↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
136/203

第136話 プラチナスライム戦!

 陸の声に、四体の精鋭が一斉に動いた。最初に飛び出したグランドナイトが長剣を振り下ろし、銀白色の身体を真正面から捉える。


 ギィンッ!


「硬っ!」


 プラチナスライムは少し潰れただけで、すぐに元の形へ戻った。表面には斬られた跡すらほとんど残っていない。


「ハイウィザード!」


 杖の先に赤い光が集まり、プラチナスライムの周囲へ小さな火が灯る。次の瞬間、複数の炎が一斉に巻き上がったが、銀白色の表面が赤く照らされるだけで動きは止まらない。


「魔法も効かないのかよ!」


 炎の中から小さな身体が飛び出した。グランドナイトの横を抜け、そのまま陸へ向かってくる。


「うおっ!」


 身体強化を使って横へ踏み込み、ぎりぎりでかわす。プラチナスライムは石壁へぶつかる直前に向きを変え、今度はダークウルフへ突っ込んだ。


 ぶつかられたダークウルフが少し押される。それでも攻撃自体は大した威力ではない。問題は、速すぎてこちらの攻撃がまともに当たらないことだった。


「だったら、こっちも速くする!」


 陸がダークウルフへ身体強化をかけると、動きが一段鋭くなった。横から追いかけ、前脚を伸ばせば届きそうなところまで迫る。


「いける!」


 その瞬間、プラチナスライムの身体がわずかに光った。


 次の一歩で、一気に距離が開く。


「まだ速くなるのかよ!」


 アクセルボディ。身体強化したダークウルフでも追いつけない。


 陸はすぐ進路へ金属の壁を立ち上げた。だが、完成するより先にプラチナスライムが横へ抜ける。


「壁一枚じゃ無理か……!」


 今度は薄い金属を細い線へ変え、何本も交差させた。通路の左右へ端を伸ばし、大きな網のように広げる。


 プラチナスライムがそのまま突っ込んだ。銀白色の身体が網へ沈み込み、金属線が大きく伸びる。


「捕まえた!」


 だが、止まったのは一瞬だけだった。硬い身体が網を押し広げ、何本かの金属線を弾きながら向こう側へ抜けていく。


「これでもダメか!」


 それでも、さっきより明らかに速度は落ちた。


「……止められなくても、遅くはできるな」


 陸は土属性で前方の石床表面を細かく崩し、その先へ細い金属柱を何本も立ち上げた。真っ直ぐ走れる場所を減らし、避けるたびに向きを変えなければ進めない形にする。


 プラチナスライムは崩れた床でわずかに滑り、金属柱の間を左右へ切り返しながら抜けていく。止まりはしない。それでも最高速度のまま走り続けることはできなくなった。


「よし、効いてる!」


 ダークウルフが横から追い、グランドナイトがこちら側へ戻る道へ回り込む。陸も二枚の金属壁を作り、プラチナスライムが走れる場所を少しずつ狭めていった。


 さらに先には、もう一枚の金属網を張る。


 銀白色の身体が急停止したかと思うと、そのまま通路の奥へ抜けようとする。


「逃げる気か!」


 陸は逃走先にも金属壁を立ち上げ、広く動ける場所を潰した。


「ここまでやって逃がすか!」


 左右は金属壁。こちらへ戻ればグランドナイトとダークウルフがいる。残したのは、細い一本の道だけだった。


 その先では、オークデストロイヤーが大斧を構えて待っている。


 プラチナスライムが別の隙間を探すように身体を揺らした。だが、グランドナイトが距離を詰め、ダークウルフも反対側から迫る。


 逃げ場を失った銀白色の身体が、最後に残った道へ飛び込んだ。


「今だ!」


 途中に張っていた金属網へ突っ込み、一瞬だけ身体が引っかかる。勢いのまま抜けた先では、崩した石床へ乗り上げて大きく揺れた。


「バーサーク!」


 オークデストロイヤーが大斧を強く握り直す。


「デストロイクラッシュ!」


 大斧を低く構え、一気に踏み込んだ。全身の勢いを乗せて振り下ろされた一撃が、速度を落としたプラチナスライムへ真正面から叩き込まれる。


 ガギィンッ!!


 甲高い音が通路へ響き、銀白色の身体が大きく潰れた。表面へ初めて何本もの亀裂が走る。


「入った!」


 それでも、まだ消えない。亀裂だらけの身体が逃げようと動いたが、さっきまでの速度はなかった。


「グランドナイト、グランドアクセル!」


 グランドナイトが石床を強く蹴る。身体が一気に前へ弾け、その勢いのまま振り抜かれた長剣が、プラチナスライムの亀裂へ深く食い込んだ。


 銀白色の塊が弾け、細かな光の粒へ変わって消えていく。


「やった!」


 光が消えたあと、その場に一冊の本が残った。


「……本?」


 陸はすぐに鑑定する。


━━━━━━━━━━━━━━

ブリンクのスキルブック


使用することで、

スキル『ブリンク』を習得できる。

━━━━━━━━━━━━━━


「スキルブック!? やっぱ当たりじゃん!」


 陸は迷わず本へ手を伸ばした。指先が触れた瞬間、表紙から青白い光が広がり、本そのものが細かな光の粒へ変わって身体へ吸い込まれていく。


━━━━━━━━━━━━━━

スキル『ブリンク』を習得しました。

━━━━━━━━━━━━━━


「おおっ!」


 陸は覚えたばかりのスキルへ鑑定を使う。


「鑑定!」


━━━━━━━━━━━━━━

ブリンク


短距離を瞬間的に移動する。

移動可能距離には制限がある。

━━━━━━━━━━━━━━


「瞬間移動か!」


 すぐに試したくなり、陸は少し先の通路を見る。


「ブリンク!」


 一瞬だけ視界が揺れ、次の瞬間には数歩先に立っていた。


「うわ、マジで移動した!」


 今度はもっと遠く、曲がり角の近くへ意識を向けてもう一度使う。だが、何も起こらない。


「あれ? ここまでは無理か」


 少し手前へ狙いを変えると、今度は一瞬で位置が移った。


「なるほど。距離は短いけど……これ、戦う時めっちゃ使えそうだな!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!

面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや☆評価、感想で応援していただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。