殴りづらそう!」
今度は大きなスケルトンが鉄の剣を振る。
ザシュッ。
青い身体が大きく裂けた。
「入った!」
陸が身を乗り出す。
でも、裂けた身体は床へ広がりながらも、まだ動いていた。
「まだ生きてんの!?」
スライムが身体をぐっと縮める。
次の瞬間、一気に前へ跳ねた。
ドンッ!
正面にいたゴブリンスケルトンが押され、数歩後ろへよろける。
「うわ、普通に攻撃してきた!」
すぐ周囲のスケルトンたちが囲む。
拳。短剣。二本の鉄剣。
何度も攻撃を受けるたび、スライムの身体が潰れ、裂け、床へ広がっていく。最初はすぐ元へ戻っていた形が、だんだん戻らなくなった。
最後にゴブリンソルジャースケルトンの鉄剣が上から叩き込まれる。
べしゃっ。
青い身体が床へ広がった。
今度は動かない。
「……終わった?」
少し待つ。スライムはそのままだった。
「やっと倒れた!」
陸はすぐ近くまで歩いていく。
「ゴブリンなら一瞬なのに、こいつ一体でめっちゃ時間かかったな」
床に広がった半透明の身体を見る。
そこで、ふと首を傾げた。
「……これ、スケルトンにできんのかな?」
スライム。
見たところ、どこにも骨なんてない。
「いや、骨ないよな?」
少し考える。
でも、できないと決まったわけでもない。
「まあ、試してみるか」
陸は手を向ける。
「スケルトンラッシュ!」
何も起こらなかった。
「……やっぱ無理?」
もう少し待ってみても、青白い光は出ない。
陸は床のスライムを覗き込む。
「骨ないからかな」
答えは分からない。でも少なくとも、今はスケルトン化できなかった。
「まあ、そういうやつもいるってことか」
陸は立ち上がると、第2階層の奥へ続く通路を見る。
見た目は第1階層と変わらない。ゴブリンもまだいる。
でも、新しいモンスターは明らかに今までより面倒だった。
「二階層、思ったより簡単じゃないかもな」
そう言いながらも、陸はそのまま奥へ歩き出す。
「もうちょい見てみるか!」
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